特定株とは

特定株(読み方:とくていかぶ)

特定株とは、大株主(金融機関や関係会社・経営陣)などが保有する安定的な株式のことで、特定株式固定株または少数特定者株ともいわれます。

市場に流通している株式である浮動株に対し、特定株は市場で流通する可能性が低い株式で、企業の業績や株価が変動してもすぐに売られるようなことがなく安定して保有される株式です。

特定株主(安定株主)と特殊株主

特定株主とは、その企業の株式を長期的に安定して保有し続ける株主のことです。

例えば四季報で大株主の上位データを閲覧することができますが、株主欄に「特定」や「小口」のパーセンテージが掲載されています。(安定株主とみなされる割合が特定、保有株が50単元未満の株主の持株比率が小口)

特定株主は大株主などが保有する安定的な株式を意味する特定株の保有者のことを指しますが、一般的には安定株主と呼ばれることのほうが多いように感じられます。

また、特定株主と似た言葉で特殊株主がありますが、特殊株主とは総会屋(プロ株主)のことをいいます。

特定株メモ

・特定株とは大株主などが保有する安定的な株式のこと(特定株式・固定株・少数特定者株ともいわれる)
・その企業の株式を長期的に安定して保有し続ける株主のことを特定株主という(一般に安定株主といわれる)
・特定株主と特殊株主(いわゆる総会屋)は別

特定株の定義と特定株比率(少数特定者持株数)

四季報と東証で特定株の定義・認識が異なるものとなっており、わかりやすくまとめたのが以下の表になります。

 四季報  東証
・上位10位までの大株主
・役員(役員持株会含)保有株
・自己株式
・大株主上位10位の保有株
・自己株式等
・役員等の保有株
・その他東証が適当とみなす事例(長期的又は固定的所有とみられる株式等)

四季報の特定株の定義・認識は上記3つの合計の比率ですが、特定株比率浮動株比率の合計が100%にならないケースもあります。

100%に満たない部分については、50単元以上保有で特定株に該当しない株主が保有している株式数の比率ということになります。

また、東証の「大株主上位10位」ですが、大株主上位10位の保有株であっても浮動株としてみなされることもあります。

特定株比率とは

発行済株式数には特定株と浮動株2つの種類があります。
発行済株式数のうち、特定株の占める割合を特定株比率(または少数特定者保有比率)といいます。(浮動株が占める割合は浮動株比率

一般に特定株比率が高い銘柄は流動性が低くなります。
流動性が低い=市場で取引される株式数が少ないということなので、値段が付きにくく株価の変動は大きくなる傾向があります。

特定株メモ

・特定株の定義・認識は四季報と東証(取引所)では異なる
・発行済株式数のうち、特定株の占める割合を特定株比率という

特定株に関してよくある質問

特定株比率が高い銘柄には、どのようなメリットがありますか?
「経営が安定している」という点が最大のメリットです。 大株主が経営陣や親会社であるため、短期的な株価変動に一喜一憂せず、長期的な視点での経営が行われやすい傾向にあります。また、浮動株(市場に出回る株)が少なくなるため、好材料が出た際に株価が急騰しやすい「値動きの軽さ」も魅力です。
逆に、特定株比率が高すぎることによるデメリットはありますか?
「流動性が低く、売りたい時に売れないリスク」があります。 取引高(出来高)が少ないため、まとまった株数を売ろうとすると、自分の売り注文だけで株価を大きく押し下げてしまうことがあります。また、経営陣の力が強すぎるため、株主還元が後回しにされたり、ガバナンスが効きにくかったりする懸念もあります。
特定株と「浮動株」は、投資判断においてどう使い分ければいいですか?
「値動きの性質」を判断する指標として使い分けます。
特定株が多い(浮動株が少ない): 値動きが激しく、短期的な「爆発力」を狙う投資向き。
特定株が少ない(浮動株が多い): 値動きが緩やかで、いつでも売買できる「安定性」を求める投資向き。
上場維持基準において、特定株比率は関係ありますか?
非常に深く関係しています。 東証のプライム市場などでは「流通株式比率(≒特定株を除いた比率)」が一定以上であることが求められます。特定株が多すぎるとこの基準に抵触し、「上場廃止」を避けるために、大株主が株を売り出す(売出し)などのイベントが発生する可能性があります。
特定株を持っている親会社や創業者が、急に株を売ることはありますか?
あります。それが「売出し(PO)」です。 資産整理や、上述の上場維持基準への対応、あるいは事業承継のタイミングなどで、特定株が市場に放出されることがあります。短期的には需給悪化で株価が下がりますが、長期的には流動性が高まるという側面もあります。
特定株比率が高い銘柄は、TOB(株式公開買付け)が起きやすいですか?
ケースバイケースです。 親会社が子会社を完全子会社化する「親子上場解消」のTOBは起きやすいですが、第三者による「敵対的買収」は、特定株(安定株主)が多いため非常に困難になります。
特定株の割合は、どこで確認できますか?
『会社四季報』や、有価証券報告書の「大株主の状況」で確認できます。 上位10名程度の株主の顔ぶれと保有比率を見ることで、その会社の実質的な支配権がどこにあるのか(創業者系か、親会社系か、銀行系か)を把握できます。
大株主が「資産管理会社」の場合、それは特定株ですか?
はい、基本的には特定株とみなされます。 創業家などが自身の資産を守るために作った会社であることが多く、実質的には個人(創業者)が持っているのと同義です。これらが上位にある銘柄は、創業家の支配力が極めて強いことを意味します。
初心者は、特定株比率をどのようにチェックすべきですか?
「極端に高すぎないか(例:80%以上)」をまず見てください。 あまりに高いと、株価が操作されやすかったり、板が薄すぎて初心者が売買するには危険な「品薄株」であったりすることが多いためです。まずは浮動株とのバランスが良い銘柄から慣れていくのがお勧めです。

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