こちらの記事はYoutube【ZAi探の解説動画チャンネル】でも公開中!!
よかったらチャンネル登録お願いします。
損切りとは
損切り(読み方:そんぎり)
損切りとは、損失が出ている株式や投資信託などを売却して、損失を確定することをいいます。
「ロスカット」や「ストップロス」と呼ぶこともあります。
損切りを行う目的は、損失をそれ以上大きくしないようにするためです。
たとえば、保有株が値下がりしていつ下げ止まるかわからない場合や、値下がり後に株価の回復が見込めない場合など、損失を最小限に抑えるために損切りを行います。
投資は利益が出ることもあれば損失を出してしまうこともあります。
損失が利益を上回れば当然トータルでの成績はマイナスになるので、損切りは投資をする上で非常に重要なものとなっています。
ただ、「損失が出たら必ず損切り」というわけでもないです。
値下がりがある程度予測できる場合や株価の回復が見込める場合は「ナンピン買い」をして値上がりするのを待つこともあります。
なお、損切りとは反対に、利益を確定させることを「利確」や「利食い」といいます。
損切りメモ
・損失をそれ以上大きくしないために行うもの
・損切りをせずに「ナンピン買い」などをして値上がりを待つこともある
・損切りとは反対に利益を確定させることを「利確」や「利食い」という
損切りのタイミング
損切りは損失を確定させるために行うので、保有株で損失が出ている時に行います。
しかし、明確にいくらになったら損切りというものはありません。数千円の損失で損切りする人もいれば、数十万円まで耐えて損切りする人もいます。
ただ、現実は「株価が回復するかもしれない」「少し株価が戻ったら損切りしよう」という考えなども出てしまい、損切りできない人のほうが多いです。
そうなると結局損切りができず「損失が広がってしまった」「塩漬け状態になってしまった」ということになります。
感情に振り回されないのが一番いいですが、相場には慣れもありますから株初心者の方にとっては簡単なことではありません。
ですから、うまく損切りができない場合は、損切りのルールを設定して機械的に損切りをしていくのもひとつの手段だと思います。
損切りのルール
損切りのルールを設定するときは、自分に合ったルールを作るようにしましょう。
よく「○○%下落したら損切り」というように言われたりもしますが、人によって投資手法や資金力による違いもありますから一概に「○○%」と言い切ることはできません。
たとえば、「10%下落したら損切り」というルールで「とある銘柄に100万円」を投資した場合、実際に損切りすると損失額は10万円となります。
ですが、同じ10万円でも「10万円も損失を出してしまった」と思う人もいれば、「10万円で損失を抑えることができた」と思う人もいます。
ですから損切りルールを作るときは「自分が許容できる範囲内」でルール設定をします。
また、無理にパーセンテージで決める必要はありません。
「○○%」と決めてしまうと投資金額によって損失額は大きく変わってしまうので、「損失5万円で損切り」といったように金額ベースで決まるのも良いでしょう。
どのようにルールを決めるにしても、そのルールをしっかり守ることが大切です。
途中で損切りラインを下げたりするとルールを決めた意味が無くなってしまうので注意しましょう。
損切りメモ
・よく「○○%下落したら損切り」というように言われているが鵜呑みにしないこと
・損切りルールを作るときは「自分が許容できる範囲内」で決めることが大事
損切り貧乏にならないためには?
