成行注文とは

成行注文(読み方:なりゆきちゅうもん)

成行注文とは、値段を指定しない注文方法のことです。
いくらでもよいからすぐに買いたい(売りたい)といったときに使われる注文方法となります。
逆に値段を指定する注文方法は「指値注文」といいます。

成行注文を出した場合、そのときに出ている注文の中で、最も有利な注文とすぐに売買が成立します。

具体的には以下の通りです。

・成行買い注文の場合は最も安い売り注文と売買が成立
・成行売り注文の場合は最も高い買い注文と売買が成立

わかりやすく次の画像を参考に説明すると

上記のように注文が出ているときに100株の成行注文をした場合

・買い注文なら「最も安い売り注文2,993円」と売買が成立
・売り注文なら「最も高い買い注文2,991円」と売買が成立

100株を超えるの成行注文をした場合は、最も有利な注文から順番に約定していきます。
たとえば、700株の成行買い注文をした場合は、100株は2,993円、300株は2,994円、300株は2,995円で売買が成立することになります。

成行注文メモ

・成行注文とは値段を指定しない注文方法のこと
・いくらでもよいからすぐに売買したいときに使われる
・値段を指定する注文方法は「指値注文」という

成行注文と指値注文の違い

成行注文は値段を指定しない注文方法です。
一方で指値注文は値段を指定する注文方法となります。

つまり、値段を指定するかどうかという大きな違いがあります。

他には注文時の必要な買付余力に関する違いもあります。

わかりやすく手数料は省略して説明しますが、指値注文の場合は「指値×注文株数」で計算した金額の買付余力が必要になります。
一方で成行注文の場合は「制限値幅の上限×注文株数」で計算した金額の買付余力が必要になります。

たとえば、前日終値1,381円(制限値幅300円)の銘柄に対して、100株の買い注文を出すとします。

指値注文の場合は、1,384円で指値注文すれば「138,400円(1,384円×100株)」の買付余力で注文することができます。
ですが、成行注文の場合は1,384円で買える場合であっても、「168,100円(1,681円×100株)」の買付余力がないと注文することができません。

このように指値注文と成行注文で必要な買付余力に違いもあります。

成行注文メモ

・成行注文と指値注文の違いは値段を指定するかどうか
・他には注文時の必要な買付余力に関する違いもある
・成行注文は株価がいくらであっても制限値幅で計算した買付余力が必要になる

成行注文のメリット

成行注文をするメリットは、次の2つです。

・売買の成立が早い
・売買の成立が優先される

売買の成立が早い

一番のメリットはやはり売買の成立が早いところです。

成行注文は値段を指定しないので、上記のように注文が並んでいるとき、成行買い注文をすると1,384円ですぐに売買が成立します。
つまり、買いたい銘柄をすぐに手に入れることができたり、売りたい銘柄をすぐに手放すことができます。

指値注文の場合は、指値にならないと売買は成立しませんし、時間優先の原則より、早く注文を出した人から売買が成立していきます。
そのため、売買が成立するのに時間がかかることもあります。

損切りするときなど、即座に売買を成立させたい場合は成行注文が効果的です。

売買の成立が優先される

また、成行注文は指値注文よりも優先して売買が成立します。

たとえば、1,000円で100株の売り注文があるとしましょう。
このときに以下の買い注文が入ったとします。

・1,200円の指値注文
・900円の指値注文
・成行注文

この場合、1200円の指値注文が一番高いので有利に見えますが、「価格優先の原則」というものがあり、取引のルール上は成行注文が最優先となります。
優先順位は以下の通りです。

1.成行注文
2.1,200円の指値注文
3.900円の指値注文

成行注文に続いて、価格が高い指値注文といった感じで優先順位が決まります。
このように成行注文は指値注文よりも優先して売買が成立するので、すぐに買いたい人や売りたい人にとってはメリットになると思います。

