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立会外分売とは
立会外分売(読み方:たちあいがいぶんばい)
立会外分売とは、取引時間外に株式を売り出す売買方法のことです。
大株主などのまとまった売り注文を小口に分けて売り出しを行います。
立会外分売は通常の取引とは異なるため、個人投資家では買えないと思っている人も多いと思いますが、証券会社で申込をして購入することができます。
立会外分売の予定は企業が発表する適時開示や、各証券会社で確認できるので、購入を考えている場合は条件等を確認してから申込をしましょう。
また、立会外分売の価格は「分売実施日」の前日終値をもとに決定されますが、前日終値より数%ほど安い価格で売り出しが行われます。他にも購入する際の手数料もかかりません。
つまり、通常よりもお得に株式を購入できるメリットがあります。
立会外分売の目的については個人株主の増加や流動性の向上などがあります。
他にも取引時間内にまとまった売り注文を出すと株価の値下がりが懸念されるため、時間外に行われる立会外分売を利用することがあります。
但し、大量の株式を立会外分売された場合は、ネガティブな材料になりやすく売られやすくなることもあります。
立会外分売メモ
・前日終値より安い価格で株式の購入ができる
・しかし大量の立会外分売が行われると株価下落の懸念も
立会外分売を行う目的
立会外分売を行う目的はいくつかあります。
参考までに、以下の4つの目的を説明していきます。
- 株主の数を増やす
- 株式の流動性を高める
- 市場変更(指定替え)のため
- 資金調達、利益確保のため
株主の数を増やす
立会外分売は株主の数を増やすために行うことがあります。
この株主の数を増やす目的は、次の2つの目的があります。
- 株式の流動性を高める
- 市場変更のため
株式の流動性を高める
株主の数を増やす一つ目の目的は、株式の流動性を高めるためです。
流動性が低い場合はスムーズに取引が行えず、買いたい価格・売りたい価格で取引が難しくなってしまいます。
そうなると投資家から敬遠されてしまうこともあります。
逆に流動性が高いとスムーズに取引ができ、買いたい価格・売りたい価格で取引がしやすくなります。
そのため流動性を高めるために、立会外分売が行われることがあります。
市場変更のため
もう一つは「市場変更」を行うためです。
指定替えとは、東証2部から東証1部、マザーズから東証1部などへ市場を移動することです。
市場変更をするには一定の基準を満たす必要があります。
その基準の中には、先ほど説明した株主数や株式流動数なども含まれており、それらの基準を満たさなければ市場変更を行うことはできません。
そのため、株主の数を増やしたり流動性を高めるために、立会外分売を行うケースがあります。
上位市場への指定替えは、基本的に好感されるので中長期的に考えるとポジティブな材料と言えるでしょう。
資金調達、利益確保のため
立会外分売は、資金調達(または利益確保)のために行うこともあります。
たとえば、大株主であるA社が、B社の株式を立会外分売で売却する形です。
A社は増資などせずに資金調達(または利益確保)をできるため、A社の株主からするとポジティブに捉えられます。
しかしB社は立会外分売で株式を売り出されただけでポジティブな面はありません。
逆にA社が売り出しを行ったことでネガティブ材料になることが多いです。
立会外分売メモ
・目的によってはポジティブにもネガティブにもなり得る材料
立会外分売のメリット
立会外分売において、投資家が得られるメリットとデメリットを紹介します。
まずメリットについては、以下の2点が挙げられます。
- 割引価格で株式を購入できる
- 手数料がかからない
冒頭でも紹介しましたが、立会外分売は「分売実施日」の前日終値より数%安い価格で株式を購入できます。
数%は株式によって異なりますが、2%前後の場合もあれば、3%以上安く購入できることもあります。
他には手数料があります。
通常、株式を購入する場合は取引手数料がかかります。
しかし立会外分売で購入する場合は、取引手数料がかかりません。
(購入後、売却する際は手数料がかかります)
この点は立会外分売のメリットになります。
但し、大量の立会外分売を行ったり、目的次第ではネガティブ材料になります。
そのため割引価格以上の株価下落が起こる可能性もあります。
この点は立会外分売のデメリットになります。
立会外分売メモ
・但し、割引価格以上の株価下落の可能性もある
立会外分売による株価の動向
それでは立会外分売の実施で株価はどのように動くのでしょうか。
例として、2019/11/28に立会外分売を実施した【3135】マーケットエンタープライズの株価を確認していきましょう。
11月20日に「株式の立会外分売に関するお知らせ」を発表がありましたが、翌営業日以降は売り圧力が強まりました。
その後、11月27日に「株式の立会外分売実施に関するお知らせ」で分売実施日や分売価格の発表がありました。
・実施日:11月28日
・分売価格:2,847円
11月27日の終値は2,920円となっているので2.50%の割引価格で購入できることになります。
27日まで株価は連日下落となっていましたが、実施日や分売価格の発表もあり、11月28日の分売実施日以降は反発に転じています。
つまり、立会外分売で株式を購入した場合は含み益となります。
11月28日の終値は3,005円なので100株で15,800円の含み益
12月4日には高値3,590円をつけているので100株で74,300円の含み益となります。
このように立会外分売発表後は下落するケースも多いですが、分売実施日以降は反発するケースも多々あります。
また、立会外分売に参加しない場合でも、この下落と反発を使って利益を狙うことも可能です。
立会外分売メモ
・ただ指定替えなどポジティブなものなら中長期的には上昇を狙える可能性も
立会外分売のよくある質問
この結果が反映され次第、売却が可能となります。
立会外分売実施銘柄
銘柄コードをクリックすると【前日終値・分売価格・分売実施日終値】をご確認いただけます。
実施日 | 銘柄コード | 銘柄名 |
2019/11/29 | 2454 | オールアバウト |
2019/11/28 | 3135 | マーケットエンタープライズ |
2019/11/27 | 4442 | バルテス |
2019/11/27 | 7060 | ギークス |
2019/11/26 | 2831 | はごろもフーズ |
2019/11/25 | 9322 | 川西倉庫 |
2019/11/25 | 3771 | システムリサーチ |
2019/11/22 | 6194 | アトラエ |
2019/11/22 | 3689 | イグニス |
2019/11/21 | 7749 | メディキット |
前日終値 |
684円 |
分売価格(割引率) |
663円(3.07%) |
分売実施日終値 |
687円 |
前日終値 |
2,920円 |
分売価格(割引率) |
2,847円(2.50%) |
分売実施日終値 |
3,005円 |
前日終値 |
1,477円 |
分売価格(割引率) |
1,441円(2.43%) |
分売実施日終値 |
1,575円 |
前日終値 |
1,513円 |
分売価格(割引率) |
1,475円(2.51%) |
分売実施日終値 |
1,524円 |
前日終値 |
2,675円 |
分売価格(割引率) |
2,595円(2.99%) |
分売実施日終値 |
2,626円 |
前日終値 |
1,051円 |
分売価格(割引率) |
1,020円(2.94%) |
分売実施日終値 |
1,041円 |
前日終値 |
1,775円 |
分売価格(割引率) |
1,730円(2.53%) |
分売実施日終値 |
1,848円 |
前日終値 |
3,470円 |
分売価格(割引率) |
3,400円(2.01%) |
分売実施日終値 |
3,475円 |
前日終値 |
983円 |
分売価格(割引率) |
953円(3.05%) |
分売実施日終値 |
931円 |
前日終値 |
6,860円 |
分売価格(割引率) |
6,654円(3.00%) |
分売実施日終値 |
6,710円 |