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リスクオンとは

リスクオン(読み方:りすくおん)

 

リスクオンとは、リスクを取ってリターンを狙いにいく動きを表した言葉です。
リスクの低い金融商品(値動きが小さい金融商品)からリスクの高い金融商品(値動きが大きい金融商品)に資金を移す動きや、リスクを取りやすい相場の状況(地合い)を意味します。

例えば、地政学的リスクが後退、世界経済の成長(回復)見込み、企業の業績拡大への期待感等が高まると、将来的に金融商品の価格が上昇する可能性が高くなります。

実際に上昇が始まると、リスクが高い金融商品ほど、大きなリターンを得られる可能性があります。
そのため、投資家はリスクが高い金融商品に資金を移し、大きなリターンを狙いにいきます。

こういう一連の動きや、相場の状況を「リスクオン」といいます。
リスクオンは「リスク選好」や「リスク志向」ともいい、対義語は「リスクオフ」となります。

リスクオフとは

リスクオフ(読み方:りすくおふ)


 

リスクオフとは、簡単に言うと「リスク回避」の動きを表した言葉です。
リスクの高い金融商品(値動きが大きい金融商品)からリスクの低い金融商品(値動きが小さい金融商品)に資金を移す動きや、リスクを回避する動きになりやすい相場の状況(地合い)を意味します。

例えば、経済成長の不透明感、企業の先行き不安、地政学的リスク等が高まると、将来的に金融商品の価格が下落するおそれがあります。

実際に下落がしてしまった場合、リスクが高い金融商品ほど、大きな損失を被る可能性があります。
そのため、投資家は損失リスクを回避するために、リスクが高い金融商品を手放し、リスクが低い金融商品に資金を移します。

こういう一連の動きや、相場の状況を「リスクオフ」といいます。
リスクオフの対義語は「リスクオン」となります。

 

リスクオン・リスクオフメモ

・リスクオンとは、リスクを取ってリターンを狙いにいく動きや、そういう動きになりやすい状況のこと
・リスクオンは、リスクの高い(値動きの大きい)金融商品が好まれる
・リスクオフとは、リスク回避をする動きや、そういう動きになりやすい状況のこと
・リスクオフは、リスクの低い(値動きの小さい)金融商品が好まれる

 

リスクオンで資金が流れる金融商品

リスクオン相場では、リスクを取ってリターンを追及した投資が好まれます。
そのため、値動きが大きい、比較的リスクの高い金融商品に買いが向かいやすいです。

一般的に、株式はリスクの高い金融商品とされており、リスクオンムードのときは買いが向かいやすく上昇傾向にあります。
株式の中でも、ハイテク株や小型株が強い動きを見せることがあります。

また、新興国の債券や通貨などにも買いが向かう傾向にあります。
新興国は経済破綻等のリスクもありますが、先進国に比べると金利が高く設定されています。
そのため、先進国の債券や通貨を買うよりも、大きなリターンを狙うことができます。

他には、原油などの商品への投資が活発になることもあります。

リスクオン相場のときは、リスクの高い金融商品が買われやすくなるので、リスクの低い金融商品(安全資産)は売られやすくなる傾向にあります。
日本円は安全資産とされているので、リスクオンは「円安」になりやすいとされています。

リスクオフで資金が流れる金融商品

リスクオフ相場では、リスクを取らない投資が好まれます。
そのため、値動きが小さい、比較的リスクの低い金融商品に買いが向かいやすいです。

代表的なものでは「日本国債」や「米国債」があります。
国債は、株式等のリスクが高い金融商品に比べると、値動きが小さくリスクが低い金融商品となります。

株式の場合、企業の倒産によって価値が無くなることもありますし、値動きも大きくリスクが高いですが、国債は政府が発行していることから信用力も高く、値動きも小さいのでリスクが低い金融商品となります。
株式等に比べるとリターンは小さいですが、その分ローリスクとなっているため、リスクオフムードのときに好まれる金融商品となります。

他には「金(ゴールド)」も安全資産の1つとなります。
株式等は先ほども言ったように倒産リスクなどありますが、金は現物資産となるので倒産するようなことはありません。
また、金の価値は世界中で共通するものなので、有事の際に安全資産として買われることも多い金融商品となります。

日本円については、リスクオフでは買われることが多いので「円高」になりやすいと言われています。

また、一般的に株式はリスクが高い金融商品とされているため、リスクオフ相場になると売られやすく下落傾向になります。
ただ、外的な要因や景気に影響を受けにくいと言われている「ディフェンシブ銘柄」などもあるので、リスクオフムードのときはそういう銘柄が注目されることもあります。

但し、あくまで資金が流れやすい金融商品ということで、絶対的なものではありません。
リスクオン相場でも全ての株式が上昇するわけではないですし、円高になることもあります。また、リスクオフ相場で金が売られたり、円安になることもあります。

ですから、さまざまな要因を踏まえた上で、投資判断を行うようにしましょう。

 

リスクオン・リスクオフメモ

・リスクオンは「株式」「新興国の債券」「高金利通貨」などリスクの高い金融商品に買いが向かう傾向にある
・リスクオン相場の場合、日本円は売られることもあるので「円安」になりやすい
・リスクオフは「日本国債」「米国債」「金(ゴールド)」などリスクの低い金融商品に買いが向かう傾向にある
・リスクオフの場合、日本円は買われることが多く「円高」になりやすい
・但し、あくまで傾向であって、必ずしも資金が集まるとは限らない

 

リスクオンとリスクオフの判断

リスクオンとリスクオフの判断するには、さまざまな金融商品の値動きをチェックすることが大切です。

例えば、株式や新興国の債券、通貨などが軒並み売られて、日本国債や金、日本円など安全資産が買われている状況ならリスクオフという判断ができます。
反対に、日本国債や金、日本円などの安全資産が軒並み売られて、株式や新興国の債券、通貨などが買われている状況ならリスクオンという判断ができます。

このように1つの金融商品だけじゃなく、全体の値動きを見ることでリスクオンとリスクオフの判断をしやすくなります。

他には恐怖指数(VIX指数)」を使って判断する方法もあります。

恐怖指数とは、投資家が市場に対して抱く不安や恐怖を数値化したものです。
一般的に、数値が高いほど、投資家は市場に対して強い不安を抱いていることになります。

通常は、10~20程度の数値で推移すると言われており、30を超えてくると警戒感が強まるとされています。
有事の際には跳ね上がることもあり、2020年3月のコロナショックでは80を上回る数値となりました。

ですから、30を超えたあたりからはリスクオフ相場も念頭において、投資判断を行うと良いでしょう。

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