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目論見書とは
目論見書(読み方:もくろみしょ)
目論見書の意味
目論見書とは、わかりやすくいうと有価証券の募集や売出しの際に投資家に交付する重要な文書のことです。
IPO(新規株式公開)においても、上場する企業情報記載の目論見書が交付されます。
目論見書の作成・交付義務
株式・債券・投資信託(ETF含)など有価証券の募集・売り出しの際には、総理大臣に提出しなければいけない届出書があります。
これを有価証券届出書といいますが、株式会社が株式などの有価証券を募集や売出しによって販売する際、投資家に対して目論見書を交付することが法的に義務づけられています。(記載する項目においても法律で定められています)
目論見書には以下の2種類が存在します。
・交付目論見書(こうふもくろみしょ)
・請求目論見書(せいきゅうもくろみしょ)
交付目論見書とは?
交付目論見書とは簡単にいうと要点を抜粋した目論見書のことで、運用会社によって作成されます。
投資家が購入しようとしている投資信託について投資判断に必要な重要事項の要点が記載された交付目論見書は、投資信託を購入する前に必ず投資家に交付されます。
交付目論見書記載の要点は主に
・ファンドの目的
・投資のリスク
・過去の運用実績
・諸費用等
について記載されています。
また、交付目論見書は投資信託説明書ともいわれます。
請求目論見書とは?
請求目論見書とは、簡単にいうと詳細版の目論見書です。
運用会社によって作成され、投資家から請求があった際に交付しなければならないものです。
請求目論見書の記載事項は
・ファンドの沿革
・概要
・受益者の権利
・損益計算書
・純資産額計算書
など、詳細な情報が記載されています。
英語では
目論見書は英語では「Prospectus」と表記されます。
目論見書メモ
・有価証券を販売する際、投資家に対して目論見書を作成・交付することは法令義務
・投資信託を購入する前に必ず投資家に交付されるのが交付目論見書(投資信託説明書)
・投資家から請求があった際に交付しなければならないのが請求目論見書
目論見書の閲覧
目論見書の閲覧方法は、証券会社や銀行のホームページにて閲覧することができます。
これを一般に、目論見書電子交付といいます。
目論見書電子交付
目論見書電子交付とは、簡単にいうと目論見書をインターネット上で閲覧・ダウンロード(PDF)することができるということです。
基本的には各社共通して目論見書電子交付を行うにあたって事前に何か契約等の必要はなく、自身が必要とする目論見書を選択して電子交付を行うという形式となっています。
電子交付の手順
例えば、楽天証券の場合だとTOPページ検索窓に「目論見書」と入力して検索することで、検索結果に『目論見書の請求方法』のページが表示されます。
同ページにて投資信託の目論見書の請求方法の基本的な流れが紹介されています。
三井住友銀行(SMBC)ではサイト内検索で「目論見書」と検索 ⇒『目論見書(一覧)』のページにて国内株式などの商品名が記載されており、各商品名から交付目論見書・請求目論見書の閲覧が可能となっています。
目論見書補完書面
目論見書とは別で、目論見書補完書面(もくろみしょほかんしょめん)という書面があります。
金融商品取引法第37条の3の規定により投資家に提供される書面です。
目論見書の不十分なところを補う文字通り「目論見書を補完するため」の書面で、投資信託(ファンド)を購入の際に確認すべき書面となります。
目論見書補完書面は証券会社や信託銀行などのホームページ上で確認することができるようになっており、内容的にはクーリング・オフの適用対象外であることなどが記載されています。
目論見書の見方
目論見書は投資家の投資判断基準となる必要情報を提供することを目的として交付されるものです。
目論見書の基本的な見方としては
・どんなファンドなのか?
・運用状況の確認
・決算時期と分配金
・リスク面の理解
・コスト面の把握
主に上記5点を理解することが大切です。
それぞれ簡潔に説明します。
どんなファンドなのかを知る
自身がどのような商品に投資しようとしているのかを理解・把握し、運用期間の確認を行います。
期間には期限が決まっているものと、無期限のもの(無期限に続くことを前提としている)があります。
運用状況の確認
基準価額と純資産の推移のチェックしたり、どのような運用を目指しているのかを確認します。
決済時期と分配金
決算時期(決算日)と分配金(投資信託の収益から投資家へ支払われるお金)について、基本的には『分配方針』をチェックしてどのような方針で分配が行われているのか、またその頻度を確認し、把握するようにしましょう。
リスク面の理解
単純に、どんな投資リスクがあるのかを理解することが重要となります。
『基準価額の変動要因』項目にて確認し、合わせてリスクに対してどのような管理体制なのかをチェックします。
コスト面の把握
リスク同様に、ファンドにかかるコストを把握することも重要なポイントです。
『ファンドの費用』項目で、ファンドにかかる諸費用を把握しましょう。
また、税金の種類をチェックし、何にどんな税金がかかるのかを把握します。
目論見書メモ
・投資信託商品を購入の際、目論見書とあわせて目論見書補完書面の確認も行う
・目論見書の見方は「どんなファンドなのか」「運用状況の確認」「決算時期と分配金」「リスク面の理解」「コスト面の把握」が重要