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ドテンとは

ドテン(読み方:どてん)

 

ドテンとは、現在保有するポジションを決済すると同時に、反対のポジションを持つこといいます。
マーケット全般で使われる用語で、漢字で「途転」と書くこともあります。

ドテンには「ドテン買い」と「ドテン売り」の2種類あります。

ドテン買いとは、売りポジションを決済すると同時に、買いポジションを持つことをいいます。「ドテンロング」や「ドテン買い越し」と呼ばれることもあります。

ドテン売りとは、買いポジションを決済すると同時に、売りポジションを持つことをいいます。「ドテンショート」や「ドテン売り越し」と呼ばれることもあります。

また、こうした売買を「ドテン売買」と言ったりします。

ドテンは失敗すると損失が大きくなる可能性もありますが、上手に活用すれば効率よく利益を得られる有効な手法となっています。

 

ドテンメモ

・ドテンとは、現在保有するポジションを決済すると同時に、反対のポジションを持つこと
・ドテンには「ドテン買い」と「ドテン売り」がある
・ドテン買いは、売りポジションを決済して買いポジションを持つこと
・ドテン売りは、買いポジションを決済して売りポジションを持つこと

 

ドテンのやり方

ドテンのやり方は、前述したとおり、現在保有するポジションを決済すると同時に反対のポジションを持ちます。

例えば、買いポジションを持っているのなら、それを決済すると同時に売りポジションを持ちます。

それではドテン売買をトレード手法に取り入れる場合、どういった場面で活用できるのか、またドテン売買をするタイミングはどのように判断すればいいのか、このあたりについて見ていきましょう。

ドテンの活用例:レンジ相場やトレンド相場での活用

 

1つ目はレンジ相場やトレンド相場での活用です。

上記チャートのようにレンジ内で株価が推移している時に、レンジ上限でドテン売り、レンジ下限でドテン買いをすることで、売りと買いの両方で利益を積み上げていくことができます。

レンジ相場が継続している間は、繰り返しドテンを行うことで大きな利益を得られる可能性もあります。

また、上記のような横の動きが続くレンジ相場だけでなく、上昇トレンドや下降トレンドが明確に発生しているトレンド相場の時でもドテンを活用できます。

 

 

例えば、上昇トレンドを形成している場合でも、株価は一直線に上がっているわけではなく、上記チャートのように上昇と下落を繰り返しながら推移しています。

この時に注目となるのが「サポートライン(下値支持線)」と「レジスタンスライン(上値抵抗線)」です。

上昇トレンドの場合、前回安値と前回高値を切り上げながら推移していきます。
この時に安値と安値を結んだラインがサポートラインとなり、株価が下げ渋り反発しやすいタイミングとなります。
そして高値と高値を結んだ線がレジスタンスラインとなり、株価が伸び悩み反落しやすいタイミングとなります。

そのため、サポートライン(下値支持線)でドテン買い、レジスタンスライン(上値抵抗線)でドテン売りといったようにドテンを活用して売りと買いで利益を積み上げることができます。

ただし、サポートラインなどの節目となるラインを抜けた時には注意が必要です。

節目のラインを抜けるとトレンドが変わってしまうこともありますので、ドテンしたポジションを保有し続けることで大きな損失となってしまうこともあります。

そのため、利益のみを追求するのではなく、損切りについても考えておくようにしましょう。

ドテンの活用例:ブレイクアウトやトレンド転換での活用

 

2つ目はブレイクアウトやトレンド転換での活用での活用です。

ブレイクアウトとは、高値を突き抜けて株価が上昇することや、安値を突き抜けて株価が下落することをいいます。
いわゆる「上抜け」や「下抜け」のことです。

「レンジ相場での活用」でも説明しましたが、株価は節目となるラインを突き抜けるとそのトレンドに動く傾向があり、ブレイクアウトした時に反対のポジションを持っていると大きな損失となることもあります。

そのため、反対のポジションを持っている場合、投資方針をひっくり返してドテンをするといった形です。

具体的には、売りポジションを持っている時に上抜けした場合は「ドテン買い」、買いポジションを持っている時に下抜けした場合は「ドテン売り」をすることで、損失拡大を回避できたり、利益獲得のチャンスが生まれます。

 

 

