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連買いとは
連買い(読み方:れんがい)
連買いとは、連続的に売買が約定して、直前の約定値段から更新値幅の2倍の水準を超えて買い上がる場合に表示される「連続約定気配」のことです。
急激な株価の変動を抑えるために導入された制度となっています。
反対に売り下がる場合は「連売り(れんうり)」といいます。
連続約定気配は、以下の状況で表示されます。
・大口注文などによって直前の約定値段から更新値幅の2倍の水準を超える場合
・注文が殺到して連続的に売買が約定して、1分以内に更新値幅の2倍の水準を超える場合
更新値幅というのは、証券取引所が定める売買ルールの1つで、直前の約定値段から一定の範囲なら即時に売買を成立させるというものです。
更新値幅は直前の約定値段(または気配値段)によって変わります。
たとえば、直前の約定値段が200円未満の場合は上下5円が更新値幅となっています。
ですから150円の場合は「145円~155円」までは即時に売買が成立することになります。
ですが、大口注文などによって連続的な売買成立が起きると株価が急激に変動することもあります。
そうなると市場に混乱をもたらしてしまうので、更新値幅の2倍の水準を超えて買い上がる(売り下がる)場合は、更新値幅の2倍の水準で連続約定気配を表示します。
連続約定気配が表示されると、1分間は投資家に周知し、急激な株価の変動を相殺するための反対注文を呼び込みます。反対注文が集まった場合はその注文と売買が成立し、集まらなかった場合は連続約定気配から特別気配に変わります。
なお、連続約定気配となった場合は、板情報には「連」や「K」と表示されています。
連買いメモ
・連続約定気配とは、急激な株価の変動を抑えるために導入された制度
・連続的に売買が約定して、直前の約定値段から更新値幅の2倍の水準を超えて買い上がる(売り下がる)場合に表示される気配のこと
連買いの仕組み
連買いについて「板」を使って、もう少し説明していきます。
たとえば、直近の約定値段150円(更新値幅は上下5円)で、以下の板情報があったとします。
上記の板で成行買い注文500株が発注されたとしましょう。
通常なら次のように順次約定していくことになります。
1.153円100株の売り注文と約定
2.155円100株の売り注文と約定
3.160円100株の売り注文と約定
4.161円100株の売り注文と約定
5.162円100株の売り注文と約定
ですが、これでは直前の約定値段「150円」から更新値幅の2倍「10円」を超えて買い上がることになり、急激な株価の変動が起こってしまいます。
そこで、更新値幅の2倍以内「10円以内」で約定できるところは約定して、2倍「10円」を超えるところは一旦売買の成立を保留にします。
このときに保留された注文が「連続約定気配」として表示されることになります。
成行買い注文500株のうち、300株は以下の売り注文と売買を成立させます。
1.153円100株の売り注文と約定
2.155円100株の売り注文と約定
3.160円100株の売り注文と約定
そして、残り200株の注文を連続約定気配として、更新値幅の2倍の位置にあたる「160円」で「連 200」と表示されます。
1分間は投資家に周知し、連続約定気配を相殺する反対注文を呼び込みます。
その結果、上記のように反対注文である「200株の売り注文」が入ると連続約定気配200株と売買が成立し、通常の売買モードに戻ります。
もしも反対注文が入らない場合は、連続約定気配を基準として、以下のように更新値幅の範囲内「上下5円」にある注文と売買が成立します。
1.161円100株の売り注文と約定
2.162円100株の売り注文と約定
この場合も連続約定気配は消えて通常の売買モードに戻ります。
但し、以下のように更新値幅の範囲内に反対注文がない場合は、特別気配が表示されるようになります。
上記のケースでは、連続約定気配160円を基準とした場合、更新値幅の範囲上限は165円となりますが、次の売り注文は166円となります。
このように更新値幅の範囲内に対当する反対注文がない場合は、連続約定気配から特別気配へと変わります。
連買いと特買いの違い
連買い(連続約定気配)と特買い(特別気配)は、どちらも急激な株価の変動を抑える役割があります。
ともに投資家に周知し、反対注文を呼び込むことになります。
このように一部似たところもありますが、表示される条件が異なります。
連続約定気配の場合は、順次約定しながら「更新値幅の2倍の水準」に到達し、急激な株価の変動がある場合に表示されます。
大口注文が入ったり、瞬間的に注文が殺到したときに表示される可能性があります。
特別気配は、約定に伴わずに、対当する注文が更新値幅の範囲内にない場合に表示されます。
売り買いのどちらか一方に注文が偏ってしまった場合に表示される可能性があります。
たとえば、以下の場合は順次約定しながら急激な株価の変動が起こることになるので、「連続約定気配」が表示されることになります。
直前の約定値段は150円となっているので、更新値幅の2倍の水準である160円までは約定していきます。
1.152円100株の売り注文と約定
2.154円100株の売り注文と約定
3.158円100株の売り注文と約定
4.160円100株の売り注文と約定
そして、未約定分は連続約定気配として「連 100」と表示して投資家に周知を図ります。
以下の板の場合は、更新値幅の範囲内に約定できる反対注文がないので「特別気配」が表示されることになります。
150円の更新値幅は「5円」となっているので、上限である155円で特別気配「特 500」と表示して投資家に周知を図ります。
連続約定気配の場合は1分間投資家に周知し、反対注文が入らない場合は特別気配に変わります。
更新値幅が段階的に引き上げられることはありません。
ですが、特別気配の場合は、3分間間隔で更新値幅を段階的に引き上げていきます。
この点も2つの大きな違いとなります。
連買いメモ
・連続約定気配の場合は順次約定しながら更新値幅の2倍の水準に到達した場合に表示される
・特別気配の場合は約定に伴わず対当する注文が更新値幅の範囲内にない場合に表示される
連買いによる株価への影響
連買いによる株価への影響は「上昇材料」になります。
連買いになるということは、その銘柄に対して「大口の買い注文が入った」または「買い注文が殺到している」という状況でもあります。
つまり、買いたい人という人が増加する可能性があるので、さらに上値を狙ってくる可能性がある銘柄となります。
但し、必ずしも上値を狙ってくるとは限りません。
中には「騙し上げ」というケースもあります。
騙し上げとは、すでに株を保有している人が、高値で株を売り抜けるために株価を上昇させるものです。
株価を上昇させた人はある程度株価が上昇したところで売り抜けてくるので、最終的にあとから買った人が損をしてしまうことになります。
株価が上がる明確な材料が出ている場合はそれを判断材料に取引をできますが、そうじゃない場合は騙し上げの可能性も考慮しつつ取引をするのが良いでしょう。
連売りの場合は反対に「下落材料」になります。
そのため、保有株で連売りが出た場合は「損切り」も選択肢の一つに入れておくのが良いでしょう。
連買いメモ
・但し、騙し上げのケースもあるので注意も必要
・反対に連売りの場合は下落材料となるので「損切り」も選択肢に入れておくのが良い