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単純移動平均線とは
単純移動平均線(読み方:たんじゅんいどうへいきんせん)
単純移動平均線とは、一定期間の終値の平均価格を線で表したもので、テクニカル分析の中でもっともポピュラーな指標となります。
英語では「Simple Moving Average」といい、頭文字をとって「SMA」と表記されることもあります。
単純移動平均線は、価格推移の流れを把握するときや相場の方向性を予想するときに使われます。
楽天証券の「iSPEED」では、以下のように表示されています。
一般的に短期移動平均線、中期移動平均線、長期移動平均線の3種類のラインが表示されています。
3種類のラインの違いは「一定期間」にあります。
単純移動平均線は「一定期間の終値の平均価格」を表したものですが、計算の元になる期間が短い順番で短期、中期、長期に分類されます。
期間は投資スタイルによって様々ですが、「iSPEED」の場合、日足チャートであれば「5日(短期)」「25日(中期)」「75日(長期)」で初期設定されています。
単純移動平均線は、単に「移動平均線」と呼ぶことも多いですが、移動平均線には「加重移動平均線(WMA)」や「指数平滑移動平均線(EMA)」などの種類があります。ここでは他の移動平均線については省略していますが、それぞれ異なる指標となるので、混同しないように覚えておくと良いでしょう。
単純移動平均線メモ
・価格推移の流れの把握や相場の方向性を予想するときに使われる
・一般的に短期移動平均線、中期移動平均線、長期移動平均線の3つのラインが表示される
単純移動平均線の期間
単純移動平均線の期間についてですが、一般的に以下の期間がよく使われています。
日足チャート | 週足チャート | 月足チャート |
5日 10日 25日 75日 100日 200日 |
9週 13週 26週 52週 |
6ヶ月 12ヶ月 24ヶ月 60ヶ月 |
上記は基本的な単純移動平均線の期間となっていますが、投資スタイルによって上記以外の期間を使うこともあります。
また、期間に応じて「5日移動平均線」や「13週移動平均線」などと呼ぶこともあります。
ほかには「5日」や「13週」ではなく、「5本」や「13本」と呼ぶこともあります。
日足チャートであれば1本あたり1日となるので「5本移動平均線=5日移動平均線」「13本移動平均線=13日移動平均線」となります。
週足チャートであれば1本あたり1週となるので「5本移動平均線=5週移動平均線」「13本移動平均線=13週移動平均線」となります。
単純移動平均線の計算
単純移動平均線の平均価格の計算方法は、当日を含めた過去の価格から算出されます。
たとえば、8月5日の「5日移動平均線」の平均価格を算出する場合は、以下の終値をもとに計算されます。
・8/5終値:120円
・8/4終値:110円
・8/3終値:100円
・8/2終値:110円
・8/1終値:130円
そして、上記の終値(当日含めた5日分の終値)をすべて足して、その合計を日数で割って平均価格を算出します。
今回の場合は以下のように計算を行います。
これで8月5日の「5日移動平均線」の平均価格114円を算出することができます。
単純移動平均線の見方
単純移動平均線は、相場の流れを把握する時に使ったり、売買サインを分析するときに使われます。
単純移動平均線が上向きに推移していれば上昇トレンド、下向きに推移していれば下降トレンドと判断することができます。
ただ、単純移動平均線には短期移動平均線、中期移動平均線、長期移動平均線と3種類あるように、投資の時間軸によって判断は異なります。
たとえば、下降トレンドにあった銘柄が反発して、短期移動平均線が上向きに、長期移動平均線が下向きになっている銘柄があったとしましょう。
短期移動平均線は上向きになっているので、短期的には上昇するかもしれないと判断することができます。
そのため、時間軸が短い「デイトレード」や「スイングトレード」をする場合は「買い」の判断材料のひとつとして使うことができます。
ですが、中長期で判断する場合は、長期移動平均線が下向きとなっているので、一時的な反発でまた下落するかもしれないと予想することもできます。
そのため、買いの動きが弱くなるのを待って「売り」のタイミングを見計らったり、中長期投資の場合は「様子見」と判断することができます。
次のように、短期移動平均線、中期移動平均線、長期移動平均線、ローソク足、いずれも上向きとなっている場合は、強い上昇トレンドにあるということもわかります。
強い上昇トレンドにある銘柄は多少下がったとしても「押し目買い」が入りやすいので、そのまま上昇が続くことも多いです。
そのため、上記のようなケースでは「買い」の判断材料に使うことができます。
反対に全てが下向きであれば、下降トレンドと判断できるので「売り」と判断することができます。
移動平均線の売買サインとしては「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」が有名です。
ともに移動平均線が交差することを意味しますが、異なるものとなっているので1つずつ説明していきます。
ゴールデンクロス
ゴールデンクロスとは、「短期移動平均線が長期移動平均線」または「中期移動平均線が長期移動平均線」の下から上に抜けて交差することをいいます。
ゴールデンクロスが発生すると上昇のサインと言われており、買い判断のひとつの材料になります。
また、短期移動平均線が中期移動平均線の下から上に抜けて交差することを「ミニゴールデンクロス」といいます。
デッドクロス
デッドクロスとは、「短期移動平均線が長期移動平均線」または「中期移動平均線が長期移動平均線」の上から下に突き抜けて交差することをいいます。
デッドクロスが発生すると下落のサインとも言われており、売り判断のひとつの材料になります。
また、短期移動平均線が中期移動平均線の上から下に抜けて交差することを「ミニデッドクロス」といいます。
ゴールデンクロスやデッドクロスは、視覚的にわかりやすい売買サインとなっていますが、発生したからといって必ず上昇トレンド(下降トレンド)に突入するとは限りません。ですから実際に売買する場合はゴールデンクロスやデッドクロスだけではなく、その他の要因なども考慮して総合的に判断するようにしましょう。
単純移動平均線メモ
・上向きの場合は上昇トレンド、下向きの場合は下降トレンドと判断できる
・売買サインとして「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」がある
・ゴールデンクロス発生時は上昇トレンドへ転換した可能性があり買いサイン、デッドクロス発生時は下降トレンドへ転換した可能性があり売りサインといわれている