指定替えとは

指定替え(読み方:していがえ)

指定替えとは、市場を移動(変更)することをいいます。
「市場変更」ともいいます。

株式は証券取引所においてそれぞれ基準を満たした市場へ属しています。

適合基準を満たすことで、東証2部やマザーズから東証1部へ昇格(移動)することができます。
逆に東証1部の基準を満たすことができなければ、東証2部へ降格することもあります。

東京証券取引所の場合は、主に東証1部(市場第一部)、東証2部(市場第二部)、マザーズ、JASDAQの4つの市場で構成されています。

指定替えは、大枠的には市場を変更することです。
しかしケースごとに区別されて、以下のような言葉で使い分けされることが多いです。

  • 東証2部から東証1部へ昇格する場合は「1部指定」
  • 東証1部から東証2部へ降格する場合は「2部指定替え」
  • マザーズやJASDAQから東証1部・東証2部へ移動する場合は「市場変更」

この点は覚えておくべきポイントになるでしょう。

また、指定替えのケースは、以下のようになっています。

昇格となる指定替え
東証2部から東証1部
マザーズから東証1部
マザーズから東証2部
JASDAQから東証1部
JASDAQから東証2部
降格となる指定替え
東証1部から東証2部

指定替えメモ

・指定替えは市場を移動すること
・1部指定や市場変更と言われることもある
・東京証券取引所は主に4つの市場で構成されている

指定替えの基準

指定替えをするには、各市場の基準を満たさなければなりません。

基準となるのは、株主数や流通株式数、時価総額など様々なものがあります。

ここでは、各指定基準の一部を紹介します。

東証1部指定基準

株主数 2,200人以上
流通株式数 2万単位以上
流通株式時価総額 20億円以上
流通株式数(比率 上場株券等の35%以上
時価総額 40億円以上
純資産の額 連結純資産の額が10億円以上で、単体純資産の額が負でないこと
企業の継続性及び収益性 継続的に事業を営み、かつ、安定的な収益基盤を有していること

上記はごく一部で他にも様々な基準があります。
これらの基準を満たすことで東証1部へ上場することができます。
しかし要件を満たすことができなければ東証2部へ降格(2部指定替え)となることもあります。

東証2部指定替え基準

株主数 2,000人未満(猶予期間1年)
流通株式数 1万単位未満(猶予期間1年)
流通株式時価総額 10億円未満(猶予期間1年)
時価総額 20億円未満である場合、9ヶ月以内に20億円以上にならないとき
債務超過 債務超過の状態となったとき
売買高 最近1年間の月平均売買高が40単位未満

時価総額が減少したり、債務超過の状態になると2部指定替えになります。
猶予期間については後述します。

市場変更基準(マザーズ)

以下、東証1部へ市場変更する場合の基準となります。

株主数 2,200人以上
流通株式数 2万単位以上
流通株式時価総額 20億円以上
流通株式数(比率 上場株券等の35%以上
時価総額 40億円以上
純資産の額 連結純資産の額が10億円以上で、単体純資産の額が負でないこと

上記は一部要件を抜粋したものであり、このほか各基準を満たす必要があります。
また、東証2部への市場変更の場合は、もう少しハードルが低くなっています。

市場変更基準(JASDAQ)

以下、東証1部へ市場変更する場合の基準となります。

株主数 2,200人以上
流通株式数 2万単位以上
流通株式数(比率 上場株券等の35%以上
時価総額 250億円以上
純資産の額 連結純資産の額が10億円以上で、単体純資産の額が負でないこと

