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FOMCとは
FOMC(読み方:えふおーえむしー)
FOMCとは、“Federal Open Maket Committee”の略称で、日本語では「連邦公開市場委員会」といいます。
アメリカの金融政策を決定する会合のことで、日本における「日銀金融政策決定会合」や、EUにおける「ECB政策理事会」にあたるものです。
FOMCはアメリカの中央銀行にあたる「FRB(連邦準備理事会)」が定期的に開催するもので、FRB理事7名と12地区の連邦準備銀行総裁5名で構成されています。
12地区の連邦準備銀行総裁5名のうち1名はニューヨーク連邦準備銀行総裁で、残り4名は他の連邦準備銀行総裁で持ち回りとなっています。
この会合は約6週間ごとに年8回、火曜日(もしくは火曜日と水曜日の2日間)に開催され、現在の景況判断や政策金利の上げ下げ、今後の金融政策の方針などが決定されます。
例えば、アメリカの景気が過熱気味の局面で政策金利の引き上げ(金融引き締め)、景気が後退局面で政策金利の引き下げ(金融緩和策)を実施します。
ちなみに、金融引き締め政策に積極的な姿勢のメンバーを「タカ派」、金利の引き下げを好むメンバーを「ハト派」といいます。
FRBとは
FRBとは、“The Federal Reserve Board”の略称で、日本語では「連邦準備理事会」といいます。
アメリカの中央銀行制度である「FRS」の最高意思決定機関のことです。
FRSとは、“Federal Reserve System”の略称で、日本語では「連邦準備制度」といい、FRBのほか、FOMC、連邦準備銀行、加盟銀行などで構成されています。
FRBは、7名の理事(そのうち1名が議長、1名が副議長)で構成されており、2021年12月時点の議長はジェローム・パウエル氏が務めています。
FOMCがマーケットに与える影響とは
FOMCでは、アメリカの政策金利の引き上げ(利上げ)や引き下げ(利下げ)の判断をしており、その結果が世界のマーケットに与える影響は大きいものがあります。
そのため、FOMCの結果は世界中で注目される重要な経済指標となっています。
具体的に金利の上げ下げでどういった影響があるかと言うと、一般的には次のような影響があるとされています。
・為替相場...利上げで円安ドル高、利下げで円高ドル安
・米国株式相場...利上げで下落、利下げで上昇
・日本株式相場...利上げで下落、利下げで上昇
理論上は、日米の株式相場は利上げで株価は下落し、利下げで株価は上昇する傾向にあります。
それでは利上げで株価が下落する理由、利下げで株価が上昇する理由についてみていきましょう。
利上げで株価が下落するワケ
まず、政策金利とは、簡単に言うと一般の銀行が中央銀行からお金を借りるときの金利のことです。
アメリカの政策金利は「FFレート」や「FF金利」とも呼ばれます。
利上げは、この政策金利を引き上げることをいいます。
利上げが実施されると、貸出金利が上昇することになります。
貸出金利とは、銀行が企業などに資金を貸し出すときの利息のことです。
そうなると企業は金利負担が高くなるので、利息の支払が増加したり、資金調達がしづらくなります。
利息の支払が増加すると利益の減少につながりますし、資金調達ができないと資金が不足し、設備投資などができなくなります。
また、利上げによって、世の中に出回るお金も減少するので、消費の縮小なども起こります。
そのため、企業の業績悪化や企業活動の鈍化などを懸念して株価が下落することになります。
ただ、セクターによって利上げがポジティブに動くこともあります。
例えば、利上げが実施されると為替相場は円安ドル高になります。
円安ドル高は輸出企業によってポジティブ要素となりますので、株価が上がる要因にもなります。
利下げで株価が上昇するワケ
続いて利下げとは、政策金利を引き下げることをいいます。
利下げが実施されると、貸出金利が下落することになります。
そうすると利息負担も減少しますし、企業の金利負担が低くなるので資金調達がしやすくなります。
資金調達がしやすくなれば、設備投資なども積極的に行うことができるので、企業活動が活発化します。
また、金利が低くなると個人も借り入れしやすくなりますし、世の中にお金が出回るので個人消費も回復していき、企業の業績回復につながります。
そのため、利下げの実施は株価上昇要因となります。
ただ、利下げでは、為替相場が円高ドル安になりますので、輸出企業などにはマイナス要因にもなります。