マイルストーンとは

マイルストーン(読み方:まいるすとーん)

マイルストーン(英語:milestone)とは、企業がプロジェクト完遂するために設ける中間目標のことをいいます。

株式・証券用語に限らず大枠的にはビジネス用語であるマイルストーンは、道路脇などに立てられている里程標(りていひょう)に由来するものだといわれています。里程標とは、簡単にいうと距離を表示する標識です。

例えば少し極端な例ですが、「北海道から沖縄まで●キロ」という里程標があるとします。
これを企業のプロジェクトに置き換えると、北海道からプロジェクトが進行され、プロジェクトの最終的な目標が沖縄となります。

中間地点とは、いわゆる真ん中に当たります。
日本の真ん中を長野県(真ん中が何処にあたるのかは諸説意見があるため実際は明確に特定できません)とした場合、マイルストーンは長野県ということになります。

また、マイルストーンは中間目標だけでなく、節目という意味合いもあります。

一般にマイルストーンはプロジェクトの工程が長期化しそうな場合や、中長期施策(中長期戦略・中期経営計画)の一環として使われます。

マイルストーンメモ

・マイルストーンとは企業のプロジェクト完遂のため中間目標のことを指す
・マイルストーンはビジネス用語で里程標が由来となっており、節目の意味合いもある
・マイルストーンは企業においてプロジェクトの工程が長期化する見込みや中長期施策の一環として使われる

企業におけるマイルストーンの例

はじめにマイルストーンの意味について解説しましたが、よりわかりやすいように、企業が実際に公表しているマイルストーンを参考として紹介します。

以下、トヨタ自動車(7203)の公式サイト内より引用したものです。(表内※1、2の詳細は割愛)

引用:トヨタ自動車【2030マイルストーン】

「2030マイルストーン」とは、トヨタ自動車の「トヨタ環境チャレンジ2050」(以下参照)を実現するために設定されたものです。

引用:トヨタ自動車【トヨタ環境チャレンジ2050】

「トヨタ環境チャレンジ2050」とは
簡単にいうとトヨタ自動車が考える2050年のあるべき姿のことで、6つのチャレンジと取り組み・目標(車から排出される走行時のCO2を2050年までに2010年比90%削減するという長期的な目標)となっています。

インセンティブとしてのマイルストーン

マイルストーンは企業のプロジェクトにおける中間目標・節目のことを指すというのは前述した通りですが、インセンティブにおけるマイルストーンも存在します。

インセンティブ(インセンティブ制度)とは、わかりやすくいうと目標を達成したときに発生する報奨金のことです。

例えば、直近では医薬品企業の武田薬品工業(4502)がアジア太平洋地域で販売する一般用医薬品・医療用医薬品の一部を韓国のバイオ医薬品企業(セルトリオン)におよそ2億8,000万ドルで譲渡することで合意し、武田薬品工業は一時金の他、マイルストーンとして最大1,200万ドルを受け取ることになると発表されました。(2020年6月12日付)

マイルストーンペイメント(マイルストーン払い)

端的に、上記のような目標達成報酬金支払いのことをマイルストーンペイメントといいます。

マイルストーンペイメントとは、要するにマイルストーン払いということですが、前述したようなバイオ系企業から医療・製薬会社へのライセンス(契約)で用いられます。

特に医薬品企業においてマイルストーン方式の契約は、プロジェクトの工程途中で何かしら想定外の事態(副作用の発生等)が起こったときのリスク分散につながります。

例えば工程・工期が中断した場合の費用負担は、一括で前払いする契約と比べて一時金(契約一時金)と工程毎のマイルストーン方式での契約のほうが費用面の負担を抑えられることになる特徴があります。

ちなみに、クラウドソーシングで案件を受ける場合にもマイルストーン払いは用いられ、作業工程ごとに予算を決めて分割払いを行う支払い方式になります。

マイルストーンメモ

・マイルストーンは企業のインセンティブ(目標達成報奨金)としても用いられる
・医薬品企業におけるマイルストーン方式はリスク分散となる
・インセンティブの支払い=マイルストーンペイメント(マイルストーン払い)はバイオ系企業から医療、製薬会社へのライセンスで用いられる他、クラウドソーシングにおいても用いられる

