ローソク足の組み合わせとは、2本から3本の並び方によって、相場が転換するのか続くのかを読み取る見方です。

1本だけでは「買いと売りのどちらが勝ったか」しかわかりません。並びで見ることで、勝った側の勢いが強まっているのか弱まっているのかまで読めます。

この記事では代表的な18の型を図で示し、そのうえで「どういうときに当たらないのか」まで解説します。

この記事でわかること

・18の組み合わせの形と意味
・転換型と継続型の分類
・信頼度が上がる3つの条件
・似た形の見分け方(切り込み線の4兄弟)
・組み合わせが機能しない場面

ローソク足の組み合わせとは

ローソク足は1本ずつでも意味を持ちますが、複数本を並べて見ることで精度が上がります。

1本と複数本の違い
1本 → その期間に買い方と売り方のどちらが勝ったか
複数本 → 勝った側の勢いが強まっているか、弱まっているか

組み合わせには大きく2つの役割があります。

分類 意味 代表的な型
転換型 流れが変わる可能性を示す 星・包み線・毛抜き天井・かぶせ線
継続型 いまの流れが続く可能性を示す たすき線・並び赤・並び黒・あて首線

同じ形でも、上昇の途中で出るか下落の途中で出るかで意味が変わります。名称よりも、まずどちらの分類かを押さえてください。

窓(空)

・窓(読み方:まど)/ 空(読み方:くう)

窓とは、前のローソク足と次のローソク足のあいだにできた値段の隙間のことです。海外ではギャップと呼ばれます。

隙間ができることを窓開け、その隙間が埋まることを窓埋めといいます。

窓が開くのは、取引時間外に材料が出て、前日の終値とかけ離れた値段から取引が始まったときです。その隙間の値段では1株も売買が成立していません。

窓開け

前日のローソク足と当日のローソク足のあいだに隙間ができた窓開けの図

上に開けばギャップアップ、下に開けばギャップダウンです。

大きな窓開けは、その方向への強い需要を示します。ただし寄り付き直後がその日の高値(安値)になることも多く、飛びつきは危険です。

窓埋め

開いた窓の値段まで株価が戻り隙間が埋まった窓埋めの図

「窓は埋まる」という言い方をよく聞きますが、必ず埋まるわけではありません。決算や増資のように企業の価値そのものが変わった窓は、そのまま埋まらないことがあります。

詳しい判断基準は窓(窓開け・窓埋め)で解説しています。

・星(読み方:ほし)

窓を開けて出現した実体の小さいローソク足である星の図

星とは、窓を開けて出現した実体の小さいローソク足のことです。それまでの勢いが急に止まったことを意味します。

宵の明星と明けの明星

高値圏の宵の明星と安値圏の明けの明星を並べた3本組みの図

名称 並び 出る位置 意味
宵の明星 陽線 → 星 → 陰線 高値圏 天井のサイン
明けの明星 陰線 → 星 → 陽線 安値圏 底打ちのサイン

読み方は「よいのみょうじょう」「あけのみょうじょう」です。真ん中の星は、買いと売りが拮抗して勢いが尽きたことを表します。

組み合わせの中では信頼度が高いとされる型ですが、3本目が出そろうまで確定しません。

はらみ線

・はらみ線(読み方:はらみせん)

1本目の実体の中に2本目がすっぽり収まったはらみ線の図

1本目の実体の中に、2本目がすっぽり収まる形です。妊娠している姿に見立てて「はらみ」と呼ばれます。

大きく動いた翌日に値動きが小さくなった状態なので、勢いの減速を意味します。高値圏なら上昇の一服、安値圏なら下落の一服です。

1本目が大陽線・大陰線で、2本目が十字線に近いほど転換のサインとして強くなります。

包み線(抱き線)

・包み線(読み方:つつみせん)/ 抱き線(だきせん)

2本目の実体が1本目をすべて包み込んだ包み線の図

はらみ線とは逆で、2本目が1本目を包み込む形です。海外ではエンゴルフィングと呼ばれます。

安値圏で「陰線 → それを包む陽線」 → 買い方の反撃
高値圏で「陽線 → それを包む陰線」 → 売り方の反撃

前日の値動きをすべて打ち消したという事実が重く、転換型の中でも判断材料にしやすい形です。

かぶせ線

・かぶせ線(読み方:かぶせせん)

陽線の後に高く始まって陽線の実体の中まで下げて終えたかぶせ線の図

陽線の翌日、それより高く始まったのに、前日の陽線の実体の中まで押し戻されて終わる形です。

高く始まった時点では強く見えたのに、結局売られたということなので、高値圏で出れば天井のサインとされます。

2本目の終値が1本目の実体の半値より下まで入り込むほど、信頼度が高いと判断されます。

切り込み線

・切り込み線(読み方:きりこみせん)

