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受注残とは
受注残(読み方:じゅちゅうざん)
受注残とは、取引先や顧客から受注した商品が未出荷(未納)状態のことを指す用語・未だ出荷(納品)していない分の数量または金額のことをいいます。
受注残は英語で『backlog(またはbackorderとも)』と表記されるため、『バックログ』とも呼ばれます。
商品を100個受注…この段階で受注残は100個の状態
↓
商品を25個出荷(納品)…この段階で受注残は75個の状態
↓
商品を75個出荷(納品)…受注残はゼロ
上記例のように、受注残によって出荷・納品の進捗状況を把握することができます。
受注残がゼロに近づく=出荷・納品が進んでいるということになり、受注残が存在する=未納品状態で、その分の売上金額がまだ出ていないということになります。
つまり、受注残が多い会社=売上金額を回収できないリスクが発生しているということを意味していることになります。
ちなみに、受注後に商品の出荷(納品)が済んでいない状態で来期に繰り越されれば、その受注残は『繰越受注残(くりこしじゅちゅうざん)』となり、来期以降の売上に計上されることになります。
受注高とは、取引先や顧客から注文を受けた金額のことです。
その際、受注した時点で直ぐに納品となれば売上高となります。
商品の在庫切れ等で直ぐに納品できない場合は、受注高は直ぐに売上高として計上することはできません。
・売上高=手元に入ってきている金額(すでに手元に入ってきた金額)
▼受注残高(じゅちゅうざんだか)
受注残と似た言葉に受注残高がありますが、受注残高とは受注高から売上高を引いた金額のことをいいます。(売上に計上できていない金額)
例えば、受注した金額10万円のうち、売上として計上できてない金額が7万円の場合の受注残高は3万円となります。
【受注残高の計算式】
10万円(受注高)- 7万円(売上高)= 3万円(受注残高)
受注残メモ
・受注高とは、取引先や顧客から注文を受けた金額のこと(将来入ってくる金額)
・売上高とは、すでに手元に入ってきた金額のこと
・受注残高とは、受注高から売上高を引いた金額のこと(受注高-売上高=受注残高)
受注残管理とは
受注残の意味については理解していただけたかと思います。
次に、受注残の管理についてその重要さをわかりやすく解説します。
受注残の管理のことは文字通り『受注残管理(じゅちゅうざんかんり)』のことです。
受注残管理とは、取引先や顧客から商品を受注してからその商品を出荷(納品)するまでの間の受注数を管理することをいいます。
具体的には、以下の例からご覧下さい。
会社の営業担当Aさんが取引先から商品を100個受注
↓
現状、商品の在庫が70個しかない
つまり、上記例の段階では受注残が100個ということになります。
ここでもし会社の管理体制がきちんとしていなかったら、会社の信用問題等のトラブルまで発展する可能性が出てきてしまいます。
例えば、営業担当Aさんではない営業担当Bさんが他の取引先から商品を40個欲しいと言われ、在庫数(70個)だけで判断し、すぐに納品できると応じてしまうとトラブルに繋がってしまいます。
在庫管理は単に在庫の有無だけでなく、受注残の管理が重要です。
受注残管理は取引先や顧客との信頼関係にも関わってくる大切な仕事だと言えます。
受注残管理についてはエクセルで受注残管理表を作成することが可能です。
ただ、管理業務である以上は社内の人間(特に営業担当)が適切かつ確かな情報としてリアルタイムで受注やキャンセル情報を可視化・共有されているものである必要があるかと思います。
受注高の流れを確認・把握するにはグラフ化するのが良いとも言われています。
受注残管理を適切に行うために、受注管理システム等を持つ専門業者を活用して受注管理を行っている企業も少なくありません。
例えば、受注残一覧表など在庫(出荷可能商品)のリスト出力や受注計上入力が可能等、受注管理システムを構築する業者は複数存在しています。
受注残メモ
・会社の信用問題にも関わるため、受注残管理は重要な仕事
・適切な受注残管理(受注残管理表やグラフ等)を行うために専門業者の受注管理システムを導入する会社もある
受注残による株価の動向
投資家界隈においては受注が増えている銘柄=業績が良くなる可能性が高いと言われています。
一般に、造船・設備投資関連・電子部品関連企業は受注と株価における相関性の強い傾向があり、一概に言い切ることはできませんが、受注が増えて残高も増えていると株価は上昇傾向にあり、受注が減って残高も減っていると株価は下落傾向となります。
ちなみに、【9743】丹青社の第1四半期末受注残高は前年同期を20%以上上回っていることが『2021年1月期 第1四半期決算説明資料』から見て取れます。(2020年6月10日公表)
公表後は株価が大きく上昇しました。
受注残・受注残高においては、過去の決算短信から受注高をチェックし、受注残高水準と株価が連動しているかを確認してみると良いでしょう。