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ADP雇用統計とは

ADP雇用統計(読み方:えーでぃーぴーこようとうけい)

 

ADP雇用統計とは、米国の給与計算代行業者大手のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)社が算出・公表する雇用統計レポートのことです。

ADP社が約50万社の顧客を対象に毎月雇用者数の動向を調査したデータをもとに算出されています。

ADP雇用統計は、米国の労働省が発表する非農業部門雇用者数などの予測をするために開発された統計となっており、米国の雇用情勢を把握する上で重要な経済指標の一つとされています。

米国の労働省が発表する米国雇用統計の2営業日前に発表され、非農業部門雇用者数や失業率の先行指標として注目されています。

ADP雇用統計と米国雇用統計の違い

ADP雇用統計と米国雇用統計は、同じ非農業部門の雇用者数を測っているという点では似ていますが、以下のような違いがあります。

ADP雇用統計は、ADP社の顧客データをもとに予想して算出していますが、労働省が発表する米国雇用統計は、米国全土の企業や政府機関に対して調査を行い、そのデータをもとに算出されています。

また、ADP雇用統計は、政府機関などを含まないため、米国雇用統計よりも対象範囲が狭くなっているのも特徴のひとつです。

ADP雇用統計は、米国雇用統計の先行指標のひとつとして参考になりますが、2006年5月始まった比較的新しい指標となっており、集計方法等が変更されることもあります。

また、データや対象範囲などの違いもあることから、必ずしもADP雇用統計と米国雇用統計が同じになるわけではありません。

米国雇用統計の数字と乖離がある場合もあるので、ADP雇用統計の結果を信用しすぎることは注意も必要です。

ADP雇用統計が注目される理由

ADP雇用統計が注目される理由は、前述したとおり、米国雇用統計の先行指標となるからです。

米国雇用統計は米国の景気動向を測るうえで重要な指標となっており、中でも特に注目されているのが非農業部門雇用者数となります。

非農業部門雇用者数とは、農業部門を除く産業分野で民間企業や政府に雇用されている人数と、その増減をまとめたものです。
非農業部門雇用者数が増加すると、賃金や個人消費が拡大するため、景気との連動性が高い指標として重要視されています。

ADP雇用統計は、この米国雇用統計の2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の予測ができる指標として注目されています。

非農業部門雇用者数や失業率は、アメリカの中央銀行にあたる連邦準備理事会(FRB)や連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策にも反映されると言われており、株式市場のほか、外国為替市場にも大きな影響を与えているため、投資家や金融業界では必見の指標となっています。

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