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MRRとは
MRR(読み方:えむあーるあーる)
MRRとは、毎月繰り返し発生する収益(売上)のことをいいます。
英語の「Monthly Recurring Revenue(マンスリー・リカーリング・レベニュー)」の略称で、日本語では「月次経常収益」や「月間経常収益」と呼ばれています。
「毎月繰り返し発生する収益(売上)」というのは、簡単に言うと月額利用料などのサブスクリプション型ビジネスで得られる売上などを指しています。
初期費用や都度購入などの1回限りの売上は含まれません。
MRRはSaaS企業やサブスクリプション企業でよく用いられる指標です。
SaaS企業などは、商品・サービスを1回限り提供するのではなく、商品・サービスを継続的に提供して、利用者から一定期間ごとに月額利用料などを受け取るビジネスモデル(いわゆるサブスクリプション型ビジネス)となっています。
1回限りの商品・サービスの提供ではいつ収益が発生するかわかりませんが、サブスクリプション型ビジネスは利用者が解約しない限り毎月繰り返し発生する収益となります。
そのため、MRRはSaaS企業やサブスクリプション企業では重要な指標の1つとなっています。
MRRは「毎月繰り返し」発生するものなので結果を予測しやすく、今後の収益見込みを判断する時に使われたりします。
また、MRRの推移を確認することで事業の成長性を図ることができ、投資家にも注目される指標となっています。
基本的にMRRは伸びている、高くなっている会社ほど良いとされています。
MRRメモ
・日本語では「月次経常収益」や「月間経常収益」と呼ばれるものでSaaS企業などがよく用いられる指標
・結果が予測しやすく、今後の収益見込みなどを判断する時に使われている
・また、MRRの推移から事業の成長性を図る指標としても注目されている
MRRの種類
MRRは以下のように4つに分類されます。
・New MRR
・Expansion MRR
・Downgrade MRR
・Churn MRR
New MRR
「New MRR」は、新規顧客から得られるMRRとなります。
例えば、新規顧客が3,000円プランに10人加入した場合
【3,000円×10人=New MRR 30,000円】となります。
Expansion MRR
「Expansion MRR」は、既存顧客が上位プランにアップグレードなどを行った際に追加で得られるMRRとなります。
例えば、前月3,000円プランに加入していた顧客の一人が5,000円プランに変更した場合
【5,000円-3,000円=Expansion MRR 2,000円】となります。
Downgrade MRR
「Downgrade MRR」は、既存顧客が下位プランにダウングレードなどを行った際に減少したMRRとなります。
例えば、前月5,000円プランに加入していた顧客の一人が3,000円プランに変更した場合
【5,000円-3,000円=Downgrade MRR 2,000円】となります。
Churn MRR
「Churn MRR」は、前月顧客だった人が解約することによって減少したMRRとなります。
例えば、前月3,000円プランに加入していた顧客の一人が解約した場合、Churn MRRは3,000円となります。
MRRの計算方法
「当月のMRR」を求める場合、以下のように「前月のMRR」と「前述した全てのMRR」を使って計算をします。
新規顧客分とアップグレードによる増加分はプラスなので前月MRRに足して、減少分のMRR(ダウングレードした分・解約分)はマイナスとなるので差し引く形で当月のMRRを求めることができます。
簡単な計算方法としては月額料金に利用者数をかけて算出する方法もあります。
例えば、月額980円でサービスを提供、月末時点の利用会員数が1万人いる場合は次のように計算します。
当月MRRは980万円ということがわかります。
月額契約以外に年契約などもありますが、その場合は契約数を月単位に分割して計算をします。
例えば、1年契約12,000円の場合は
月単位に換算すると1,000円になるので、MRRを求める時は1,000円で計算することになります。
また、複数プランある場合はプランごとに計算し、それらを合計することでMRRを求めることができます。
MRRとARR
MRRと似ている用語として「ARR」というものがあります。
ARRとは、Annual Recurring Revenue(アニュアル・リカーリング・レベニュー)の略称で、日本語では「年間経常収益」と呼ばれています。
MRRは「毎月繰り返し得られる収益」を表すものですが、ARRは「毎年繰り返し得られる収益」を表すものとなっています。
対象となる収益など、基本的なところは同じで「月間」か「年間」かという違いがあります。
ARRの計算方法は、以下の通りです。
MRRは月間の収益を表すものなので、それを12倍するとARRを求めることができます。
ただし、MRRは月によって大きく差が出ることもあるので、いつを基準にしてARRを求めるかによって数値は異なります。
年間契約の比率が大きい場合などは「ARR」が適していると言えますが、月額費用の変動が大きかったり、年間契約がないような場合は「MRR」の方が正確な数値を判断できると言えます。