成行注文メモ

・成行注文は値段を指定しないので売買の成立が早い
・価格優先の原則により、指値注文よりも成行注文が優先される

成行注文のリスク

成行注文は値段を指定しない注文方法なので、想定外の値段で売買が成立してしまうリスクがあります。

たとえば、自分よりも少しだけ早く大口の成行注文が入ってしまった場合、自分より早く入った注文が優先になるので株価は大きく変動することになります。

指値注文の場合は、指値じゃないと売買は成立しないので、株価が大きく変動したからといって想定外の売買の成立は起こりません。
ですが、成行注文は値段を指定しないので、大きく変動したあとの株価で売買が成立してしまいます。
そうなると予想よりも高く買ってしまった、安く売ってしまった、ということが起こります。

また、日々売買が少ないような銘柄は、成行注文で株価が動きやすいです。
現在の株価が1,000円であっても、実際に売買が成立するのは1,100円や900円といったこともあります。

指値注文よりも優先されたり、売買の成立が早いといったメリットはあるものの、この点は大きなデメリットになるでしょう。

成行注文メモ

・成行注文は想定外の値段で売買が成立してしまうリスクがある
・高く買ってしまったり、安く売ってしまうことで損失を出すおそれもある

成行注文に関してよくある質問

成行注文は、指値注文よりも優先して約定されるというのは本当ですか?
本当です。株式市場には「成行優先の原則」があります。 どれだけ高い価格の指値注文よりも、成行注文の方が優先的に約定します。つまり、「いくらでもいいから買いたい人」が、列の一番前に並ぶことができる仕組みです。
成行注文の最大のデメリットは何ですか?
「思わぬ高値で買わされたり、安値で売らされたりするリスク」があることです。 特に取引量が少ない銘柄や、急激なニュースが出た直後は、板(気配値)が飛んでいることがあり、画面で見ている価格とは大きくかけ離れた価格で約定してしまう「スリッページ」が発生することがあります。
成行で注文を出したのに、約定しないことはありますか?
極めて稀ですが、あります。 例えば、売り注文が殺到して「ストップ安」になり、比例配分(抽選)が行われるようなケースや、取引所が売買を一時停止(売買停止)にしている場合は、成行であっても成立しません。
注文画面で「成行」を選ぶと、必要資金(買付余力)が多く計算されるのはなぜ?
その銘柄が「ストップ高」まで上がったとしても購入できるだけの資金を、証券会社が事前に確保するためです。 指値注文であればその価格分の資金で済みますが、成行は何円で約定するか不明なため、リスク管理として余裕を持った資金(上限価格分)が拘束されます。
取引開始前(寄り付き前)に出す成行注文にはどんな特徴がありますか?
「板寄せ(いたよせ)」というルールによって、9時の開始と同時に最も多くの注文が成立する一本の価格で約定します。 非常に強力な注文方法ですが、寄り付きでいきなり株価が急騰・急落した場合、その「想定外の初値」で強制的に取引が成立してしまうため、朝一番の成行には注意が必要です。
成行注文を出した後、取り消しや変更はできますか?
約定する前であれば可能ですが、成行は「出した瞬間に約定する」ことが多いため、実質的には取り消す余裕がないことがほとんどです。指値注文以上に、注文ボタンを押す前の確認が重要になります。
「逆指値の成行」とはどのような注文ですか?
主に損切り(ストップロス)に使われる注文です。 「株価が〇〇円まで下がったら、成行で売る」という予約をしておくことで、それ以上の損失拡大を自動的に防ぐことができます。暴落時の「命綱」としてプロも多用する手法です。
初心者が成行注文を「避けるべき」銘柄はありますか?
「板が薄い(注文数が少ない)銘柄」です。 1日の出来高が数千株しかないような銘柄で成行注文を出すと、自分の注文自体で株価を数%動かしてしまい、非常に不利な価格で約定してしまいます。こうした銘柄は「指値」で少しずつ買うのがセオリーです。
デイトレードにおいて成行注文が推奨される理由は?
「チャンスや逃げ場を逃さないため」です。 数円単位の価格にこだわって指値を置いている間に、株価がスルスルと逃げていってしまうことがあります。「数円の有利さ」よりも「今すぐその波に乗ること(または船から降りること)」を優先するのがデイトレの基本だからです。

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