例えば、レンジ相場でドテンを繰り返し行っていたとします。
ですが、ドテン買いをした後、レンジ上限に到達せずに節目となるラインを下抜けしてしまいました。

この場合はトレンドが変わった可能性もあるので、買いポジションを保有したままだと損失が拡大する恐れもあります。

そこで、下に抜けたところでドテン売りをします。
つまり、買いポジションは損切りして、新たに売りポジションを持つわけです。

買いポジションの損失は確定しているので、これ以上損失が拡大することはないですし、新たに売りのポジションを持っているので下落することで利益が得られます。

このあと下げ渋り戻してくるような動きがあるのなら今度はドテン買いで利益を狙うこともできます。

ほかには、明確な売買サインが発生した時や、トレンドを読み間違えた時などもドテンは有効な手法となっており、様々な場面で活用することができます。

ドテンのタイミング:パラボリックを活用

ドテンのタイミングを判断する有効な手段として、テクニカル指標の「パラボリック」があります。

パラボリックとは、SAR(ストップアンドリバース)という指標を使ったトレンド追従型のテクニカル指標のことです。

パラボリックはドテンを繰り返し行うのが狙いであるため、「ドテンシステム」とも言われています。

 

 

ローソク足の上下に赤い点と青い点が並んでいますが、これが「SAR」と呼ばれるものです。

パラボリックでは、SARとローソク足がぶつかったところをトレンド転換とし、ドテンのタイミングとされています。

具体的には、

・ローソク足の上にあるSARとローソク足がぶつかって、ローソク足の下にSARが出現したら「ドテン買い」のタイミング
・ローソク足の下にあるSARとローソク足がぶつかって、ローソク足の上にSARが出現したら「ドテン売り」のタイミング

となります。

ただし、パラボリックに限ったことではないですが、テクニカル指標の売買シグナルは遅れて出現することが多いです。

そのため、パラボリックと同じように動いても、必ず結果がついてくるとは限りません。

あくまでも判断材料のひとつと考えて、現在の相場の状況やこれまでの値動きなども考慮しながら総合的に判断するようにしましょう。

ドテンのメリット

効率よく利益を得られる

ドテンは売りと買いの両方で利益を狙うことができますし、繰り返しドテンを行うことで利益を積み上げていくことができます。

また、ドテンは保有するポジションを決済すると同時に反対のポジションを持つので、いち早くエントリーすることができます。

そのため、予想通りに株価が推移した場合、効率よく利益を得られることができます。

損失拡大を回避できる

また、ドテンは損失面においてもメリットがあります。

活用例でも触れましたが、ブレイクアウトしたりするとトレンドが変わって保有ポジションで含み損を抱えてしまうことがあります。

その時に保有したままの状態ですと、大きな損失を抱えてしまう可能性もあります。

ドテンをすれば、保有ポジションを決済することで損切りができますし、同時に反対のポジションを持つことができるので利益を狙うこともできます。

損失を最小限に抑えつつ、利益を狙える点もドテンのメリットになるでしょう。

ただ、ドテンは必ずしも成功するとは限りません。
時には予想とは逆の動きをすることもありますので、そういう状況になった時に即座に対応できるように「逆指値注文」などを設定しておくと良いでしょう。

ドテンのデメリット

往復ビンタで損失が拡大する可能性がある

ドテンを行う上で、常に頭においておきたいのが往復ビンタに遭う可能性です。
往復ビンタとは、売りと買いの両方で損失を出してしまうことを指す俗語となります。

ドテンは利益を積み上げることができるメリットはあるものの、タイミングを間違えたり、トレンドを読み間違えたりすると、損失を積み上げるトレードになることもあります。

例えば、とある銘柄を買ったものの、株価が値下がりしてしまったとしましょう。

ここで焦ってドテン売りをしました。
そうすると買いポジションの損失が確定し、新たに売りポジションを持つことになります。

このまま株価が下落すればいいですが、ドテン売りをした直後に株価は急反発してしまった場合、結局売りポジションでも損失となってしまいます。

このようにドテンに失敗すると買いと売りの両方で損失になってしまいますし、更にドテンを繰り返して失敗が続くと、損失はどんどん積み重なっていきますので、最終的に大きな損失となってしまうこともあるわけです。

ドテンに成功すると損失拡大を回避したり、効率よく利益を得られますが、失敗すると大きな損失になる恐れもあると言う点は覚えておくようにしましょう。

タイミングが難しい

ドテンは、保有するポジションを決済すると同時に、反対のポジションを持つだけなので、やり方自体は簡単です。

ただ、ドテンを行うタイミングは難しく、安易にドテンを繰り返すと損失ばかりが積み重なっていくこともあります。

ドテンは売り買いの投資方針を一気にひっくり返すものなので、心理的に抵抗感を感じることも多いですし、それによって判断が遅れてしまうようなケースもあります。

そのため、初心者には難易度が高いテクニックだと言われています。

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