13Fとは?バークシャーなど大口投資家の保有銘柄がわかる報告書の提出期限・EDGARでの見方・真似するときの注意点

13F(フォーム13F)は、米国株を1億ドル以上運用する機関投資家が、四半期ごとに保有銘柄と株数をSECに報告する書類です。バークシャー・ハサウェイ(バフェット)・ブリッジウォーター・有名ヘッジファンドの保有銘柄がすべて公開され、誰でも無料で読めます。ただし提出期限は四半期末から45日後なので、公開される時点で情報は1か月半〜4か月半古くなっています。空売りや債券も載りません。

この用語の要点
  • 出すのは米国の上場株・ETF・オプションなどを1億ドル以上運用する機関投資家(ヘッジファンド・投信・年金・保険・バークシャーのような事業会社も)。空売り・債券・米国外の株・現金・先物は載らない
  • 提出期限は四半期末から45日以内(3月末分は5月15日、6月末分は8月14日、9月末分は11月14日、12月末分は2月14日ごろ)。公開時点で保有内容が変わっている可能性がある
  • 真似するなら注意が4つ。情報が古い・買値がわからない・ヘッジを含めた全体が見えない・バークシャーのような巨大投資家は1銘柄の売買に数四半期かける

13Fに載るもの、載らないもの

載る載らない
米国の取引所に上場する株式(ADRを含む)空売り(ショート)のポジション
米国上場のETF・クローズドエンド型ファンド米国以外の取引所の株(日本株・欧州株)
上場オプション(コール・プットの買い)債券・国債・現金・預金
転換社債(一部)先物・スワップ・非上場株

13Fに書くのは、SECが「13F証券」に指定した銘柄のロング(買い持ち)だけです。ヘッジファンドの多くは空売りや先物でヘッジしているので、13Fの買い持ちだけではそのファンドが強気か弱気かは判断できません。株を持ちながらプットオプションも持っていれば、実は弱気かもしれません(プットの買いは13Fに載りますが、株と組み合わせた意図までは書かれません)。

報告される項目は、銘柄名・CUSIP(証券コード)・株数・時価・議決権の有無です。買った価格や日付は載りません。前四半期と比べて「増やした・減らした・新規・全売却」がわかるだけです。SECに「秘密扱い」を申請すれば、買い集め中の銘柄をしばらく伏せておくこともできます。バークシャーは2023〜2024年、チャブ(保険)の買い集めをこの方法で数四半期伏せていました。

提出期限と、情報がどれだけ古いか

対象四半期四半期末提出期限(45日後)最も古い情報の経過日数
第1四半期3月31日5月15日ごろ約135日(1月初めの売買)
第2四半期6月30日8月14日ごろ同上
第3四半期9月30日11月14日ごろ同上
第4四半期12月31日2月14日ごろ同上

多くの機関投資家は期限ぎりぎりに出してきます。公開の時点で四半期末からさらに45日たっていて、四半期の初めの売買なら4か月半前の情報です。その間に売ってしまっていることも珍しくありません。

それでも13Fが読まれるのは、バークシャーのような長期保有の投資家なら、四半期の遅れがあまり問題にならないからです。バフェットが新しい銘柄を買ったと13Fでわかると、公開の翌日にその銘柄が数%上がる「バフェット効果」が何度も起きています。反対に、短期売買のヘッジファンドの13Fを真似しても意味はありません。公開のころにはポジションが変わっている可能性が高いからです。

EDGARと無料サイトでの見方

13FはSECのEDGARで無料で読めます。EDGARの会社検索で投資家名(例:Berkshire Hathaway)を入れ、提出書類の一覧から「13F-HR」を選びます。表形式の「Information Table」を開けば、銘柄ごとにCUSIP・株数・時価が並んでいます。前四半期の13F-HRと比べると、増減・新規・全売却がわかります。修正版は「13F-HR/A」として提出されます。

