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CFPSとは

CFPS(読み方:しーえふぴーえす)

 

CFPSとは、一株当たりいくらのキャッシュフローを生み出したかを表した財務指標のことです。
「Cash Flow Per Share」の略で、日本語では「一株当たりキャッシュフロー」という意味になります。

CFPSはその企業の収益性を分析できる指標となっており、数値が大きいほど良いとされています。
数値が大きいということは、それだけキャッシュフローを生み出す力があり、好ましい状態にあると判断ができます。

そもそもキャッシュフローとは

キャッシュフローとは、簡単に言うとお金の流れのことをいいます。

会社には「入ってくるお金」と「出ていくお金」がありますが、「入ってくるお金」から「出ていくお金」を差し引いた収支がキャッシュフローとなります。

ちなみに会社にキャッシュ(現金等)が入ってくることを「キャッシュ・イン」、会社からキャッシュが出ていくことを「キャッシュ・アウト」といいます。

キャッシュフローにはいくつか種類がありますが、CFPSを算出する際は「簡易キャッシュフロー」が使われます。
簡易キャッシュフローについては次の項目「CFPSの計算方法」で説明します。

 

CFPSメモ

・CFPSとは、一株当たりいくらのキャッシュフローを生み出したかを表した財務指標のこと
・Cash Flow Per Shareの略で、日本語では一株当たりキャッシュフローと言う
・企業の収益性を分析できる指標で数値が大きいほど良いとされている

 

CFPSの計算方法

CFPSの計算方法は以下の通りです。

簡易キャッシュフロー ÷ 発行済み株式数 = CFPS

簡易キャッシュフローを発行済み株式数で割ることでCFPSを求めることができます。

簡易キャッシュフローとは

簡易キャッシュフローとは、純利益に減価償却費を加えたものです。

純利益 + 減価償却費等 = 簡易キャッシュフロー

純利益を算出する過程で減価償却費を差し引きますが、これを再び加えることで減価償却方法の異なる企業間の収益性を比較することができるようになります。

一般的にCFPSを算出する際は、この簡易キャッシュフローが用いられます。

 

CFPSメモ

・CFPSの計算方法は「 簡易キャッシュフロー ÷ 発行済み株式数 = CFPS 」
・簡易キャッシュフローとは純利益に減価償却費を加えたもの
・純利益に減価償却費を加えることで減価償却方法の異なる企業間の収益性を比較することができる

 

CFPSの活用方法

CFPSの数値は大きいほど好ましい状態にあると説明しましたが、他にも様々な活用方法があります。

・企業の収益性を測る
・減価償却方法が異なる企業間の分析
・他の指標の計算に活用

1つずつ説明していきます。

企業の収益性を測る

CFPSは1株当たりいくらのキャッシュフローを生み出したかを表しています。

キャッシュフローは、簡単に言うと入ってくるお金と出ていくお金の収支を表したものです。
つまり、入ってくるお金が多い場合はプラスとなり、それが大きくなればなるほどキャッシュフローの数字も大きくなります。

ですので、CFPSの数値がプラスかマイナスか、毎年着実に増えているかどうか、などに着目することで企業の収益性を測ることができます。

また、CFPSと似た指標として「EPS(一株当たり純利益)」があります。
EPSとは、文字通り企業の一株当たりの利益額を示す指標となります。

どちらも企業の収益性を分析できる指標ですが、純利益は操作しやすい項目となっており、表面上の数字をよく見せることもできます。
一方でキャッシュフローは操作しにくい項目となっているので「CFPS」を好んで使う投資家もいます。

CFPSとEPSを比較した場合、基本的にCFPSの数値がEPSの数値より大きくなります。
反対にEPSの数値がCFPSの数値より大きくなっている場合は、一時的な利益の発生があったり、粉飾決算のリスクがあるかもしれないという見方がされます。

減価償却方法が異なる企業間の分析

CFPSは、純利益に減価償却費を加えた「簡易キャッシュフロー」を使った財務指標となるので、減価償却方法が異なる企業間での財務分析に適した指標となります。

財務分析の指標は色々とありますが、例えば当期純利益を使ったとしましょう。
当期純利益は「減価償却費」を差し引いたものなので、しっかりと稼ぎがあっても設備投資等で利益を押し下げてしまうことがあります。
そのため、減価償却方法が異なる企業間で財務分析を行うと、同等の収益・設備投資を行っていたとしても正しく分析できないことがあります。

ですが、CFPSで使われる簡易キャッシュフローは減価償却費を再び加えたものなので、減価償却方法が異なる企業間の分析も可能となります。

他の指標の計算に活用

株式投資をする際に参考とする指標は色々とありますが、その中でCFPSを用いて算出する指標もあります。

例えば、PCFR(株価キャッシュフロー倍率)という指標があります。
PCFRは「株価 ÷ CFPS」で求めることができます。

PCFRは「株価が一株当たりのキャッシュフローに対して何倍なのかを表した指標」です。
株価の割安性を判断する時に使われる指標で「PER(株価収益率)」などの補完的な指標として使われることが多いです。

このように他の指標にも使われるものなので、CFPSが何を表しているのかなどを理解しておくと良いでしょう。

 

CFPSメモ

・CFPSは数値がプラスか、毎年増えてるか、などに注目することで企業の収益性を測ることができる
・基本的に「CFPS>EPS」が良く、「CFPS<EPS」の場合は一時的な利益の嵩上げや粉飾決算リスクがあることも
・CFPSは簡易キャッシュフローを使って計算するので減価償却方法が異なる企業間の分析に適している
・他の指標を算出する際に使われることもあるので、CFPSが何を表しているのかなどを理解しておくことが重要である
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