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タカ派とは
タカ派(読み方:たかは)
タカ派とは、景気安定よりも物価安定を重視し、金融引き締めに前向きな姿勢を示している人のことをいいます。
例えば、中央銀行などの金融政策会合に参加するメンバーのうち、金融引き締め政策を支持する傾向のある人を指します。
金融引き締め政策とは、物価の安定化や景気の過熱を抑制するために実施する金融政策のことです。
金融引き締め政策にも色々とありますが、代表的なもので「政策金利の引き上げ」があります。
いわゆる「利上げ」のことですが、これを実施することで景気の過熱を抑制し、物価の上昇を押し下げる効果が期待されます。
景気を抑制するので当然景気にはマイナスに働き、株式市場にもマイナスの影響となることがあります。
ちなみにタカ派という言葉は、もともとは政治的傾向を示す言葉として使われていました。
武力行使など強硬手段も辞さない姿勢を示す人や集団をタカ派(強硬派)と呼びます。
由来は文字通り、猛禽類の「鷹」からきたもので、タカ派を英語で表すと「hawk」になります。
また、タカ派の反対は後述する「ハト派」となります。
タカ派寄りで株価は下落する?
各国の中央銀行総裁や金融政策会合のメンバー、政治家などがタカ派寄りの発言したりすると、利上げ観測が高まったとして株価が反応することがあります。
これは利上げに対する警戒感から売りが出やすくなるためです。
利上げが実施されると、金融機関が資金調達をするときの金利が引き上げられます。
そうすると、金融機関は企業や個人へ貸出をするとき、その分の金利を引き上げるようになります。
貸出金利が引き上げられるということは、企業や個人の借入負担が増加します。
そのため、企業や個人は資金調達しづらくなって経済活動が抑制され、景気の過熱が抑えらていきます。
景気の過熱を抑えられると物価を押し下げる効果も期待されます。
経済活動の抑制というのは、企業なら資金不足で設備投資が抑制されたり、個人なら消費の縮小が起こったりします。
そうなると事業活動の鈍化や、消費の縮小による業績悪化などを懸念した売りが出やすくなります。
そのため、タカ派寄りになると株価が下落しやすくなります。
ハト派とは
ハト派(読み方:はとは)
ハト派とは、景気への配慮を重視し、金融緩和に前向きな姿勢を示している人のことをいいます。
例えば、中央銀行などの金融政策会合に参加するメンバーのうち、金融緩和政策を支持する傾向のある人や利上げなどに慎重な姿勢を示す人を指します。
金融緩和政策とは、景気が悪いときに、景気を上向かせるために実施する金融政策のことです。
金融引き締めと同様に色々な金融政策がありますが、代表的なもので「政策金利の引き下げ」があります。
いわゆる「利下げ」のことですが、これを実施することで経済活動を刺激する効果が期待できるとされています。
金融緩和は景気を底入れするので、株式市場にはプラスの影響となることがあります。
そのため、金融政策決定会合のメンバーなどが選ばれるとき、その人がタカ派かハト派かに注目されます。
ちなみにハト派という言葉も、もともとは政治的傾向を示す言葉です。
平和的に問題を解決しようとする人や集団をハト派、または「穏健派」や「慎重派」とも呼びます。
由来は文字通り、平和の象徴とされる「鳩」からきたもので、ハト派を英語で表すと「dove」になります。
また、ハト派の反対は前述した「タカ派」となります。
ハト派寄りで株価は上昇する?
各国の中央銀行総裁や金融政策会合のメンバーなどがハト派寄りの発言したりすると、利上げ観測が弱まったり、利下げ観測が高まるなどして株価は反応することがあります。
利上げ観測が弱まるということは、事業活動の鈍化や企業の業績悪化への懸念が後退するので、買い戻しなどが入りやすく株価は上昇しやすくなります。
利下げ観測が高まる場合も株価は上昇しやすくなります。
利下げが実施されると、金融機関が資金調達をするときの金利も引き下げられます。
金融機関が低い金利で資金を調達できるようになると、金融機関は企業や個人へ貸出するときも金利を引き下げることができます。
貸出金利が引き下げられるということは、企業や個人の借入負担(利息の負担)が減少するので、資金調達がしやすくなり、経済活動が活発になります。
経済活動が活発になれば景気は上向いていき、物価を押し上げる効果も期待されます。
経済活動が活発になるというのは、企業であれば積極的に設備投資を行ったり、個人であれば消費が増えたり、高金利では使いづらい住宅ローンを使いやすくなったりします。
そうなると企業活動の活発化や景気回復による企業業績の向上を期待した買いが入りやすくなります。
そのため、ハト派寄りになると株価上昇につながりやすくなります。
タカ派、ハト派メモ
・タカ派寄りになると利上げ観測が高まるため、株価が下落傾向になることがある
・ハト派寄りになると利上げ観測が弱まったり、利下げ観測が高まるため、株価が上昇傾向になることがある