アイランドリバーサルとは?離れ小島の条件とだましの避け方

アイランドリバーサルとは、上下に窓を開けたローソク足の集まりが、島のように孤立して残る反転パターンのことです。日本語では「離れ小島」と呼ばれます。

成立の条件は明確で、同じ方向へ窓を開けたあと、反対方向へも窓を開けて戻ってくることです。前後を窓で挟まれるため、その価格帯だけがチャート上で浮いて見えます。

上下を窓に挟まれてローソク足が孤立したアイランドリバーサルの形

この記事では、天井型・底型それぞれの形と、よく混同される三川宵の明星との違い、そして形が同じでも信頼度がまったく変わる条件までを図で解説します。発生頻度が低いぶん、条件を正しく絞れるかどうかで使い勝手が大きく変わるパターンです。

この記事でわかること

・アイランドリバーサルの成立条件(窓が2つ必要)
・アイランドトップとアイランドボトムの違い
・三川宵の明星との見分け方
・なぜ離れ小島ができるのかを需給で読む
・出来高で信頼度を判定する方法
・だましになる典型的なパターン
・決算や権利落ちでできる「見せかけの島」

アイランドリバーサルとは?成立には窓が2つ必要

まず成立条件を整理します。ここを曖昧にすると、単なる窓開けを島と誤認します。

条件 内容
1つ目の窓 トレンドの方向に窓を開ける(上昇中なら上へ)
島の部分 その価格帯で数日〜数週間もみ合う。1本とは限らない
2つ目の窓 反対方向に窓を開けて戻る
重要な条件 2つの窓の価格帯が重なっていること

最後の条件が肝心です。上に開けた窓と下に開けた窓が同じ価格帯にあって初めて、島が「切り離された」状態になります。2つの窓の位置がずれていれば、それは島ではなく単に窓が2回開いただけです。

窓そのものの性質については窓(窓開け・窓埋め)の記事で詳しく扱っています。

アイランドトップ(天井型)

上昇トレンドの最後に現れる形です。上に窓を開けて高値圏に到達し、そこでもみ合った後、下に窓を開けて落ちます。

三川宵の明星とアイランドトップを並べて比較した図

段階 値動き 市場で起きていること
1 上に窓を開けて急騰 買いが集中。最後の買い手が入る
2 高値圏でもみ合う 買いが尽き、売りと拮抗する
3 下に窓を開けて急落 買い手が消え、売りだけが残る

この形が意味するのは、高値圏で買った人だけが取り残されたという状況です。下の窓の下には買い手がいないため、その価格帯に戻るまで戻り売りが出続けます。

アイランドボトム(底型)

下落トレンドの最後に現れる形です。下に窓を開けて急落し、安値圏でもみ合った後、上に窓を開けて反発します。

三川明けの明星とアイランドボトムを並べて比較した図

出る場所 窓の順番 読み方
アイランドトップ 上昇の終わり 上 → 下 下落への転換
アイランドボトム 下落の終わり 下 → 上 上昇への転換

アイランドボトムは、売りたい人が最後に投げ切った状態を表します。売る人がいなくなったところに買いが入るため、上への窓が開きます。売り枯れと近い状態です。

なぜ離れ小島ができるのか

形の丸暗記ではなく、需給で理解すると判断に使えます。2つの窓には、それぞれ別の意味があります。

呼び名 意味
1つ目(トレンド方向) 消耗の窓 最後の買い手(売り手)が慌てて入った跡
2つ目(反対方向) 離脱の窓 その価格帯を見限った動き

島の部分に取り残された建玉は、上下どちらの窓の外にも逃げ場がありません。反対方向の窓が開いた瞬間、その価格帯で買った人は全員が含み損になります。

アイランドリバーサルが強いサインとされるのは、この「全員が含み損」という状態が、その後の戻り売り圧力になるためです。島の価格帯は、その後しばらく上値抵抗線として働きます。

