普通決議とは

普通決議(読み方:ふつうけつぎ)

普通決議とは株主総会の一種で、出席株主の議決権の過半数の賛成によって成立する決議のことをいいます。

普通決議では取締役や監査役の選任などの決議を行いますが、株主総会はその事項の重要度(重要性)によって段階があり、最も重要性が高い決定事項は全員の同意が必要となります。

株主総会において、定款の変更等の重要事項の決議は普通決議ではなく特別決議にて決議されます。
だからといって普通決議は重要なものではない・大事ではないということではありません。

マンション管理や投資分野(投資主総会)においても普通決議が存在しますが、ここでは株主総会における普通決議について極めて要点的にわかりやすく解説していきます。

普通決議を英語ではOrdinary resolution

普通決議メモ

・普通決議とは株主総会の一種
・普通決議とは出席株主の議決権の過半数の賛成によって成立する決議のこと

普通決議事項と要件

普通決議が必要となる事項を普通決議事項といい、原則として会社を共有物・株主を共有者とした際の管理行為に当たるものが多くなっています。

普通決議事項

具体的な普通決議事項については以下の通りです。

資本金の額の減少(定時株主総会における欠損填補のためにするとき)
準備金の額の減少
剰余金の額の減少
損失の処理・任意積立金の積立てその他の剰余金の処分
剰余金の配当
株主総会の議長の選任
資料等の調査をするものの選任
会計参与及び会計監査人の解任
会社・取締役間の訴訟における会社の代表者の選任
役員及び清算人の報酬決定
役員等の競業取引の承認・利益相反取引の承認
会計監査人に対する総会出席要求
特定の株主との取引によらない株主との合意による自己株式の取得
株式無償割当てに関する事項の決定
計算書類の承認
清算中の株式会社の貸借対照表の承認
清算結了時の決算報告の承認

ご覧のように、大まかにいうと会社の計算や書類、役員等に関する事項の決議が普通決議事項となっています。

普通決議の議決要件と定足数

普通決議の議決要件と定足数は、会社法(会社法309条1項)で定められています。

議決要件とは
議決要件とは「議決となるための要件」のことで、株主総会に出席する株主において、議決権がどれくらい必要なのかということです。

定足数とは
定足数とは、決議の実施に必要な人数です。

≪普通決議の議決要件・定足数≫

議決要件 株主総会の出席株主の議決権の過半数の賛成が必要
定足数 議決権を持つ株主の過半数の出席

ちなみに、過半数とは半数を超える数のことなので、例えば10人なら6人以上で過半数といえます。

普通決議メモ

・普通決議事項は役員の選任や解任等がある
・議決要件は株主総会の出席株主の議決権の過半数の賛成
・議決権を持つ株主の過半数の出席

普通決議と特別決議の違い

普通決議と特別決議は重要度の高さが異なり、具体的には以下のような違いがあります。

   普通決議  特別決議
議決要件 出席する株主の議決権の過半数 出席する株主の議決権の3分の2
定足数 議決権を持つ株主の過半数の出席 議決権を持つ株主の過半数の出席
定款の変更
(定足数)
定足数の変更や排除が可能 定足数の変更は可能
※3分の1までの軽減
定款の変更
(議決要件)
変更不可 変更可能

※特別決議について詳しくは【特別決議とは何か?わかりやすく解説】をご参考いただければと思います。

普通決議に関してよくある質問

普通決議の「過半数の賛成」とは、正確には何%のことですか?
数値で言えば「50%超」を指します。
ちょうど50%(半分)では否決となります。
1票でも半分を超えれば成立するため、50.1%でも100%でも「決議の結果」としての重みは同じです。
決議に必要な「定足数」とは何ですか?
株主総会が有効に成立するために必要な「最低限の出席数」のことです。 普通決議の原則では、議決権の「過半数」を持つ株主が出席していなければなりませんが、実際には多くの企業が「定款」によってこの定足数を撤廃、または緩和しています。ただし、取締役の選任などは「3分の1以上」の出席が必要と法律で定められています。
取締役の「選任」と「解任」、どちらも普通決議でいいのですか?
はい、原則としてどちらも普通決議事項です。 つまり、議決権の50.1%を握っている株主がいれば、その株主の意向だけで取締役を全員入れ替えることが可能です。これは経営陣にとって非常に強いプレッシャーであり、普通決議が「経営のコントロール権」の鍵と言われる理由です。
普通決議で決められる「剰余金の処分」とは、具体的に何のこと?
主に「配当金」の決定のことです。 会社が稼いだ利益を、どれだけ株主に配当として配るか、あるいは社内に留保するかを決定します。投資家にとって最も関心の高い「いくら貰えるか」は、この普通決議で確定します。
総会を欠席して「議決権を行使しない」と、決議にどう影響しますか?
あなたの持ち分が「分母(出席した株主の議決権合計)」から外れることになります。 結果として、他の出席者の1票の重みが増すことになります。経営陣の提案に反対したい場合は、欠席するのではなく「反対票」を投じなければ、意思表示をしたことにはなりません。
白票(賛成・反対を無記入)で出した議決権行使書はどう扱われますか?
多くの日本企業では、招集通知に「無記入の場合は会社提案に賛成とみなす」旨の記載があります。 つまり、白票は実質的に「会社側(経営陣)への賛成票」としてカウントされるのが一般的です。
普通決議で否決されることは、実際にあるのでしょうか?
以前は稀でしたが、近年は増えています。 特に不祥事を起こした企業の取締役選任案や、配当が少なすぎると批判された際の利益処分案などが、機関投資家やアクティビスト(物言う株主)の反対によって否決されるケースが出てきています。
株主優待の内容変更も、普通決議で決まるのですか?
いいえ、株主優待は通常「取締役会」で決定されます。 株主総会の決議事項ではないため、株主が直接投票で「優待を維持しろ」と決めることはできません。ただし、株主提案として「優待の新設」を求める議案が出された場合は、普通決議で争われることになります。
50%ギリギリの議決権を持つ大株主がいる場合、その会社に投資するリスクは?
「経営の私物化」をチェックしにくくなるリスクがあります。 普通決議事項はすべてその大株主1人で決められるため、他の株主がどれだけ反対しても取締役の選任や配当額を覆せません。その大株主が優れた経営者であれば良いですが、独断専行のリスクがあることは意識しておくべきです。
普通決議と特別決議、どちらが投資家にとって重要ですか?
どちらも重要ですが、「日常の監視」なら普通決議、「有事の判断」なら特別決議です。 毎年の総会で経営陣の通信簿をつけるのが普通決議(取締役選任など)、合併や解散といった会社の形が変わる大事件を止めるのが特別決議(3分の2の賛成が必要)という役割分担です。

スポンサーリンク
おすすめの記事