MBOとは何か?わかりやすく解説

MBOとは

MBO(読み方:えむびーおー)

 

MBOとは、Management Buyout(読み方:マネジメント・バイアウト)の略称で、日本語では「経営陣買収」といいます。
言葉の通り、経営陣による買収を意味しており、自社の株式を全て買い取って完全に経営権を取得したり、一部の事業を買い取って独立することを指しています。

MBOの目的は、グループの再編(経営体制の見直し)や、事業承継などさまざまですが、上場企業の場合は株式を非公開(上場廃止)にする手段として実施することもあります。

買収には多額の資金が必要となるため、多くの場合は経営陣が金融機関や投資ファンドから支援(融資や出資)を受けてMBOを行います。

 

MBOメモ

・MBOとは、簡単に言うと経営陣による買収のこと
・Management Buyout(読み方:マネジメント・バイアウト)」の略称である
・経営陣が自社の株式を買い取って経営権を取得したり、一部の事業を買い取って独立することを指している

 

MBOと類似、比較される言葉

MBO(経営陣買収)と類似、比較される言葉はいくつかあります。
一例として、以下の言葉についても簡単に説明していきます。

・MBO
・EBO
・TOB

MBO

MBOは「経営陣買収」のほかに、「目標管理」という意味もあります。

具体的には、
・経営陣買収を意味するMBOは「Management Buyout」の略称。
・目標管理を意味するMBOは「Management by Objectives」の略称。
となります。

MBO(目標管理)とは、簡単に説明すると、個人やグループで目標を設定し、その目標の達成度合いに応じて評価を決める制度のことをいいます。

全く同じ言葉でも、意味はぜんぜん違うので混同しないように気をつけましょう。

EBO

EBOとは、簡単に言うと従業員による買収のことをいいます。
Employee Buyout(読み方:エンプロイー・バイアウト)の略称となります。
基本的なところはMBOと同じですが、経営陣主導のものか、従業員主導のものか、という大きな違いがあります。

有名な事例として【旧銘柄コード:3258】ユニゾホールディングスのEBOがあります。
詳細は省略しますが、ユニゾホールディングスは敵対的買収を防ぐために「日本の上場企業として初となるEBO」を実施しました。
また、【4579】ラクオリア創薬もEBOにより誕生した企業となります。

TOB

TOB」とは、株式公開買付けのことで、簡単に言うと株式を取得する手段の1つです。
事前に「買付価格」や「期間」等を公表し、不特定多数の投資家から市場外で株式を買い付ける取引のことをいいます。

企業買収でよく利用されるので「TOB」=「買収」と思っている人もいますが、TOBは株式を取得する手段に過ぎません。

第三者の企業による買収でも利用されますが、MBO(経営陣による買収)やEBO(従業員による買収)、企業再編の一環として利用されることもあります。

MBOのメリット・デメリット

MBOを行うことで、経営陣側(企業側)は、迅速な意思決定ができるようになったり、長期的な目線で経営がしやすくなるというメリットが生まれます。

一方で、経営権が集中することで環境の変化に対応が遅れたり、MBOの際に株主と対立してしまう可能性などがあります。
また、上場企業の場合は株式を非公開(上場廃止)のために行うこともありますが、そうすると市場から資金調達できなくなります。
そういう点は、MBOのデメリットになるでしょう。

それでは、株主(投資家)にとってのメリット・デメリットは、どういうものがあるのでしょうか。

・メリット:プレミアムの上乗せ
・デメリット:上場廃止

それぞれ説明していきます。

投資家のメリット:プレミアムの上乗せ

プレミアムとは、市場価格と買付価格の差額のことをいいます。
例えば、市場価格1,000円の株を買付価格1,200円とした場合、差額200円がプレミアムとなります(プレミアム価格とも言う)。

MBOが決まると、その一環として株式公開買付け(TOB)が実施されますが、その時に買付価格(TOB価格)も発表されます。
この買付価格が市場価格よりも低い場合、既存株主が買付けに応じる可能性はかなり低いです。
そのため、TOBに応じてもらえるように、基本的には市場価格にプレミアムを上乗せして募集を行います。