陰線の後に安く始まって陰線の実体の半値以上まで戻した切り込み線の図

かぶせ線の反対です。陰線の翌日、それより安く始まったのに、前日の陰線の実体の半値より上まで戻して終わる形です。

安値圏で出れば、買い方が主導権を取り返しつつあるサインとされます。

差し込み線と入り首線

切り込み線と形はそっくりですが、2本目がどこまで戻したかで名前と意味が変わります。ここが混乱しやすい部分です。

・差し込み線(読み方:さしこみせん)… 半値まで届かない

陰線の実体の半値まで戻せなかった差し込み線の図

・入り首線(読み方:いりくびせん)… 前日の終値をわずかに上回るだけ

前日の終値をわずかに上回っただけで終わった入り首線の図

名称 2本目の終値の位置 意味
切り込み線 前日実体の半値より上 反転の期待が大きい
差し込み線 半値に届かない 戻りが弱い。下落継続の見方
入り首線 前日終値をわずかに超える程度 さらに弱い。下落継続
あて首線 前日終値とほぼ同じ 最も弱い。下落継続

形は似ていても、切り込み線だけが転換型で、残り3つは継続型です。半値というラインを基準に見分けてください。

あて首線

・あて首線(読み方:あてくびせん)

2本目の終値が前日の終値とほぼ同じ水準で終わったあて首線の図

2本目の終値が、前日の終値とほぼ同じ位置で止まる形です。買い戻す力がほとんど無かったということなので、下落が続く見方をします。

出会い線

・出会い線(読み方:であいせん)

窓を開けて始まったが終値が前日と同じ水準に戻った出会い線の図

窓を開けて始まったのに、終値が前日の終値とほぼ同じ水準に戻る形です。始値は離れているのに終値で「出会う」ことから名付けられています。

大きく動いた分がすべて打ち消されているため、それまでの流れが止まった可能性を示します。

振り分け線

・振り分け線(読み方:ふりわけせん)

前日と同じ始値から反対方向へ伸びた振り分け線の図

出会い線とは逆で、始値がほぼ同じで、終値が反対方向へ離れていく形です。

陽線の翌日に同じ値段から始まってさらに上げれば上昇継続、陰線の翌日に同じ値段から始まってさらに下げれば下落継続と見ます。

たすき線

・たすき線(読み方:たすきせん)

陽線の実体の中から始まって下げたたすき線の図

前のローソク足の実体の中から始まり、反対方向へ動いて終わる形です。たすきをかけたように見えることから名付けられました。

基本は継続型です。上昇中に出た「陽線 → 陰線のたすき」は一時的な調整と見て、上昇継続の判断をします。

毛抜き天井と毛抜き底

・毛抜き天井(読み方:けぬきてんじょう)… 高値がそろう

2本のローソク足の高値がぴたりとそろった毛抜き天井の図

・毛抜き底(読み方:けぬきぞこ)… 安値がそろう

2本のローソク足の安値がぴたりとそろった毛抜き底の図

2本のローソク足の高値(または安値)がぴたりとそろう形です。同じ値段で2回止められたということは、そこに強い抵抗帯があるという意味になります。

3回目に同じ水準を抜けられるかどうかが、その後の方向を決めます。

並び赤と並び黒

・並び赤(読み方:ならびあか)

窓を開けたあと同じような陽線が2本並んだ並び赤の図

・並び黒(読み方:ならびくろ)

窓を開けたあと同じような陰線が2本並んだ並び黒の図

窓を開けたあと、始値も実体の大きさもほぼ同じローソク足が2本並ぶ形です。赤=陽線、黒=陰線を指します。

いずれも継続型です。窓を開けたあとも同じ勢いが保たれているという意味で、上昇(下落)が続く見方をします。

18の型を一覧で確認する

名称 本数 分類 意識される位置
窓開け 2本 継続 トレンドの初動
宵の明星 3本 転換 高値圏
明けの明星 3本 転換 安値圏
はらみ線 2本 転換 高値圏・安値圏
包み線 2本 転換 高値圏・安値圏
かぶせ線 2本 転換 高値圏
切り込み線 2本 転換 安値圏
差し込み線・入り首線・あて首線 2本 継続 下落局面
出会い線 2本 転換 トレンドの端
振り分け線 2本 継続 トレンドの途中
たすき線 2本 継続 トレンドの途中
毛抜き天井・毛抜き底 2本 転換 高値圏・安値圏
並び赤・並び黒 3本 継続 窓開け後

