大発会・大納会とは?大発会が上がると1年上がるは誤りだった

大発会とは、証券取引所のその年最初の取引日のことです。大納会は、その年最後の取引日を指します。

読み方は「だいはっかい」「だいのうかい」です。かつては半日で取引を終える特別な日でしたが、現在はどちらも通常どおりの立会いが行われています。

「大発会が上がればその年は良い年になる」という言い方をよく耳にします。しかし日経平均株価で1986年から2025年までの40年を調べたところ、大発会が上昇した年の年間プラス率は47.6%だったのに対し、大発会が下落した年は78.9%でした。実測では、大発会が下がった年のほうが1年を通じた成績は良かったことになります。

この記事でわかること

・大発会・大納会がいつ行われるか(2026年・2027年の日付)
・実測:大発会の勝率は53.7%。全営業日の平均より高い
・実測:大納会の勝率は43.9%で、負けやすい日だった
・実測:「大発会が上がれば1年上がる」という俗説の検証結果
・年末年始に売買が偏る制度上の理由
・年末に確認しておきたいこと

大発会・大納会とは

項目 大発会 大納会
読み方 だいはっかい だいのうかい
意味 その年最初の取引日 その年最後の取引日
通常の日付 1月4日(土日なら翌営業日) 12月30日(土日なら前営業日)
取引時間 通常どおり(2009年の大納会以降は終日取引)
年末年始の休場 12月31日〜1月3日

かつては大発会も大納会も前場だけの半日取引でしたが、2009年の大納会から終日取引に変更され、現在は通常の営業日と同じ時間帯で取引されています。

大納会では東京証券取引所で式典が行われ、その年に話題となった著名人が招かれることが恒例になっています。ただしこれは行事であって、取引そのものは通常どおりです。

2026年・2027年の日程

年 大発会 大納会
2026年 1月5日(月) 12月30日(水)
2027年 1月4日(月) 12月30日(木)

※ 1月4日が土日にあたる場合は翌営業日、12月30日が土日にあたる場合は前営業日となります

年末年始は12月31日から1月3日までが休場です。大納会から大発会までは、通常5日から6日にわたって取引ができません。この間も海外市場は動いているため、大発会は海外の値動きをまとめて織り込んで始まることになります。

【実測】大発会と大納会の勝率

この2日が特別な日なのかを、日経平均株価で検証しました。

検証の条件

・対象:日経平均株価の日足終値(1985年1月〜2026年8月28日・10,231営業日)
・大発会の騰落率は、前年の大納会の終値と比べた変化率
・大納会の騰落率は、その前営業日の終値と比べた変化率
・勝率と年間騰落率の検証は、通年のデータが揃う1986年〜2025年の40年を対象とした
対象 上昇した割合 平均騰落率
大発会 53.7% +0.27%
大納会 43.9% −0.07%
全営業日(参考) — +0.027%

この表からわかること

・大発会の平均騰落率+0.27%は、全営業日の平均(+0.027%)のおよそ10倍
・一方で大納会は43.9%しか上がらず、平均もマイナス
・つまり年始は上がりやすく、年末最終日は下がりやすいという非対称がある
・ただし勝率53.7%は、方向を当てる材料としては弱い

大発会の平均騰落率が全営業日の10倍という数字は目を引きますが、勝率は53.7%にとどまっており、半分よりわずかに高い程度です。上がる年と下がる年の両方があり、上がる年の上昇幅がやや大きいという構造になっています。

むしろ注目したいのは大納会です。上昇したのは43.9%で、半分を下回っています。年内の利益確定売りや、翌年の権利関係を整理する売買が影響していると考えられます。

【実測】「大発会が上がれば1年上がる」は本当か

ここがこの記事の中心になります。大発会の結果からその年を占えるのか、通年のデータが揃う40年で検証しました。

大発会の結果 年数 年間の平均騰落率 年間がプラスだった割合
上昇した年 21年 +3.64% 47.6%
下落した年 19年 +8.67% 78.9%
全体(参考) 40年 +6.03% 62.5%

※ 1986年〜2025年の40年間。

俗説とは逆の結果になりました。大発会が下落した年のほうが、年間の平均騰落率も年間プラス率も高くなっています。

大発会が上昇した21年のうち、年間でプラスになったのは10年(47.6%)です。コインを投げるのと変わらない水準にとどまっています。一方、大発会が下落した19年では15年(78.9%)が年間プラスでした。