マイルストーンとスケジュール・ガントチャート・ロードマップ

マイルストーンはよくスケジュールと混同されることがありますが、意味は異なるものです。
また、マイルストーンはガントチャートとも混同されがちですが、こちらも別ものです。

他、スケジュールやガントチャート同様にロードマップもマイルストーンと混同されますが、こちらも違います。

それぞれの意味を知ることで、その違いがわかります。

スケジュール 企業のプロジェクトの日程・予定を表す
マイルストーン 日程・予定を立てる際の工程における中間目標や節目
ガントチャート プロジェクトの工程や進捗を管理するためのもので、スケジュールやマイルストーン、進捗などを組み合わせて作られるもの
ロードマップ 企業の事業全体を示すもの(マイルストーンはロードマップの中間目標・一つの節目)

それぞれ混同して把握しないように注意しましょう。

マイルストーンに関してよくある質問

投資の世界、特にバイオ株などで聞く「マイルストーン支払い」とは?
開発の進捗(治験の成功や承認申請など)に応じて、段階的に支払われる契約金のことです。 一度に全額を払うのではなく、「フェーズ1成功で〇億円」といった条件を付けることで、出資者(ライセンス購入側)はリスクを抑え、開発側はモチベーションを維持できる仕組みになっています。
マイルストーンと「KPI(重要業績評価指標)」の使い分けは?
「点」で見るか「量」で見るかの違いです。
マイルストーン: 「〇月〇日までに契約締結」といった、達成したか否かの「点(イベント)」で見ます。
KPI: 「売上1億円」「成約率20%」といった、状況を測る「量(数値)」で見ます。
マイルストーンを設定する際、最適な「数」や「間隔」はありますか?
プロジェクトの規模によりますが、「1ヶ月〜2ヶ月に1回」訪れるのが理想的です。
間隔が空きすぎると進捗の遅れに気づけず、多すぎると管理コストが膨大になり、現場が「報告のための作業」に追われてしまいます。
バイオ企業がマイルストーンを達成したというニュース。株価はどう動きますか?
原則としてポジティブ(上昇要因)ですが、「織り込み済み」には注意です。
マイルストーン達成により一時金が入るだけでなく、開発の成功確率が高まったと評価されるためです。ただし、期待が先行しすぎている場合は、発表と同時に「材料出尽くし」で売られることもあります。
もしマイルストーンが「未達成」だった場合、どのようなリスクがありますか?
プロジェクトの中止や、契約解除のリスクが生じます。 投資契約やM&Aにおいては、マイルストーンの未達が「開発の断念」とみなされることも多く、資金調達が止まったり、株価が暴落(急落)したりする最大のトリガーとなります。
「逆マイルストーン(ネガティブ・マイルストーン)」という概念はありますか?
正式な用語ではありませんが、実務上は「撤退基準(損切りライン)」として意識されます。
「〇月までに結果が出なければこの事業は畳む」というデッドラインを決めておくことは、マイルストーンを設定するのと同等に、経営や投資のリスク管理において重要です。
M&Aで使われる「アーンアウト(Earn-out)」とマイルストーンの関係は?
アーンアウトは、マイルストーンを用いた買収代金の調整手法です。 買収後、売却側の企業が一定の利益目標(マイルストーン)を達成した際に、追加で買収代金を支払う仕組みです。買収側と売却側の「企業価値に対する見解の差」を埋めるために使われます。
個人の資産形成においてマイルストーンを活用するコツは?
「金額」だけでなく「状態」を節目にすることです。 「1,000万円貯める」という最終ゴールの前に、「NISA枠を使い切る」「固定費を5万円削る」「配当金を月3,000円にする」といった小さなマイルストーンを置くことで、挫折せずに長期投資を継続しやすくなります。

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