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SQとは
SQ(読み方:えすきゅー)
SQとは、簡単に言うと「日経225先物などの株価指数先物取引」や「日経225オプション取引」を清算するための価格(指数)のことをいいます。
「Special Quotation」の略で、日本語では「特別清算指数」と訳されます。
もう少し具体的に説明すると、「日経225先物などの株価指数先物取引」や「日経225オプション取引」は取引できる期限が決まっています。
ですので、通常なら期限内に反対売買による決済を行いますが、中には最終取引日に決済をしないで期日を迎えるケースもあります。
そういう場合に全ての未決済ポジションを特別に清算するための価格が「SQ」となります。
この価格は「SQ値」と言うこともあります。
先物取引などの最終取引日は「SQ日の前営業日」となっていますが、それまでに決済しなかったポジションは全てSQ値で自動的に清算されることになります。
SQ値について
SQ値は各指数の構成銘柄の始値から算出されます。
例えば、日経225先物の原資産は「日経平均株価」となりますから、「日経225構成銘柄」の始値で計算された値が「SQ値」となります。
SQ値と株価指数(日経平均株価等)は同じ構成銘柄から価格を算出しますが、算出する時の計算に違いがあります。
SQ値は先ほど説明したように「始値」を基に計算されます。
つまり、寄り付いた価格を基に算出することになります。
一方で株価指数は、構成銘柄の始値だけでなく「気配値段」を用いて計算することもあります。
そのため、2つの値は必ずしも一致しません。
SQメモ
・期日を迎えた未決済ポジションを特別に清算するための価格が「SQ」
・SQ値と株価指数は同じ構成銘柄から算出されるが、計算方法に違いがあるため、必ずしも2つの値は一致しない
SQ日とは
SQ日とは、SQを算出する日のことです。
SQ算出日や特別清算日と言うこともあります。
SQ日は原則として「各限月の第2金曜日」となります。
第2金曜日が祝日等である場合は前倒しとなります。
限月とは、先物取引やオプション取引の期限が満了する月のことを指します。
3月で期限が満了するものは限月が3月となるので「3月限(さんがつぎり)」という言い方をします。
限月が6月なら「6月限(ろくがつぎり)」、12月なら「12月限(じゅうにがつぎり)」と言ったりします。
限月(げんげつ)と読むので「3月限(さんがつげん)」と読み間違える人も多いですが、正確には「がつぎり」と読みます。
SQの種類
SQ日は原則として「各限月の第2金曜日」となっていますが、限月によって「メジャーSQ」や「マイナーSQ(ミニSQ)」と呼ばれています。
メジャーSQとは、3月、6月、9月、12月のSQのことをいいます。
日経225先物やTOPIX先物、マザーズ指数先物のほか、日経225miniやオプション取引のSQでもあります。
わかりやすく言うと「全ての株価指数先物取引や、オプション取引のSQ日になる月がメジャーSQ」となります。
マイナーSQとは、メジャーSQ月以外のSQのことです。
1月、2月、4月、5月、7月、8月、10月、11月が該当します。
マイナーSQは「日経225miniやオプション取引だけのSQ」となっており、日経225先物やTOPIX先物、マザーズ指数先物などの株価指数先物取引は含まれません。
一般的なSQは上記の通り「各限月の第2金曜日」となりますが、日経225オプションでは「第1週限、第3週限、第4週限、第5週限」という期限設定の取引もあり、毎週SQ(金曜日)を迎えることになります。
2021年のSQ日一覧
2021年のSQのスケジュールは以下の通りです。
日経225先物 TOPIX先物 ミニTOPIX先物 マザーズ指数先物 JPX400先物 |
日経225mini 日経225オプション |
- | 1月8日(金) |
- | 2月12日(金) |
3月12日(金) | |
- | 4月9日(金) |
- | 5月14日(金) |
6月11日(金) | |
- | 7月9日(金) |
- | 8月13日(金) |
9月10日(金) | |
- | 10月8日(金) |
- | 11月12日(金) |
12月10日(金) |
日経225オプション取引のみ、上記のほかに毎週金曜日にSQを迎えることになります。
SQが株価に与える影響とは
SQに関するアノマリーとして「魔の水曜日」というものがあります。
これはSQ日のある週の水曜日は相場が軟調になりやすいという相場の経験則のことです。
このようなアノマリーがあるように、SQ日のある週は相場が荒れやすいと言われており、株価に影響を与えることもあります。
特にメジャーSQでは先物取引とオプション取引のSQが重なることもあり、市場に大きな影響を与えることもあります。
SQが相場に影響を与える理由はいくつかありますが、よく言われているのが「裁定取引」によるものです。
裁定取引とは、簡単に言うと「同じ価値を持つ2つの商品の価格差を利用した取引」のことです。
割安な方を買い、割高な方を売り、その価格差が解消された時に反対売買を行うことで利益を得ることができます。
株価指数先物と株価指数の価格は、一定の価格差はありますが、基本的には連動した値動きをすることになります。
しかし、株価指数先物にしても、株価指数にしても、市場で売買されている以上はその時の需要で価格が決まるので価格差が生じることもあります。
この価格差に注目した取引が裁定取引です。
例えば、先物主導で相場が上昇すると先物の価格が一定の価格差を超えて高くなることがあります。
この場合、先物が割高になるので「先物を売り」「現物を買い」という裁定取引が行われます。
このときの現物というのは各指数の構成銘柄のことです。
そして価格差が解消されたところで反対売買による決済が行われます。
つまり、今回の裁定取引の決済が行われると、現物株は売られてしまうので相場に影響を与える可能性があるわけです。
先物取引などは期日が決まっているので必ず決済をする必要があり、一般的に「SQまたはSQ付近」は決済が絡んだ取引が活発になると言われています。
そのため、SQが相場に影響を与えたり、そういう思惑から株が売られて相場に影響が出ることがあります。
幻のSQとは
SQに関する言葉として「幻のSQ」というものがあります。
これはSQ日に日経平均株価がSQ値に一度も届かずに取引を終了することをいいます。
冒頭でも説明したように、SQ値と日経平均株価(株価指数)の価格は必ずしも一致しません。
そのため、相場の状況によって、日経平均株価がSQ値に一度も触れずに取引が終了することもあります。
幻のSQは頻繁にあるものではないですが、発生した場合はその後の相場に影響を与えることがあります。
SQ値が上値抵抗線(レジスタンスライン)となり、その後の相場は弱くなりやすい
SQ値が下値抵抗線(サポートライン)となり、その後の相場は強くなりやすい
このようにSQ日だけでなくSQ日前後で相場に影響を与える可能性がありますので、「SQとは何か」「どういう要因で相場が動くのか」など理解を深めておくと良いでしょう。