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RCIとは
RCI(読み方:あーるしーあい)
RCIとは、「Rank Correlation Index」の略で、日本語では「順位相関係数(読み方:じゅんいそうかんけいすう)」といいます。
一定期間の終値と日付に順位付けして、両者にどれだけの相関関係があるのかを数値化したテクニカル指標となります。数値化された相関関係を見ることで、直近の株価は割安(売られ過ぎ)か、割高(買われ過ぎ)かを分析することができ、売買のタイミングを図ったりすることができます。
他には相場のトレンド(向き)を見るときに使われます。
数値は「0」を中心に「-100から+100」の範囲で推移し、-100に近づけば割安(売られ過ぎ)、+100に近づけば割高(買われ過ぎ)という見方ができます。
また、RCIと似た用語として「RSI」というものがあります。
2つの違いについても簡単に説明していきます。
RCIとRSIの違い
RSIも簡単に説明すると「売られ過ぎ・買われ過ぎ」を判断するために使われる指標となりますが、2つは数値化するときのデータ・算出方法の違いから異なる動きをします。
わかりやすくチャートを表示して確認していきましょう。
上記は楽天証券の「iSPEED」で表示させた例ですが、上段が「RSI」、下段が「RCI」となります。
RSIは、一定期間の株価の変動幅を利用するので株価の値動きによって細かく変動することになりますが、RCIは終値と日数に順位付けして相関関係を見るものなので、株価の変動幅に大きく左右されることはなく穏やかに推移しています。
そのため、割安・割高を見るだけでなく、相場のトレンドを見るときにも使われたりします。
RCIメモ
・わかりやすく説明すると直近の株価は割安(売られ過ぎ)か、割高(買われ過ぎ)かを分析するときに使う指標
・「Rank Correlation Index」の略で、日本語では「順位相関係数(読み方:じゅんいそうかんけいすう)」と言う
・RSIとの違いは数値化するときのデータ・算出方法にある
・RSIは株価の値動きによって細かく変動するが、RCIは比較的穏やかに推移していく
RCIの設定値と計算式
RCIは短期線1本で使うこともありますし、2本、3本の線を使うこともあります。
1本で使う場合は「9」を利用する場合が多く、2本なら「短期(9)・長期(26)」、3本なら「短期(9)・中期(13)・長期(26)」で設定することが多いようです。
楽天証券の「iSPEED」の場合は、「短期(9)・長期(27)」の2本の線で設定されています。
但し、銘柄によって値動きの特性があったり、投資スタイルも人によって違うので上記が最適な設定値とは限りません。
あくまでもひとつの目安として考えて、銘柄や投資スタイルにあわせた設定値を見つけることが大切です。
ちなみに、他によく使われる設定値としては、以下のようなものがあります。
・日足チャート:「5」「22」「45」「52」「75」など
・週足チャート:「9」「13」「26」「42」など
それではRCIの数値を算出するための計算式を確認していきましょう。
RCIの計算式
RCIの数値は、以下の計算式で求めることができます。
d=(日数順位-終値順位)の2乗のn日分の合計
n=RCIの設定値
計算式だけでは少しわかりづらいと思うので、実際に時系列から計算していきましょう。
RCIの設定値(n)が「5」である場合、5日分の終値と日付に順位付けしてRCIの数値を算出していきます。
日付 | 終値 | 日付順位 | 終値順位 |
8/17 | 7,156 | 1 | 4 |
8/14 | 7,181 | 2 | 3 |
8/13 | 7,285 | 3 | 1 |
8/12 | 7,244 | 4 | 2 |
8/11 | 7,150 | 5 | 5 |
日付に順位付けするときは直近の日付を「1」として遡る毎に「1」を加算、終値は価格が高い順に順位付けをしていきます。
2つの順位付けをしたら、それぞれの日付順位から終値順位を引いて、その数字を2乗(同じ数字同士を掛ける)し、最後にその合計を求めます。
(1-4)の2乗=9
(2-3)の2乗=1
(3-1)の2乗=4
(4-2)の2乗=4
(5-5)の2乗=0
9+1+4+4+0=18
上記の計算で算出された数字が「d」に当てはまる数字となります。
それでは、実際にRCIの計算式に当てはめると、以下のように計算ができます。
=[1-6×18÷5(5の2乗-1)]×100
=[1-6×18÷5(24)]×100
=[1-6×18÷120]×100