三川宵の明星との違い

アイランドトップは、酒田五法の「三川宵の明星」と混同されやすい形です。実際、島の部分が1本だけなら見た目はよく似ています。

アイランドトップの三川宵の明星型と三川宵の十字星型を比較した図

項目 三川宵の明星 アイランドトップ
本数 3本で完成 島の本数は問わない
窓の条件 窓は必須ではない(実体の位置で判定) 上下2つの窓が必須
価格帯の重なり 問わない 2つの窓が重なる必要がある
発生頻度 比較的よく出る まれ

上の図のように、島が十字線(寄せ線)1本だけの場合は「三川宵の十字星」とも呼ばれます。買いと売りが完全に拮抗した状態を表すため、より強い転換のサインとされます。

ローソク足の組み合わせ全般についてはローソク足の組み合わせの記事で18の型を整理しています。

出来高で信頼度を判定する

同じ形でも、出来高の付き方で意味がまったく変わります。ここが実務で1番効く判定です。

信頼できる形
1つ目の窓で出来高が急増
島の部分で出来高が細っていく
2つ目の窓で再び急増
疑わしい形
窓の前後で出来高がほとんど変わらない
島の部分だけ出来高が多い
普段から出来高が少ない銘柄

理想的な形では、出来高は「急増 → 細る → 急増」という山を2つ作ります。最初の山は最後の買い手が入った跡、2つ目の山はその買い手が投げた跡です。

逆に、もともと出来高が少ない銘柄では、注文が薄いというだけの理由で窓が開きます。この場合の島は需給の転換を意味しません。出来高を必ず併せて見てください。

だましになる典型パターン

アイランドリバーサルは強いサインとされますが、外れることもあります。よくある失敗の型を挙げます。

だましの型 起きること 対処
2つ目の窓がすぐ埋まる 数日で島の価格帯に戻り、島が消える 窓が埋まったら形は無効と判断する
島が長すぎる 数か月続くと、そこが新しい価格帯として定着する 数日〜数週間の島に絞る
窓が小さすぎる わずかな隙間では需給の断絶を意味しない 値幅として意味のある窓か確認する
形の完成前に動く 2つ目の窓を待たずに判断してしまう 島は完成して初めて島。事前には分からない

最後の点は本質的な制約です。アイランドリバーサルは、2つ目の窓が開いて初めて成立する形なので、リアルタイムでは常に「後追い」になります。天井や底で動けるパターンではありません。

決算や権利落ちでできる「見せかけの島」

意外に多いのがこの誤検出です。窓は需給以外の理由でも開きます。

原因 なぜ島に見えるか
決算をまたいだ 好決算で上に窓、その後の失望売りで下に窓。形は島だが、中身は評価の入れ替え
配当落ち 権利落ち日に配当分だけ下がるため、下向きの窓に見えることがある
株式分割・併合 未調整のチャートでは巨大な窓が残る
流動性が極端に低い 数枚の注文で値が飛び、窓が量産される

島を見つけたら、その2つの窓が開いた日に何があったかを確認するのが手順です。決算発表日や権利落ち日と重なっていれば、需給の転換とは別の解釈が必要になります。

実際に使うときの手順

後追いのパターンである以上、使い方は限定されます。現実的な使い道を整理します。

立場 アイランドトップを見つけたら
保有している 島の価格帯が上値の壁になる。戻りを待つより、下の窓の水準で判断を切る
買おうとしている 島の価格帯を上抜けるまでは見送る
空売りを考える 島の上限を超えたら撤退、と価格で決めておく

いずれの場合も、島の価格帯そのものが判断の基準線になります。「形が出たから売る・買う」ではなく、「島の上端・下端を超えたらどうするか」を先に決めておく使い方が実務的です。損切りの価格を置く場所としても、島の端は分かりやすい水準になります。