信頼度が上がる3つの条件

型を覚えただけでは勝てません。同じ形でも、次の3つがそろっているかで当たる確率が大きく変わります。

① 出た位置 転換型は高値圏・安値圏で出て初めて意味を持つ。トレンドの途中に出た包み線はただの調整
② 出来高 出来高を伴わない転換サインは信頼度が低い。参加者が少ないまま形だけできても、それを支える資金が無い
③ 実体の比率 包み線なら包み込む幅が大きいほど、かぶせ線なら深く入り込むほど強い

とくに②は見落とされがちです。形は結果であって、それを作ったのは売買です。売買が細いまま作られた形は、次の日に簡単に否定されます。

組み合わせが機能しない場面

場面 理由
決算発表の直後 形ではなく内容で動く。翌日の形に意味が無い
出来高が細い銘柄 わずかな売買で形ができてしまう
仕手株・材料株 値動きが意図的に作られている
ストップ高・ストップ安 値幅制限で形が強制的に決まる
5分足などの短い足 ノイズが多く、型が頻発して意味を失う

とくに短い時間軸ほど型が量産されます。1日に何度も「包み線」が出るような足では、判断材料になりません。まずは日足で確認してください。

さらに5つの型に体系化された古典的な手法を学びたい場合は、酒田五法へ進んでください。

※ 本記事はチャートの読み方の解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

ローソク足の組み合わせに関するよくある質問

どの組み合わせから覚えればいいですか?
包み線とはらみ線の2つからで十分です。この2つは出現頻度が高く、形の判定も簡単です。どちらも「勢いが弱まった」という同じ意味を持つため、理屈を一度に理解できます。慣れてから宵の明星・明けの明星に広げてください。
切り込み線と差し込み線の違いがわかりません。
2本目の終値が、前日の陰線の実体の半値より上か下かだけの違いです。半値より上まで戻せば切り込み線で反転の期待が持てますが、届かなければ差し込み線となり、戻りが弱いので下落継続と見ます。半値というラインを基準にしてください。
組み合わせが出たらすぐ売買していいですか?
おすすめしません。3本組みの型は3本目が確定するまで形が決まりませんし、2本組みでも翌日に否定されることがあります。次の1本で方向が確認できてから動くと、だましをかなり減らせます。
転換型が出たのに転換しませんでした。
出た位置と出来高を確認してください。転換型は高値圏や安値圏で出て初めて意味を持ちます。トレンドの途中で出た包み線は一時的な調整にすぎません。また、出来高を伴わない形は資金の裏付けが無いため、簡単に否定されます。
窓は必ず埋まりますか?
埋まりません。決算や増資、業績修正のように企業の価値そのものが変わったことで開いた窓は、そのまま埋まらないことがよくあります。「窓は埋まる」という言い方は経験則であり、根拠にはできません。
何分足で見るのが正解ですか?
まずは日足です。短い足ほど型が頻発し、そのぶんだましも増えます。日足で型を確認し、週足で大きな流れが矛盾していないかを見る、という2段階が現実的です。
酒田五法とどう違いますか?
酒田五法は江戸時代に体系化された5つの型で、三山・三川のように3つの山や谷といったより大きな形を扱います。この記事の組み合わせは2本から3本の並びで、酒田五法よりも短期の判断に使います。両方を知っておくと、同じチャートを2つの縮尺で見られます。
組み合わせだけで売買判断できますか?
できません。ローソク足の組み合わせは「その時点で何が起きたか」を示すだけで、その後を保証しません。移動平均線でトレンドの方向を確認し、支持線と抵抗線で節目を把握したうえで、根拠が重なったときだけ使うのが現実的です。

まとめ

ローソク足の組み合わせは「勢いが強まっているのか、弱まっているのか」を並びから読む道具です。型の暗記より、転換型か継続型かの分類を先に押さえてください。

この記事のまとめ

・2本から3本の並びで勢いの変化を読む
・転換型と継続型に分けて覚える
・包み線とはらみ線は同じ理屈(勢いの減速)
・切り込み線の見分けは前日実体の半値が基準
・並び赤・並び黒・たすき線は継続型
・高値圏・安値圏で出て初めて転換型は効く
・出来高を伴わない形は簡単に否定される
・短い時間軸ほど型が量産されて意味を失う

あわせて読みたい:ローソク足とは酒田五法とは窓とはギャップアップとはアイランドリバーサルとはテクニカル分析とは

スポンサーリンク

Xでフォローしよう

おすすめの記事