=[1-108÷120]×100
=[1-0.9]×100
=0.1×100
=10
RCIの数値は「10」であることがわかります。
テクニカル指標は取引ツールに対応していれば、数値を設定するだけで自動で表示されます。
そのため、特に計算式を覚えておく必要はないと思いますが、他の指標と差別化を図るために「何を元に算出されたものなのか」という点は覚えておくと良いでしょう。
RCIの見方
RCIの基本的な見方について説明していきます。
例として楽天証券の「iSPEED」を参考にしていきます。
・位置関係
RCIは基本的に株価チャートの下に表示されており、株価チャートの値動きとあわせて確認していきます。
・RCIの線について
RCIの線は「短期・中期・長期」の3本で形成されていることもありますし、「短期・長期」の2本、「短期」の1本で表示されていることもあります。このあたりは取引ツールによって異なりますが、楽天証券の「iSPEED」では「短期・長期」の2本の線で形成されています。
・RCIを見るときのポイント
RCIは「0」を中心にして「-100から+100」の範囲で推移しています。
終値が継続して安くなっていく場合は「-100」に近づいていき、「-100」に近ければ近いほど「売られ過ぎ」という見方ができます。反対に継続して高くなっていく場合は「+100」に近づいていき、「+100」に近ければ近いほど「買われ過ぎ」という見方ができます。
RCIメモ
・RCIの線は取引ツールによって「短期・中期・長期」の3本、「短期・長期」の2本、「短期」の1本で形成されている
・楽天証券の「iSPEED」では「短期・長期」の2本の線で形成されている
・RCIを見るときは「0」を中心にして「-100」に近いか、「+100」に近いかで売買の判断をする
RCIの使い方
RCIは「0」を中心にして「-100~+100」の範囲で推移し、どのレベルで推移しているかを見ることで買われ過ぎ・売られ過ぎという判断をすることができます。
他には複数のRCIを使ってトレンド転換点を分析したり、RCIの向きからトレンドを読み取ることもできます。
色々な使い方がありますが、基本的な使い方としていくつか説明していきたいと思います。
RCIの数値から分析
RCIの数値から分析する場合は、短期線(9)がどのレベルで推移しているのかを確認し、-100に近い場合は「売られ過ぎ」、+100に近い場合は「買われ過ぎ」と判断できます。
判断基準はそのときの値動きなどにもよりますが、一般的に次の数値で判断されます。
・+80以上は買われ過ぎ
・-80以下は売られ過ぎ
買われ過ぎ(売られ過ぎ)は反転が近いということになるので、「買われ過ぎ=売りサイン」「売られ過ぎ=買いサイン」という見方ができます。
上記のチャートでも+80以上に到達したあと株価は下落し、-80以下になった後は株価が上昇しているのがわかると思います。
他には、+80以上(-80以下)の範囲から抜け出したり、プラス圏からマイナス圏(マイナス圏からプラス圏)に抜けるとトレンド転換という見方もできます。
RCIの動きから分析
RCIを短期線・長期線の2本(または3本)で表示している場合は、短期線と長期線のクロスをトレンド転換サインとして判断材料にすることもできます。
わかりやすくチャートを確認していきましょう。
・短期線が長期線の下から上に抜けた場合(ゴールデンクロス)は「買いサイン」
・短期線が長期線の上から下に抜けた場合(デッドクロス)は「売りサイン」
と考えることができます。
また、設定値にもよりますが、中期線・長期線が上向きなら上昇トレンド、下向きなら下降トレンドといったように相場のトレンドを見ることもできます。
先に説明した数値による売買サインを確認後、ゴールデンクロス(デッドクロス)が発生したら買い(または売り)と判断するとより精度は増すでしょう。
但し、RCIも万能なテクニカル指標ではないので、売買サインが出たからといって株価がその通りに動くとは限りません。
ですから精度を上げるために他のテクニカル指標と組み合わせて使ったり、その他の要因も考慮して投資判断はするようにしましょう。
RCIメモ
・買われ過ぎ(売られ過ぎ)は反転が近いという見方ができ、売買サインとしても使われている
・買われ過ぎ(売られ過ぎ)ゾーンや、プラス圏からマイナス圏(マイナス圏からプラス圏)に抜けるとトレンド転換という見方もできる
・RCIの短期線と長期線がクロスしたらトレンド転換サインとなる
・ゴールデンクロスは買い、デッドクロスは売りサインとなる
・中期線・長期線の向きで現在の相場のトレンドを見ることもできる