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一目均衡表とは
一目均衡表(読み方:いちもくきんこうひょう)
一目均衡表とは、一目で相場の均衡状況を分析できるテクニカル指標です。
都新聞の商況部部長である細田悟一氏(ペンネーム:一目山人)が昭和初期に発表した指標となります。
一目均衡表の由来は、相場は売り方と買い方の均衡(パワーバランス)によって保たれているため、その均衡が大きく崩れた時は「崩れた方向へ相場が動くのは一目瞭然」という考え方に基づいたものです。
・パワーバランスが同等なら横ばい
・売り方にパワーバランスが傾いているなら下落
・買い方にパワーバランスが傾いているなら上昇
上記のように売り方と買い方のパワーバランスをもとに、相場の方向性などを分析することができます。
一目均衡表は、日本の投資家だけでなく、海外の投資家からも指示されている人気の高い指標となっています。
一目均衡表メモ
・細田悟一氏(ペンネーム:一目山人)が昭和初期に発表した指標
・相場の均衡が崩れた時に「崩れた方向へ相場が動くのは一目瞭然」という考え方に基づいたもの
一目均衡表の見方
一目均衡表は、次の5本の線と雲(支持帯・抵抗帯)から構成されています。
・基準線
・転換線
・先行線1
・先行線2
・雲(支持帯・抵抗帯)
・遅行線
実際にチャートに表示すると、以下のようになります。
上記チャートは楽天証券の「iSPEED」の画面です。
お使いの証券会社によって多少チャートが異なることもありますが、基本的なところは同じです。
まずは、一目均衡表の基本的な見方として、5本の線について説明していきます。
一目均衡表の基準線
基準線は、当日を含めた過去26日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線のことです。
当日を含めた過去26日間の最高値と最安値を足して2で割った数字が中心値となります。
具体例:過去26日間の最高値15,000円、過去26日間の最安値12,000円の場合
中心値は13,500円となります。
基準線は中期的な相場の方向性を示しています。
一目均衡表の転換線
転換線は、当日を含めた過去9日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線のことです。
当日を含めた過去9日間の最高値と最安値を足して2で割った数字が中心値となります。
具体例:過去9日間の最高値14,000円、過去9日間の最安値12,000円の場合
中心値は13,000円となります。
転換線は短期的な相場の方向性を示しています。
一目均衡表の先行線1
先行線1は、基準線と転換線の中心値を26日先行させて表示した線のことです。
基準線の中心値と転換線の中心値を足して2で割った数字が先行線1の中心値となります。
具体例:基準線の中心値13,500円、転換線の中心値13,000円の場合
中心値は13,250円となります。
先行線1と先行線2はあわせて利用されます。
一目均衡表の先行線2
先行線2は、当日を含めた過去52日間の最高値と最安値の中心値を26日先行させて表示した線のことです。
当日を含めた過去52日間の最高値と最安値を足して2で割った数字が中心値となります。
具体例:過去52日間の最高値15,500円、過去52日間の最安値12,000円の場合
中心値は13,750円となります。
先行線1と先行線2はあわせて利用されるもので、2つの線で囲まれている範囲を「雲」といいます。
一目均衡表の雲(支持帯・抵抗帯)
先行線1と先行線2に囲まれている範囲を「雲」といいます。
雲は「支持帯」や「抵抗帯」を示しており、ローソク足との位置関係を見ることで、現在の状況を一目で判断することができます。
一目均衡表の遅行線
遅行線は、当日終値を26日遅行させて表示した線のことです。
遅行線は、当日の終値と26日前の終値を比較することになります。
これにより26日前に購入した人が現在まで保有していた場合の損益状態を把握することができます。
損益状態を把握することで、「売り」「買い」のタイミングの判断材料になります。
詳しくは「一目均衡表の使い方」で説明していきます。
一目均衡表メモ
・それぞれの線の向きやローソクとの位置関係で相場の状況を読むことができる
一目均衡表の使い方
一目均衡表は前述したとおり、5本の線から構成されています。
5本の線をそれぞれ活用して分析に使うことができるので、それぞれの活用法について説明していきます。
基準線と転換線
