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モメンタムとは

モメンタム(読み方:もめんたむ)

 

モメンタムとは、オシレーター系指標のひとつで、相場の勢いや方向性を分析するためのテクニカル指標のことです。

当日の終値と過去の終値を比較することで、現在の株価の短中期的な勢いを判断することができます。
例えば、株価が上昇しているときに、モメンタムも上昇していれば株価上昇の勢いは強いと判断されます。

ほかには、相場の転換点などを予測するときにも使われます。
株価が上昇しているのにモメンタムが横ばいで推移していたりすると、株価上昇の勢いが弱まっていることを示し、トレンド転換の可能性があると判断されます。

また、モメンタムは英語表記「momentum」の日本語読みで、「勢い」や「はずみ」という意味があり、マーケット全般で勢いを示す際の表現として使われる言葉でもあります。

株価の動きに勢いがある銘柄を「モメンタム株」と言ったり、モメンタム株など勢いのある銘柄に対して順張りで投資することを「モメンタム投資」と言ったりします。
ほかには、業績に対してもモメンタムという言葉を使ったりします。

「業績モメンタム」なんて言ったりもしますが、例えば増益を続けている企業が一転して減益を発表した場合、勢いが衰えていることを示すので“業績のモメンタムが弱い”といったように使ったりします。
業績のモメンタムを見る場合は「売上高成長率(売上高変化率)」や、営業利益や経常利益の「利益成長率(利益変化率)」などを使って判断します。

このようにモメンタムは、テクニカル指標のほか、勢いを示す際の表現として様々な局面で使われる言葉となります。

モメンタムの計算式と設定値

モメンタムの計算式は次の通りです。

当日の終値 - 過去の終値 = モメンタム

当日の終値から過去の終値を引くという単純な計算で求めることができます。

過去の終値については、任意の値を設定することができます。
この値に決まったものはありませんが、一般的には次の数値がよく利用されています。

・日足:「10日」や「25日」
・週足:「9週」や「13週」
・月足:「3ヶ月」や「6ヶ月」

このあたりの数値については投資スタイルにもよるので、自身にあったものを選択するようにしましょう。

 

モメンタムメモ

・モメンタムとは、オシレーター系指標のひとつ
・相場の勢いや方向性を分析するためのテクニカル指標のこと
・マーケット全般で勢いを示す際の表現として使われる言葉でもある
・モメンタムは当日終値から過去終値を引くだけ簡単に求めることができる
・設定値は日足なら「10日」や「25日」がよく利用される

 

モメンタムの見方

それではモメンタムをチャート上に表示して確認してみましょう。

以下、楽天証券「マーケットスピード2」のチャートを参考に見ていきます。

モメンタムは1本のラインで表示されており、0ラインを中心に推移しています。

そして基本的な見方としては、

・モメンタムが0ラインよりも上にあれば強気相場(上昇トレンド)
・モメンタムが0ラインよりも下にあれば弱気相場(下降トレンド)

と判断されます。

また、利用する取引ツールによっては、モメンタムとモメンタムシグナルの2本のラインが表示されていたり、100ラインを中心に推移している場合もあります。
100ラインが中心となるモメンタムの場合、計算式は「当日の終値 ÷ 過去の終値 × 100 = モメンタム」となります。

モメンタムの使い方

モメンタムは相場の勢いだけではなく、売買のタイミングや相場の転換点を判断するときにも役立ちします。

それでは実際にモメンタムを表示して説明していきます。

モメンタムで相場の勢いやトレンドを判断する

モメンタムは短中期的な相場の勢いやトレンドを判断するときに役立ちします。

まずはトレンドについてはモメンタムが0ラインより上か下かで判断します。

基本的に、モメンタムが0ラインより上にある場合は上昇トレンド、下にある場合は下降トレンドとなります。

そして、その数値が大きくなるほどそのトレンドの勢いは強いという見方ができます。

上記チャートを見ても0ラインを超えたところで株価上昇が加速して、モメンタムの数値がどんどん大きくなっているのがわかります。

ただし、0ラインの上や下で推移していても、モメンタムが横ばいに推移したり、株価上昇の局面でモメンタムが下降(株価下落の局面でモメンタムが上昇)している場合は、トレンドの勢いが弱くなってきていると判断されます。

このようにモメンタムに注目することで、現在の株価の勢いや方向性を判断することができます。

モメンタムで買いのタイミングを判断する

モメンタムで買いのタイミングを判断する方法はいくつかあります。

1つ目は、モメンタムが0ラインを上抜けたときです。
要するにマイナスからプラスへ浮上したところが買いサインとなります。

赤ラインの縦軸が0ラインを上回ったタイミングです。
上昇期間や上昇幅の大小はあるものの、0ラインを超えた後は概ね株価上昇となっています。

2つ目は、0ラインの上にあるモメンタムがさらに上昇しているときです。

モメンタムが上昇しているということは、株価上昇の勢いが加速していることになります。
相場はトレンドが発生すると一方向に進みやすい傾向にあることから、このタイミングは順張りで利益を狙うことができます。
ちなみにこのような投資手法を「モメンタム投資」といいます。

モメンタムで売りのタイミングを判断する

次はモメンタムで売りのタイミングを判断する方法についてです。

1つ目は、モメンタムが0ラインを下抜けしたときです。
モメンタムがプラスからマイナスへ転落したところが売りサインとなります。

青ラインの縦軸が0ラインを下回ったタイミングです。
上昇と同じように、下落期間や下落幅の大小はあるものの、0ラインを下回った後は概ね株価下落となっています。

2つ目は、0ラインの下になるモメンタムがさらに下落しているときです。

モメンタムが下落しているということは、株価下落の勢いが加速しているということです。
トレンドは一方向に進みやすい傾向にありますから、やはりこちらも順張り(空売り)で利益を狙うことができます。

モメンタムで相場の転換点を判断する

モメンタムは先ほど紹介したとおり、数値が多くなると「勢いが強くなっている」、数値が伸び悩んだり縮小すると「勢いが弱くなっている」と判断できますので、この強弱を使って相場の転換点を予測します。

株価が上昇しているのにモメンタムが横ばい(または下落してきた)場合は、株価上昇の終わりが近く、下降トレンドに転換する可能性があると予測できます。

株価が下落しているのにモメンタムが横ばい(または上昇してきた)場合は、株価下落の終わりが近く、上昇トレンドに転換する可能性があると予測できます。

このようにモメンタムでは相場の勢いや方向性、売買のタイミングなどを判断するときに役立つ指標となっています。

ただし、モメンタムも完璧な指標ではありません。
いわゆる“ダマシ”もあったりするので、他の指標と組み合わせて使ったり、さまざまな要因を考慮した上で最終的な投資判断はするようにしましょう。

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