方法特徴
SEC EDGAR(公式)一次資料。表はCUSIP表記で銘柄名の確認に手間がかかる
13F集計サイト(WhaleWisdom、Dataromaなど)ティッカー表記、前四半期比、有名投資家の一覧。無料枠あり
Yahoo Finance・証券会社の「大株主」欄個別銘柄側から「誰が持っているか」を見る。13Fが元データ

個別銘柄を調べるなら、逆引きが便利です。「この銘柄を13Fで報告している機関投資家は何社か、四半期で増えたか減ったか」を見れば、機関投資家の関心の変化がわかります。ただETFやインデックスファンドの保有は、指数に入っているかどうかで決まります。見るのはアクティブ運用の投資家の動きだけで十分です。SECの書類全般の探し方は10-K・10-Q・8-Kの記事を参照してください。

有名投資家の13Fを真似するときの4つの注意点

注意点理由
1.情報が1.5〜4.5か月古い公開時点で売却済みのことがある。短期売買のファンドは特に
2.買値がわからない13Fの時価は四半期末の株価×株数。投資家が買った価格ではない
3.ポジション全体が見えない空売り・先物・海外株・現金は載らない。買い持ちだけで強気とは限らない
4.巨大投資家は売買に時間がかかるバークシャーは1銘柄に数十億ドルを投じるため、買い集め・売却に数四半期かける。「減らした」が全売却の始まりのことも

それでも役に立つ読み方はあります。1つ目は長期保有の投資家(バークシャーなど)の「新規」と「全売却」だけを見ること。増減よりも意思がはっきり出ます。2つ目は、複数の著名投資家が同じ四半期に同じ銘柄を新規で買っていたら、共通の理由(割安・業績の転換)を自分で調べること。13Fは「なぜ買ったか」までは教えてくれないので、決算資料(10-K)やフリーキャッシュフローで裏を取ります。3つ目は現金比率を13Fではなく決算資料で見ること。バークシャーの現金残高(2025年に3,000億ドル超)は10-Qに載っていて、13Fには出てきません。

経営者や大株主本人の売買は、13FではなくForm 4で報告されます。こちらは2営業日以内に出るので、ずっと早くわかります。詳しくはForm 4(インサイダー取引の報告)を参照してください。

13Fに関するよくある質問

バフェット(バークシャー)の保有銘柄はどこで見られますか?
SECのEDGARで「Berkshire Hathaway」を検索し、13F-HRを開くと全銘柄と株数が載っています。四半期末から45日後(2月・5月・8月・11月の中旬)に更新されます。ティッカーで見たいなら13Fの集計サイトが便利です。
13Fを見れば買値もわかりますか?
わかりません。13Fに載るのは四半期末時点の株数と時価だけです。投資家がいつ・いくらで買ったかは載っていません。前四半期との差分から売買の方向がわかるだけです。
ヘッジファンドが持っている銘柄は上がりますか?
そうとは限りません。13Fには空売りや先物が載らないため、買い持ちがヘッジの一部かもしれません。しかも公開時点で1.5〜4.5か月古く、もう売っていることもあります。参考にするなら、長期保有の投資家の新規・全売却に絞るのが無難です。
日本の機関投資家も13Fを出しますか?
米国の上場株を1億ドル以上運用していれば、日本の運用会社や年金(GPIFの委託先など)も提出義務があります。逆に、米国の投資家が日本株を持っていても13Fには載りません。

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執筆:(Pacific Stock編集長・専業投資家歴20年)
13Fの提出義務と期限はSECの規則13f-1、バークシャーの秘密扱いの例は同社の13F-HR/A(2024年)によります(2026年9月時点)。この記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や証券会社の売買・口座開設を勧めるものではありません。当サイトは証券会社の口座開設などでアフィリエイト報酬を得る場合がありますが、比較の順位や数値には影響しません。最終更新2026-09-29。

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