この結果の読み方

・「大発会が下がった年は買い」という逆の法則が成立するわけではない
・40年で21年と19年という標本数では、偶然の範囲を否定できない
・確実に言えるのは「大発会の方向から1年を占うことはできない」という点
・大発会の方向と年間の方向が一致したのは41回中15回(36.6%)

最後の数字が本質です。大発会の方向と年間の方向が一致したのは36.6%で、一致しない年のほうが多くなっています。1日の値動きから1年を予測することに、統計的な裏づけはありません。

直近11年の実績

個別の年を並べると、俗説が生まれる理由も見えてきます。

年 大発会 大納会 年間
2016年 −3.06% −0.16% +0.4%
2017年 +2.51% −0.08% +19.1%
2018年 +3.26% −0.31% −12.1%
2019年 −2.26% −0.76% +18.2%
2020年 −1.91% −0.45% +16.0%
2021年 −0.68% −0.40% +4.9%
2022年 +1.77% 0.00% −9.4%
2023年 −1.45% −0.22% +28.2%
2024年 −0.53% −0.96% +19.2%
2025年 −1.47% −0.37% +26.2%
2026年 +2.97% — +31.9%(8月28日時点)

※ 2026年は8月28日時点の途中経過。

この表で目を引くのが2018年と2022年です。どちらも大発会が大きく上昇しながら、年間では2桁のマイナスで終えています。逆に2019年・2023年・2025年は大発会が下落しながら、年間では大きくプラスになりました。

また大納会に注目すると、直近10年のうち9年でマイナスまたは変わらずとなっています。年末最終日が下げやすいという傾向は、この期間では一貫していました。

年末年始に売買が偏る制度上の理由

年末年始の値動きには、投資家心理だけでなく制度的な事情も関係しています。

要因 内容
損益通算のための売却 年内に損失を確定させて税負担を調整する売り(損出し)が年末に集中する
NISAの枠 非課税枠は暦年で区切られるため、年始に新規の買いが入りやすい
12月の権利確定 12月決算銘柄の権利確定日を過ぎると配当落ちが生じる
海外市場の休場 クリスマス前後は海外勢の参加が減り、売買代金が細る
長期休場の持ち越し 5〜6日間取引できないため、持ち高を減らす動きが出る

最終行が大納会の下げやすさに関係している可能性があります。年末年始は5日から6日にわたって取引ができないため、その間のリスクを避けて持ち高を軽くする動きが出やすくなります。

取引できない時間に相場が動くリスクについては電気が消えるとお化けが出るで扱っていますが、年末年始はその期間が通常の週末よりさらに長くなります。

年末に確認しておきたいこと

① 損益通算の対象になる取引を整理する
その年の売却損益は12月末で締められます。年内の受渡しが完了するのは大納会の2営業日前までが目安となるため、損出しを行う場合は逆算した日程で判断する必要があります。
② NISAの枠を確認する
非課税投資枠は暦年で区切られます。使い切らなかった枠は翌年に繰り越せません。ただし枠を使い切るためだけに納得していない銘柄を買うのは、目的と手段が逆になります。
③ 持ち越す株数を決める
年末年始は5〜6日間取引できません。その間に海外市場は動きます。実測では大発会の平均騰落率は全営業日の10倍でした。普段より値動きが大きくなりやすい日を、どの持ち高で迎えるかを決めておく必要があります。

まとめ

この記事のポイント

・大発会は原則1月4日、大納会は原則12月30日。現在はどちらも終日取引
・実測:大発会の勝率53.7%・平均+0.27%(全営業日平均の約10倍)
・実測:大納会の勝率43.9%・平均−0.07%で、下げやすい日だった
・実測:大発会が上昇した年の年間プラス率は47.6%、下落した年は78.9%
・大発会の方向と年間の方向が一致したのは36.6%のみ
・1月の最初の5営業日が上昇したのも42.5%にとどまった
・年末は損益通算の期限と、5〜6日の休場をまたぐ持ち高の判断が必要

大発会と大納会は行事としての意味合いが強い一方で、値動きの傾向としては「年始は上がりやすく、年末最終日は下がりやすい」という非対称が実測で確認できました。

ただし「大発会が上がればその年は良い年」という言い伝えは、40年のデータでは支持されませんでした。むしろ大発会が下がった年のほうが、年間の成績は良好だったことになります。この結果は逆の法則を主張できるほど強いものではありませんが、少なくとも1日の値動きで1年を判断する必要がないことは示しています。

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