株主数など、基本的なところはマザーズの市場変更基準と同じです。
但し、時価総額など全てが共通しているわけではありません。
この点は覚えておくと良いでしょう。

指定替えメモ

・指定替え基準はそれぞれ異なるもの
・東証1部指定基準を維持しなければ東証2部へ降格することもある

指定替えの猶予期間

指定替えの猶予期間とは、上場廃止基準や降格となる指定替え基準に抵触した場合に、状況を改善する為に与えられる一定の猶予期間のことです。

この猶予期間内に改善がみられれば、猶予期間は解除されて上場廃止や2部指定替えも行われません。

また、猶予期間は投資家へ周知を図る目的もあります。
指定替えを突然行うと市場へ混乱を招くので、このような猶予期間が設けられています。

指定替えメモ

・猶予期間とは、状況を改善する為の一定の期間
・状況改善となれば指定が解除される
・猶予期間は投資家へ周知を図る目的もある

指定替えによる株価の動向

指定替えは株価にも影響を与えるものです。
東証1部(上位市場)へ昇格する場合は、ポジティブな材料となりますから上昇しやすいです。
逆に東証1部から東証2部へ指定替えとなる場合は、ネガティブな材料となり下落する可能性が高まります。

それでは2020年3月27日に「東京証券取引所市場第一部への上場市場変更承認に関するお知らせ」を発表した【7060】ギークスの株価を参考に確認していきましょう。

27日終値は973円となっていましたが、市場変更承認のお知らせを好感し、翌営業日の30日は一時ストップ高の1,123円、31日は1,190円まで上昇しています。

但し、市場変更日が近づくと材料出尽くしで一度売りに傾くことも多いです。

ギークスの場合は4月3日が市場変更日となっていましたが、上記チャートをご覧になるとわかるように市場変更日前後は一時的に売りに傾く形となりました。

ギークスの場合は再び上昇に転じて4月17日には高値1,370円まで上昇していますが、一度売りに傾くと上昇前の株価に戻ってしまうケースもあります
そのため、材料株の取引をする場合は、このあたりのリスクも考慮しつつ売買するようにしましょう。

指定替えメモ

・上位市場への指定替えはポジティブな材料となる
・但し、指定替え決定後は材料出尽くしで売られることもある

指定替えのよくある質問

変更日
2019/11/28
市場
マザーズ⇒東証1部
変更日
2019/11/29
市場
JASDAQ⇒東証1部
指定替えが発表されると株価はどうなりますか?
上位市場(特に東証1部)への昇格が発表されると、材料として買われて株価が急騰することが非常に多いです。一方で降格(1部→2部)の発表では売りが強まり、下落しやすい傾向があります。ただし、発表後に「材料出尽くし」で売られるケースもよくあるので注意が必要です。
指定替えの発表から実際に市場が変更されるまで何日くらいかかりますか?
通常、東証が承認・発表した日から約1週間〜1ヶ月程度で変更日を迎えます。変更日は事前に公表されるので、投資家はスケジュールを確認できます。
指定替えになると売買単位や呼値が変わることはありますか?
基本的に売買単位(単元株数)や呼値(値動きの単位)は変わりません。市場が変わっても同じ銘柄として継続取引されます。
1部指定替え(昇格)になると機関投資家が入ってくるって本当ですか?
はい、本当です。多くの投資信託や年金基金などは運用ルールで「東証1部銘柄のみ」などに制限されているため、1部昇格すると自動的に買い需要が発生しやすく、株価上昇の要因になります。
猶予期間に入った銘柄はどうすればいいですか?
猶予期間に入ると「2部指定替え」や「上場廃止」のリスクが高まるため、株価は下落しやすいです。改善の見込みがあるか、会社側のアナウンスをしっかり確認してから判断することをおすすめします。
指定替えの基準は毎年変わりますか?
基本的な基準は長期間安定していますが、市場再編(2022年4月のプライム・スタンダード・グロースへの変更など)で大幅に見直されることがあります。最新の基準は必ず東京証券取引所の公式サイトで確認してください。
今はプライム市場への移行の話が多いですが、「指定替え」という言葉はまだ使われますか?
2022年の市場再編以降は「プライム市場への移行」「スタンダード市場への移行」などの表現が主流になりましたが、投資家やメディアの間では今でも「1部指定替え」「指定替え」という言い回しがかなり残っています。
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