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希薄化とは

希薄化(読み方:きはくか

 

希薄化とは、価値や繋がりが薄まることや、失われることをいいます。
株式用語においては「株式の希薄化」とよく言われます。

株式の希薄化とは、わかりやすく説明すると1株あたりの価値が減少することです。
これは株価の値下がりを指しているのではなく、1株あたりの当期純利益(EPS)等の減少を指しています。

しかし株式の希薄化によって、結果的に株価の値下がりに繋がることも多いです。

また、希薄化は「稀薄化」や「希釈化(きしゃくか)」と言われることもあります。

 

希薄化メモ

・希薄化は価値が薄まることで、株式用語においては「株式の希薄化」とよく言う
・株式の希薄化は1株あたりの価値が減少すること
・結果的に株価の値下がりに繋がることも多い

 

株式の希薄化が起こる理由

株式の希薄化が起こる理由は、新株発行による発行済株式総数の増加にあります。
増資」や新株予約権の行使等によって、新株発行が行われます。

それでは発行済株式総数が増加するとなぜ株式の希薄化が起こるのでしょうか。

これは前述したように1株あたりの当期純利益等が減少し、価値が低下するからです。
わかりやすく理解するために、具体的な数字を出して説明していきます。

とある企業の当期純利益が1億円、発行済株式総数が100万株あった場合

まずは1株あたりの当期純利益の計算方法は、以下のようになります。

1株あたりの当期純利益=当期純利益÷発行済株式総数

ですから1株あたりの当期純利益は100円となります。

ここで新株発行によって10万株増加したとしましょう。
そうすると発行済株式総数は110万株になるので、1株あたりの当期純利益は約90円になってしまいます。
発行済株式総数が増加すればするほど、1株あたりの当期純利益は低下することになるのです。

また、当期純利益のほかには、議決権割合なども低下してしまいます。
そのため、1株あたりの価値が減少してしまうのです。

株式の希薄化は、株主からすると好ましいものではありませんから、株価の下落要因にも繋がります。

 

希薄化メモ

・増資などによって新株発行が行われると株式が希薄化する
・1株あたりの当期純利益や議決権割合などが低下してしまう

 

希薄化による株価の動向

それでは、希薄化すると株価にはどのような影響を与えるのでしょうか。

わかりやすい例として【4088】エア・ウォーターの株価を確認していきましょう。

 

 

【4088】エア・ウォーターは、2019年11月25日の引け後に「公募増資」を発表しています。
これを受けて、希薄化が懸念されて売り圧力が強まる展開となりました。

参考株価

11月25日終値2,039円
11月26日安値1,780円

このように増資によって新株発行を行うことで、株価の希薄化が懸念されて下落してしまうケースがあります。

しかし株式の希薄化が懸念される場合でも、新株発行(増資)の目的によっては株価に影響が無いケースや逆に上昇するケースもあります。
ですから「増資する=希薄化する=株価が下がる」というように、全てをイコールで考えるのではなく、目的なども考慮したうえで投資判断をするようにしましょう。

 

希薄化メモ

・株式の希薄化により株価は大幅に下落することがある
・しかし新株発行の目的などによっては希薄化しても、株価に影響を与えないケースもある

 

希薄化のよくある質問

株式分割は希薄化するの?
株式分割により株式の希薄化は起こります。
しかし新たに発行される株式は、株主の持ち株比率に応じて割り当てられるので株主に損はありません。
よって売り圧力が強まることも少ないです。
逆に株式分割は流動性の向上により株価の上昇要因になることがあります。

希薄化に関連する株式用語

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