アイランドリバーサルに関するよくある質問

島の部分は何本のローソク足で構成されますか?
本数の決まりはありません。1本のこともあれば、数日から数週間続くこともあります。重要なのは本数ではなく、前後を反対方向の窓で挟まれ、その2つの窓の価格帯が重なっていることです。ただし島が数か月に及ぶと、その価格帯が新しい水準として定着してしまい、転換のサインとしての意味は薄れます。
三川宵の明星とどう見分ければよいですか?
窓が2つあるかどうかで見分けます。三川宵の明星は3本のローソク足の実体の位置関係で判定する形で、窓は必須ではありません。アイランドトップは上下2つの窓が必須で、しかもその価格帯が重なっている必要があります。島が1本だけの場合は両方の条件を満たすことがあり、その場合はどちらの呼び方もできます。
アイランドリバーサルが出たらすぐ売買してよいですか?
形が完成するのは2つ目の窓が開いた後なので、そもそもリアルタイムでは判断できません。完成を確認してから動くことになるため、天井や底で売買することは原理的にできない形です。使い方としては、島の価格帯を「その後の抵抗線・支持線」として扱い、そこを超えたらどうするかを先に決めておくのが現実的です。
2つ目の窓が埋まったら形は無効ですか?
無効と判断してよい場面がほとんどです。窓が埋まるということは、いったん見限られた価格帯に買い(または売り)が戻ってきたことを意味します。島が「切り離されている」という前提が崩れるため、転換のサインとしての根拠がなくなります。窓が埋まるまでの日数や確率についてはの記事で実測データを掲載しています。
日経平均などの指数でも出ますか?
ほとんど出ません。指数は多数の銘柄の平均なので、個別の材料が打ち消し合い、上下両方向に大きな窓が続けて開くことがまれだからです。アイランドリバーサルは基本的に個別株、それも材料で大きく動いた銘柄で探すパターンになります。
出来高はどう見ればよいですか?
理想は「1つ目の窓で急増 → 島の部分で細る → 2つ目の窓で再び急増」という2つの山です。最初の山は最後の買い手が入った跡、2つ目の山はその買い手が投げた跡と読めます。窓の前後で出来高がほとんど変わらない場合は、単に注文が薄くて値が飛んだだけの可能性が高く、需給の転換とは言えません。
決算発表の前後にできた島も信用してよいですか?
形は同じでも意味が違います。決算をまたいだ窓は、企業の評価そのものが入れ替わった結果であり、需給の消耗を表しているとは限りません。好決算で上に窓を開け、その後の失望売りで下に窓を開ければ形としては島になりますが、これは「材料が織り込まれた」という別の現象です。2つの窓が開いた日付を必ず確認してください。
アイランドボトムのほうが信頼できると聞きました。本当ですか?
一概には言えません。下落局面は上昇局面より値動きが速いため、投げ売りが尽きた場面での反発が鮮明に出やすい、という説明はよくされます。ただし下げ止まったように見えて再び下げる展開も多く、形だけで底を確信するのは危険です。いずれの形でも、島の価格帯を割ったら撤退する、という価格の基準を持つことが前提になります。

まとめ

アイランドリバーサルの3行まとめ

・上下2つの窓に挟まれて孤立した価格帯のこと。窓が重なっていることが条件
・意味は「島で売買した人が全員含み損になった」こと。その後の抵抗線になる
完成が後からしか分からないため、天井・底では動けない

アイランドリバーサルは、チャートパターンのなかでも見つけたときの説得力が強い形です。ただし、その説得力の正体は「島の価格帯に取り残された建玉がある」という需給の事実であって、形そのものではありません。

だからこそ、出来高を確認して本当に売買が集中していたのか、窓が需給以外の理由で開いていないかを見る必要があります。

次に離れ小島を見つけたら、形を確認する前に2つの窓が開いた日に何があったのかを調べてみてください。それだけで、使える島とそうでない島の区別がつきます。

※ 本記事はテクニカル分析の解説を目的としたもので、特定の銘柄の売買や投資手法を推奨するものではありません。チャートパターンは将来の値動きを保証するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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