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移動平均乖離率とは

移動平均乖離率(読み方:いどうへいきんかいりりつ)

 

移動平均乖離率とは、現在の株価と移動平均線がどれくらい離れているのかをパーセンテージで表したものです。
買われ過ぎ(割高)、売られ過ぎ(割安)を判断するときに使われるテクニカル指標となります。

移動平均乖離率は「株価は移動平均線から離れても、いずれは移動平均線まで引き戻されて乖離は修正される」という相場の経験則に基づいたものとなっています。

株価と移動平均線の位置関係によって「+10%」「-10%」といったように数値化されて、プラスに乖離した場合は買われ過ぎ、マイナスに乖離した場合は売られ過ぎという見方ができます。

また、移動平均乖離率は、単に「乖離率」と呼ばれたり、「株価移動平均乖離率」と呼ぶこともあります。

 

移動平均乖離率メモ

・移動平均乖離率とは現在の株価と移動平均線がどれくらい離れているのかを数値で表したもの
・株価と移動平均線の乖離はいずれ修正されるという相場の経験則に基づいた指標
・プラスに乖離した場合は買われ過ぎ、マイナスに乖離した場合は売られ過ぎという見方ができる

 

移動平均乖離率の設定値と計算式

移動平均乖離率の設定値は「何日移動平均線との乖離率を見るのか」という数値となりますので、基本的には移動平均線と同じ数値を使います。

よく利用される設定値は以下の通りです。

日足チャート:5、25、75、100、200
週足チャート:9、13、26、52
月足チャート:6、12、24、60

移動平均乖離率は「短期・中期・長期」の3本の線で表示されることもあれば、「短期・長期」の2本の線で表示されることもありますが、それぞれに数値を設定していきます。

たとえば、3本の線で表示される場合は「短期(5)・中期(25)・長期(75)」、2本の線で表示される場合は「短期(5)・長期(25)」といったように設定されていることが多いです。

ただ、人によって投資スタイルも違いますし、銘柄によって独特な値動きをする場合もあります。
そのため、設定値は投資スタイルや銘柄にあわせて設定することが大切です。

次に、移動平均乖離率の数値を算出するための計算式を確認していきましょう。

移動平均乖離率の計算式

移動平均乖離率の計算式は以下の通りです。

[(当日終値-移動平均線の平均値)÷移動平均線の平均値 ]×100

たとえば、短期(5)の移動平均乖離率の数値を求める場合は、その日の終値と5日移動平均線の平均値を使って計算していきます。

例として、以下の終値と平均値で計算をしていきます。

・当日終値:6,194円
・5日移動平均線の平均値:6,274.40円

[(6,194-6,274.40)÷ 6,274.40 ]× 100 = -1.28

短期(5)の移動平均乖離率は「-1.28%」であることがわかります。

テクニカル指標は取引ツールで導入されているものであれば、設定値を入力するだけで自動的に表示されます。
ですから計算式をわざわざ覚えておく必要はないですが、他の指標と区別するために「何を基に数値を算出しているのか」という点は覚えておくと良いでしょう。

 

移動平均乖離率の見方

移動平均乖離率の基本的な見方を確認していきましょう。

例として、楽天証券の「iSPEED」のチャートを参考にして説明していきます。

 

 

・位置関係
移動平均乖離率はオシレーター系のテクニカル指標となっており、通常は株価チャートの下に位置しています。

・移動平均乖離率の線について
移動平均乖離率は取引ツールによって「短期・中期・長期」の3本の線で表示されることもあれば、「短期・長期」の2本の線が表示されることもあります。
楽天証券の「iSPEED」の場合は「短期(5)・長期(25)」の2本の線が表示されています。

・移動平均乖離率を見るときのポイント
移動平均乖離率は、基本的に逆張り手法で使われるテクニカル指標となります。
移動平均乖離率の数値が高くなったら買われ過ぎ(割高)という見方ができるので「売り」、数値が低くなったら売られ過ぎ(割安)という見方ができるので「買い」といったように判断材料のひとつにできます。