つまり、株主は市場価格よりも高い価格で株式を売却できるので、利益を得られる可能性があります。

投資家のデメリット:上場廃止

一方で、上場廃止になるというデメリットもあります。

MBOが成立すると上場廃止になるため、株式を自由に売買できなくなります。
そのため、MBOが実施された場合は、市場で売却するか、買取に応じるのが一般的です。
MBOに応じない場合(継続保有を選択した場合)も、TOB完了後に強制的な買い取り(スクイーズアウト手続き)が行われるため、最終的に株式を手放すことになります。

つまり、MBOが実施されると、強制的に評価損益を確定せざるを得ない状況になってしまうということです。

MBOの発表時点で、含み益がある場合は、さらに上乗せした価格で買い取ってもらえるので利益が出ますが、過去に高値で掴んでしまって塩漬けしているようなケースでは「損失を強制的に確定せざるを得ない状況」になってしまいます。

この点は、MBOにおけるデメリットになるかもしれません。

MBOによる株価への影響とは

MBOでは、確実に株式を取得するために、市場価格よりも高い価格(プレミアム価格)で買い取りが行われます。

つまり、市場で株式を買い付けて、MBOに応募すればその差額だけ利益を得られることになります。

そのため、株価は買付価格(TOB価格)付近まで上昇することになります。

例として、2020年11月5日にMBOの実施を発表した【3751】日本アジアグループの株価を確認してみましょう。
今回の買付価格(TOB価格)600円となっており、5日終値を基準にした場合、約70%のプレミアムが上乗せされる形となっていました。

 

 

チャートをご覧になるとわかるように、連日ストップ高をつけて、そのあと買付価格600円付近で推移しているのがわかります。
このようにMBOが実施されると株価は買付価格付近まで上昇します。

また、場合によっては、買付価格引き上げの期待買いが入り、発表した買付価格よりも上昇するケースもあります。
これは、買付価格が低い(市場価格よりは高いが、PBR等を考慮すると安い)と判断された場合や、大株主などの反対表明があった場合などです。

こうしたケースでは、うまく株式を買い取ることができなくなるため、買収する側は買付価格を引き上げることもあり、期待の買いが入ったりします。
この場合、適正な買付価格が発表されると株価はその付近で落ち着きます。

保有株でMBOが実施された場合

上場企業がMBOを行う場合、基本的に株式の非公開化を目的としているので、MBOが不成立にならない限りは上場廃止となります。

それでは保有株でMBOが実施された場合はどうしたら良いのでしょうか。

主に3つの選択肢があります。

・公開買付けに応募(MBOに応じる)
・市場で売却
・継続保有(強制的な買取)

公開買付けに応募(MBOに応じる)

公開買付けに応募するということは、MBO(TOB)に応じるということです。
この場合は買付価格で株式を買い取ってもらうことができます。

但し、公開買付けに応募する場合は、指定の証券会社(公開買付代理人)で手続きを行う必要があります。
指定証券会社の口座が必要だったり、他の証券会社で株式を保有している場合は移管手続きを行う必要があります。

銘柄により指定の証券会社は異なりますので、応募する場合はこのあたりをしっかり確認するようにしましょう。

市場で売却

市場で売却するという選択肢もあります。
通常の株式取引と同じように、保有株を売却するだけですので手間もありません。
MBOの場合は、株価が買付価格付近まで上昇するので、公開買付けに応募した場合とほぼ同じ効果(リターン)を得られます。

継続保有(強制的な買取)

MBOが実施されると、最終的に上場廃止となるので自由に売買できなくなり、換金が難しくなります。
そのため、一般的には「公開買付けに応募」か「市場で売却」を選択します。

ですが、2つの選択肢が絶対というわけではなく、継続保有を選択することもできます。

ただ、MBOが成立すると、買収者側はスクイーズアウト手続きにより株式を強制的に買い取ることもでき、強制的な買い取りが行われた場合は最終的には株を手放さなければなりません。

継続保有(強制的な買取)は、他の手段に比べると投資資金の回収に時間もかかりますから、特に大きな理由がない場合は「応募して手放す」か「売却して手放す」を選択したほうが効率的だと思います。

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