損切り貧乏とは、損切りを繰り返しているうちに資金がどんどん減ってしまう状態のことです。
損切りは損失を大きくしないために行いますが、「塵も積もれば山となる」ということわざがあるように、最小限の損失でも繰り返し行なっていれば大きな損失となってしまいます。
「損切りできない人は投資では勝てない」と言われるほど損切りは重要なものですが、それ以上の利益を出さなければ結局はマイナス収支で「損切り貧乏」となってしまいます。
損切り貧乏になってしまう原因は色々とありますが、その中に「損切りのタイミング」もあります。
損切りのタイミングというのは2つのパターンがあります。
・損切りのタイミングが遅くて一回あたりの損失が大きい人
・損切りのタイミングが早すぎて一回あたりの損失が小さい人
前者の場合、利益を出しても一回の損切りで相殺されてしまうこともあります。
勝率が5割以上ある場合でも、利益率が小さく損失率が大きいと結果としてマイナス収支となってしまいます。
後者の場合、一回の損失は小さいですが、繰り返し同じことをして最終的に大きな損失になることもあります。
また、損切りが早すぎると利益を得られるチャンスを逃してしまうこともあります。
株価は上下しながら上昇していくものなので一時的に損失を抱えてしまう状態はよく見られます。
ですが、そのときに焦って直ぐに損切りしてしまうと、その後の上昇に乗ることができなかったり、繰り返し損切りしていると大きな損失になってしまいます。
損切りのタイミングは人それぞれなので正解はありませんが、もしも今損切り貧乏の状態であるのなら損切りルールを見直すのが良いでしょう。
また、損切りラインは適切であっても、そもそも利益を出せていないケースもあります。
この場合は銘柄を選ぶ基準や買うタイミングが間違っていることもあるので、そのあたりを見直すのも良いでしょう。
損切りメモ
・損切り貧乏になる理由は損切りのタイミングや株を買うタイミングなどがある
・もしも損切り貧乏の状態である場合は損切りルールなどを見直すのが良い
損切りのメリット・デメリット
損切りするメリットとデメリットを簡単に紹介したいと思います。
・損失を大きくしないで済む
・資金効率がアップする
・節税や還付
・損失が確定してしまう
損失を大きくしないで済む
損切りするとその時点で損失が確定します。
そのため、損切りした後で株価がいくら下がっても、損失が膨らむ心配はありません。
資金効率がアップする
投資するとその分の資金は拘束されてしまいます。
しかし損切りするとその分の資金が自由になるので、他の銘柄に投資したりできるようになります。
節税や還付
株取引で利益が発生すると税金がかかりますが、損失を確定させるとその利益と相殺することができます。
そのため、税金を抑えることができたり、場合によっては税金が戻ってくることもあります。
詳しく後述する「損切りと税金」で紹介します。
損失が確定してしまう
損切りの最大のデメリットは「損失が確定してしまうこと」です。
損失が確定するとそれ以上の損失になることはありませんが、損失が小さくなったり、利益を生み出すことも無くなります。
損切りしたら株価が回復したというケースもよくあるので、この点は損切りのメリットでもあり、デメリットにもなるところです。
損切りと税金
損切りは損失を確定するものなので税金はかかりません。
ですが、損失を確定することで節税したり、税金が返ってくることもあります。
具体的には、以下の2つです。
・損出し
・損失の3年間繰越控除
損出し
損出しとは、簡単に説明すると年末までに損失を確定させることです。
株式取引の税金は1月1日から12月31日までの利益と損失で計算を行うため、年末までに損失を確定することで、その年に出ている利益と相殺することができます。
そうすることでその年に発生する税金を減らしたり、払いすぎている場合は戻ってきたりします。
損出し後に継続してその銘柄を保有したい場合は「クロス取引」という手法を用いることが多いです。
クロス取引を用いることで株価変動の影響を受けずに一度損失を確定して、再び株を保有することができます。
損失の3年間繰越控除
損失の3年間繰越控除とは、確定申告を行うことで株式等の損失を翌年以降3年間繰越できるというものです。
たとえば、2020年の年間損益が100万円の損失だったとしましょう。
株式取引は1年単位で損益を計算し税金が決定しますが、確定申告をすることで2020年の損失100万円を翌年以降に繰り越すことができます。
2020年 | 2021年 | 2022年 | |
年間損益 | -100万円 | +50万円 | +80万円 |
前年からの繰越 | 0円 | -100万円 | -50万円 |
翌年への繰越 | -100万円 | -50万 | 0円 |
課税対象 | 0円 | 0円 | 30万円 |
すると翌年以降で利益が出た場合は、その利益と前年の損失を相殺してくれるので税金がかかりません。特定口座(源泉徴収あり)の場合はすでに税金が徴収されているのでその税金は戻ってくることになります。
2021年で相殺し切れなかった損失は翌年2022年に繰り越されます。
なお、損失の3年間繰越控除を使う場合は、損失が発生した年だけでなく、毎年確定申告をしなければなりませんので注意しましょう。