 

移動平均乖離率メモ

・移動平均乖離率は「短期・中期・長期」の3本の線で表示されることもあれば、「短期・長期」の2本の線が表示されることもある
・移動平均乖離率は基本的に逆張り手法で使われるテクニカル指標
・数値が高くなったら買われ過ぎという見方ができるので「売り」
・数値が低くなったら売られ過ぎという見方ができるので「買い」といったように判断材料にできる

 

移動平均乖離率の使い方

移動平均乖離率は、株価が移動平均線から離れれば離れるほど大きくなるので、その数値を確認して「買われ過ぎ(割高)」「売られ過ぎ(割安)」を判断し、売買のタイミングを図ります。
「買われ過ぎ=売りサイン」、「売られ過ぎ=買いサイン」となります。

たとえば、株価が移動平均線の上に大きく離れた場合は、移動平均乖離率も大きく上昇するので「買われ過ぎ(割高)」という見方ができます。

 

 

上記の参考チャートでも、株価が移動平均線の上に大きく離れたところで、移動平均乖離率が「+10%」まで上昇し、その後に相場が反転しているのが分かると思います。

反対に、株価が移動平均線の下に大きく離れた場合は、移動平均乖離率も大きく下落するので「売られ過ぎ(割安)」という見方ができます。

 

 

上記の参考チャートでも、株価が移動平均線を下に大きく離れたところで、移動平均乖離率が「-10%」まで下落し、その後に相場が反転しているのがわかると思います。

一般的に、買われ過ぎ・売られ過ぎの目安としては「10~20%」あたりをひとつの判断基準にされることが多いです。

ただ、銘柄によって値動きに特性もありますから、必ずしも「10~20%」が最適な数値とは限らず、「±10%未満」で推移している銘柄もたくさんあります。

ですから移動平均乖離率を使うときは、その銘柄の特性を掴むために過去の値動きなども確認することが大切です。

 

 

たとえば、上記の移動平均乖離率は「±10%」の範囲で推移しているのがわかります。
過去の移動平均乖離率も同じように推移していれば、その銘柄は「±10%」が最適な数値と判断することができます。

銘柄によって「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」の水準は異なるという点は覚えておくようにしましょう。

他にはダイバージェンスを売買サインとして使うこともできます。

 

移動平均乖離率のダイバージェンス

ダイバージェンスとは、株価の値動きとテクニカル指標の動きが逆行する現象のことです。

わかりやすくチャートを使って説明していきます。

 

 

通常は株価チャートとテクニカル指標は同じように動きます。
ですが、上記のように株価チャートは直近高値を上回っているのに、テクニカル指標は前回の数値を超えられないという逆行現象が起きることもあります。この現象を「ダイバージェンス」といいます。

ダイバージェンスは頻繁に発生するものではありませんが、発生すると相場の反転が近いとされています。

上記チャートでもダイバージェンスが発生した後に株価が下落しているのが分かります。

移動平均乖離率を活用するうえで、売買サインのひとつとして覚えておくと良いでしょう。

但し、移動平均乖離率の売買サインも確実なものではありません。
ですからテクニカル分析をする場合は、他の指標と組み合わせて使ったり、その他の要因も考慮して投資判断をするようにしましょう。

 

移動平均乖離率メモ

・移動平均乖離率の数値から買われ過ぎ・売られ過ぎを判断し、売買のタイミングを図る
・株価が移動平均線の「上」に大きく離れた場合は、移動平均乖離率も上昇し、買われ過ぎという見方ができる(売りサイン)
・株価が移動平均線の「下」に大きく離れた場合は、移動平均乖離率も下落し、売られ過ぎという見方ができる(買いサイン)
・一般的に買われ過ぎ・売られ過ぎの目安は「10~20%」と言われているが銘柄によって異なる
・ダイバージェンスの発生があると相場の反転が近いという見方ができる

 

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