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ディフェンシブ銘柄とは
ディフェンシブ銘柄(読み方:でぃふぇんしぶめいがら)
ディフェンシブ銘柄とは、景気動向に業績が左右されにくい銘柄のことをいいます。
生活必需品である食料品や医薬品、社会インフラ系の電力・ガスや鉄道、通信関連の企業などが代表的です。
世界経済が不況になろうと業績が下がりにくいため、株式相場全体が下落する局面でも比較的株価の下落が緩やかな業種といわれます。
また反対に、景気変動の影響を受けやすいとされる株のことは『シクリカル銘柄』と呼ばれます。
ディフェンシブ銘柄メモ
・生活必需品や社会インフラ系、通信系などが代表格
・株式相場全体が下落する局面でも比較的株価の下落が緩やか
ディフェンシブ銘柄のメリット・デメリット
下落局面でも比較的値下がりしにくいディフェンシブ銘柄ですが、投資をするには何事にもリスクとリターンがあるものです。
この項目ではディフェンシブ銘柄におけるメリットとデメリットを紹介します。
ディフェンシブ銘柄のメリット
まずはメリットですが、主に以下の点があります。
・下落相場に強い
・高配当銘柄が多い
ひとつずつ説明していきます。
下落相場に強い
前述したとおり、ディフェンシブ銘柄の最大のメリットは景気後退局面でも株価の変動が少ないことです。
どのような状況であろうと生活必需品は一定の需要が見込まれるため、景気が悪化しても業績に対する影響が限定的な事が理由となります。
例えばですが、世界的な不景気が来たとしても電力やガスは人間が生きていくために必要不可欠です。
また食事をしない人間はいないように、食料品も需要は変わりません。
こういった生活必需品を取り扱う企業は不景気による影響を受けにくく、株価が下がりにくいのがディフェンシブ銘柄の特徴でもあり最大のメリットとなります。
高配当銘柄が多い
ディフェンシブ銘柄は、配当利回りが高い『高配当銘柄』が多いのもメリットのひとつです。
これは業績が安定している事、既に大企業へと成長している会社が多く配当金を多く出していることが理由となります。
株価の変動が少なく配当利回りが高い銘柄が多いので、ディフェンシブ銘柄は長期投資向けの株と言えるでしょう。
ディフェンシブ銘柄のデメリット
続いてはディフェンシブ銘柄のデメリットを紹介します。
・大きなキャピタルゲインを狙いにくい
・ディフェンシブ銘柄でも株価が暴落する可能性はある
ひとつずつ説明していきます。
大きなキャピタルゲインを狙いにくい
ディフェンシブ銘柄は業績や値動きが安定しているため、短期間で株価が急騰するような局面は少ないです。
株価の変動が少ないため、結果としてキャピタルゲイン狙いの投資は不向きとなります。
キャピタルゲインとは、簡単にいうと売買差益のことです。
例えば10万円で購入した銘柄の株価が上昇して15万円で売却した場合、この差額5万円の利益がキャピタルゲインになります。
逆に売却することによって損失が出た場合はキャピタルロスといいます。
キャピタルゲインに対し、配当金などの株式を保有していることによって得られる収益をインカムゲインといいます。
ディフェンシブ銘柄でも株価が暴落する可能性はある
ディフェンシブ銘柄は基本的には不況時でも大きな株価変動が起こりにくく、ローリスクといえる銘柄です。
ですが何かしらの個別要因で、業績の大幅な悪化や会社信用を損なうような出来事があった場合は株価が大きく下落する場合もあります。
例えば2020年の相場だと、コロナウイルスによる株式市場の暴落時にはディフェンシブ銘柄の筆頭ともいえる以下のJR各社が日経平均を上回る下落率となりました。
・東日本旅客鉄道(JR東日本)
・西日本旅客鉄道(JR東日本)
・東海旅客鉄道(JR東海)
・九州旅客鉄道(JR九州)
これは新型コロナウイルスによる景気悪化が、通常の景気悪化と性質が異なるからです。
業績に直接的に大きな影響が出ると判断された場合はディフェンシブ株でも大きく株価が下落する場合はありますので注意が必要です。
他にも有名なものとしては東日本大震災発生の時の東京電力は株価が2100円前後から300円台までの大暴落となったこともあります。
共に通常の相場とは言えない状況ではありますが、このようにディフェンシブ銘柄でも株価が大きく下がる可能性はありますので注意は必要です。
ディフェンシブ銘柄メモ
・ディフェンシブ銘柄は長期投資向けの株
・デメリットは『キャピタルゲインを狙いにくい』『株価が暴落する可能性はある』
・基本的にはローリスクだが、例外時はあるので注意が必要
ディフェンシブ銘柄の業種
ディフェンシブ銘柄といわれる主な業種を紹介します。
どの会社も企業ごとに特色があり、不景気時に強いビジネスモデルを持っている企業はディフェンシブ銘柄ともいえますが、一般的には以下の業種の銘柄がディフェンシブ銘柄といわれています。
・電気・ガス
・食料品
・医薬品・医療機器
・道路等の社会インフラ
・鉄道
・警備系
・たばこ
メリットの項目で話した通り、電気・ガスや食料品は人間が生活する上で必要不可欠です。
医療や道路のメンテナンスなどのインフラ系は不況時であろうと継続して必要とされます。
鉄道系は不況となると旅行などが減り新幹線の利用などは減るかもしれませんが、通勤等の移動のために利用される電車の頻度は変わりありません。
警備サービスなどは不況時だからこそ需要が増える場合もあります。
たばこに関しては世界的に禁煙の流れとなっており需要が伸びるようには思えませんが、不況時でもたばこを吸う人は吸い続けているということでディフェンシブ銘柄の扱いとなっています。
このように、景気が悪化しても必要とされる、むしろ需要が増す可能性もあるという業種がディフェンシブ銘柄とされています。
全体的に『内需関連株』がディフェンシブ銘柄とされる傾向があります。
事業基盤が国内にある企業の株式を内需関連株といいます。
国内景気が好調なときに、より業績の拡大が見込まれる企業となります。
対して海外事業の収益が重要な業種の株式のことを『外需関連株』といいます。
ディフェンシブ銘柄メモ
・不景気時に強いビジネスモデルを持っている企業もディフェンシブ銘柄といえる
ディフェンシブ銘柄一例(最終更新日2020/3/27)
以下で記載する銘柄は、3月27日時点で利回りも高いディフェンシブ銘柄の一例となります。
株価は日々変動しており、それに伴い利回りも変化するので内容が大きく異なる可能性もありますのでご注意ください。
利回り | コード | 銘柄名 |
7.63% | 2914 | JT |
3.45% | 9443 | KDDI |
3.45% | 9437 | NTTドコモ |
1.91% | 9020 | JR東日本 |
5.26% | 4502 | 武田薬品工業 |
4.26% | 9503 | 関西電力 |