一目均衡表の基準線と転換線は、「移動平均線」と同じように使うことができます。
移動平均線で言うと、転換線は「短期移動平均線」、基準線は「中長期移動平均線」となります。
つまり、基準線が上向きなら上昇トレンド、下向きなら下降トレンドという見方ができます。
また、基準線と転換線が交差するところは、相場の転換点を表しています。
基準線が上向きの状態で、転換線が基準線の下から上に突き抜けるように交差する(ゴールデンクロス)場合は、相場の「好転」を意味しており、一般的に上昇サインと言われています。
反対に基準線が下向きの状態で、転換線が基準線の上から下に突き抜けるように交差する(デッドクロス)場合は、相場の「逆転」を意味しており、一般的に下落サインと言われています。
このように基準線と転換線の動きを使って、売買の判断材料にすることができます。
先行線(雲)
先行線1と先行線2の活用方法は、主に「雲(抵抗帯・支持帯)」を使った方法となります。
具体的には、雲とローソク足の位置関係から相場の状況を読んで、売買の判断材料にすることができます。
一般的に、ローソク足が雲の上で推移しているときは「上昇トレンド」、ローソク足が雲の下で推移しているときは「下降トレンド」という見方がされます。
また、雲は「抵抗帯・支持帯」と見なされているように、上値を抑える「上値抵抗線」、下値を支える「下値支持線(下値抵抗線)」になります。
そのため、雲の厚さから抵抗の強弱を読み取り、トレンドの転換時期を予想することもできます。
たとえば、雲が厚い場合は抵抗が強いという見方ができるので「トレンドが転換するまで時間がかかるかもしれない」、雲が薄い場合は抵抗が弱いという見方ができるので「トレンドの転換が近いかもしれない」という予想をすることができます。
他には、ローソク足が雲に対してどのように動くかによって、トレンド転換の判断をすることもできます。
一般的に、ローソク足が雲の下から上に突き抜ける場合は、相場の「好転」を意味しており、上昇サインと言われています
反対にローソク足が雲の上から下に突き抜ける場合は、相場の「逆転」を意味しており、下落サインと言われています。
また、先行線1と先行線2が交差すると、トレンドが転換したり、トレンドが加速するという見方もされます。
遅行線
遅行線は、売りと買いのタイミングを計るときに使われます。
遅行線がローソク足を上回った場合は「買いサイン」、遅行線がローソク足を下回った場合は「売りサイン」という見方ができます。
遅行線は当日終値と26日前の株価を比較することになりますので、26日前に株を購入した人が、現在どれくらいの損益となっているのか把握することができます。
遅行線がローソク足の上にある場合は、26日前に購入した人は含み益の状態であり、現在は強い相場であるという見方ができます。
反対に遅行線がローソク足の下にある場合は、26日前に購入した人は含み損の状態であり、現在は弱い相場であるという見方ができます。
このように一目均衡表では、様々な分析を行うことができます。
但し、一目均衡表も絶対的なテクニカル指標ではありません。
投資判断をするときは、他の指標と組み合わせて使ったり、様々な要因も考慮して売買するようにしましょう。
三役好転・三役逆転
三役好転は、以下の3つの条件が揃って、強い買いサインが出ていることを表しています。
・転換線が基準線を上回る
・ローソク足が雲を上回る
・遅行線がローソク足を上回る
具体的にチャートを参照して確認してみましょう。
上記チャートの場合、3つの条件が揃ったあとは、きれいに株価が上昇していることがわかります。
このように、3つの上昇サイン(買いサイン)が揃うと、強い買いサインが出ていることになり、株価は上昇する可能性が高いという見方ができます。
反対に、以下の3つの条件が揃って、強い売りサインが出ていることを「三役逆転」といいます。
・転換線が基準線を下回る
・ローソク足が雲を下回る
・遅行線がローソク足を下回る
三役逆転の場合は、強い売りサインが出ているので、株価は下落する可能性が高いという見方ができます。
この点は、一目均衡表を使う上で覚えておきたいポイントになります。
一目均衡表メモ
・転換線が基準線を上回ると「好転(上昇サイン)」、下回ると「逆転(下落サイン」という見方ができる
・ローソク足が雲を上回ると「好転(上昇サイン)」、下回ると「逆転(下落サイン」という見方ができる
・遅行線がローソク足を上回った場合は「買いサイン」、下回った場合は「売りサイン」という見方ができる
・3つの条件が揃うと「三役好転(強い買いサイン)・三役逆転(強い売りサイン)」となる