消費者物価指数とは

消費者物価指数(読み方:しょうひしゃぶっかしすう)

消費者物価指数とは、消費者が購入する生活用品・サービスの価格変動を示す指数のことです。
英語で「consumer price index」と書くことから、CPIともいわれます。

具体的には、全国の世帯が購入する商品やサービスの価格変動を総合的に測定し、物価の変動を時系列的に測定するもので、総務省が毎月公表しています。

消費者物価指数については、国際労働機関(ILO)が国際基準を定めており、日本の消費者物価指数もILOの基準に沿って作成されています。

よく「経済は生き物」だといわれていますが、「経済の体温計」とも呼ばれる消費者物価指数は物価の動きを把握することができることから重要な指数となっています。

ちなみに、消費者物価指数と似た指数に「企業物価指数」というものがありますが、それぞれ明確に異なるものです。

企業物価指数と消費者物価指数の違い
消費者物価指数は消費者が普段購入している商品・サービスの価格に焦点を当てた物価指数なので、調査の目的や対象範囲が異なります。(消費者か企業か)

消費者物価指数メモ

・消費者物価指数とは、消費者が購入するモノやサービスの価格変動を示す指数のこと
・英語ではconsumer price index、そのため「CPI」とも表される
・国債労働機関(ILO)が国際基準を定めており、日本の消費者物価指数もILO基準

消費者物価指数の求め方

【消費者物価指数の概要(前提知識)】
消費者物価指数における指数とは、基準になる価格を例えば100として

基準となる100と比較してどれくらい上がったのか?
基準となる100と比較してどれくらい下がったのか?

というのを表したものです。

指数で示すことで、「物価が上がった」という状態を本質的に理解できるものとなります。

例)

A.2019年に50円だったマスクが2020年は100円になりました。
B.2019年に3万円だった任天堂Switchが2020年は5万円になりました。

値上がり分だけでみると、Bのほうが物価が上がったということにはなります。

これを指数で考えると

Aの場合、50円を指数100とすると、2020年の100円という値段は指数200(50円から100円と2倍なので)
Bの場合、3万円を指数100とすると5万円が指数167(小数点繰上げ)

つまり、

マスク … 指数100 ⇒ 指数200
任天堂Switch … 指数100 ⇒ 指数167

となります。

指数で比較することで、マスクのほうが任天堂Switchよりも「物価が上がった」ということがわかります。

このように、消費者物価指数は品物ごとの動向を算出しています。

踏まえて消費者物価指数は

・全ての商品を総合した総合指数
・生鮮食品を除く総合指数

を発表しています。

「生鮮食品を除く」というのは、価格変動が大きいためです。

ちなみに、生鮮食品を除く総合指数は500品目以上の値段を集計して算出していて、ニュース等ではコアCPIともいわれています。

消費者物価指数における指数とは何なのか(上記例のように)を理解した上で実際に発表される消費者物価指数をチェックすれば良いかと思います。

消費者物価指数の変化率の計算方法

参考までに、消費者物価指数における計算方法(計算式)は以下のようになっています。

例えば、前月比として当月指数を前月の指数と比べた変化率は

となりますが、商品の出回りの変化による季節的な変動も含まれている点には注意が必要です。

また、当月の指数を前年の同じ月と比べた変化率は

となり、1年前と今年の同じ月の比較となるので季節的な変動要因を考える必要がなく、当月までの1年間の物価変動を見るのに便利です。

次に、当年1月から12月の平均指数を前年の年平均指数と比較した変化率は

となり、1年間の物価の動きを見ることができます。

次に、寄与度の計算方法も合わせて参考として記しておきます。

消費者物価指数の寄与度の計算方法

寄与度とは、変化率に対する各品目の影響度のことです。

ウエイトとは消費支出学において、その品目の支出額がどれだけの割合かを示している数字のことです。

消費者物価指数メモ

・消費者物価指数の求め方、変化率や寄与度の計算方法等は参考程度に知っておく
・消費者物価指数において、指数とは何か本質的な部分を理解することが重要

実際の消費者物価指数をチェック

以下、2020年5月27日時点で最新の消費者物価指数になりますが、前述した消費者物価指数の概要を踏まえて、実際に総務省が公表する消費者物価指数をもとに簡単に解説したいと思います。

出典:総務省【2015年基準 消費者物価指数 全国 2020年(令和2年)4月分(2020年5月22日公表)】

解説とはいっても、ご覧のように公表される消費者物価指数には、おおまかな見方が記載されています。(赤枠部分)

例えば、「総合指数は2015年を100として」という部分が基準になります。
前年同月比・前月比がそれぞれ上昇したのか下落したのかが基準の100をもとに

総合指標が前年同月比 +0.1%
生鮮食品を除く総合指標が -0.2%
生鮮食品とエネルギーを除く総合指標が +0.2%

と、基準を100(2015年の年平均を100)とした場合の相対的な値ということになります。

消費者物価指数の推移を見る

生鮮食品を除く総合指標の前年同月比-0.2%(3年4ヶ月ぶりにマイナスに転じました)において、なぜ-0.2%というマイナスの値になったのか?
その原因部分を見ることができるのが、【総合指数の前年同月比の変動に寄与した項目】です。

以下は同項目の【エネルギー構成品目の前年同月比及び寄与度】【他の主な項目の前年同月比及び寄与度】になります。

出典:総務省【2015年基準 消費者物価指数 全国 2020年(令和2年)4月分(2020年5月22日公表)】

表5【エネルギー構成品目の前年同月比及び寄与度】をご覧の通り、エネルギーの部分が下がったのがマイナスに転じた原因だと考えられるわけです。
現に灯油やガソリンだけを見てもそれぞれ-9.1%-9.6%となっているのがわかります。

更に、推移のグラフを見てもガソリン指数が下がっているのが見て取れます。

出典:総務省【2015年基準 消費者物価指数 全国 2020年(令和2年)4月分(2020年5月22日公表)】

実際に消費者物価指数をご覧になる際は、変化率や寄与度の計算式は参考程度とし、

家計の消費構造を一定のものに固定し、それに必要な費用が物価の変動によってどのように変化するのかを指数で示したのが消費者物価指数

だということを理解し、チェックすると良いかと思います。

ちなみにYAHOO!ファイナンスなどで、アメリカの消費者物価指数(CPIコア指数)を閲覧することができるので、気になる方はチェックしてみると良いでしょう。

CPIに関してよくある質問

CPIが上がると、なぜ株価が下がることが多いのですか?
主な理由は「利上げ」への警戒です。CPIが上昇(インフレ)すると、中央銀行は物価を抑えるために政策金利を上げようとします。金利が上がると、企業の借入コストが増え、同時に債権などの利回りが相対的に魅力的になるため、リスク資産である株式から資金が抜けやすくなり、株価の下落を招きます。
米国ではさらに「コアコアCPI」が注目されるのはなぜですか?
米国の「コア」は生鮮食品に加えて「エネルギー(ガソリンや電気代)」も除外したものを指します。エネルギー価格は原油価格など外部要因に大きく依存するため、それらを除いた「コアコアCPI」を見ることで、その国の経済内部から湧き上がる純粋なインフレ圧力を測定できるからです。
CPIの結果を受けて「円安」や「円高」が進む仕組みを教えてください。
例えば「米国のCPI」が予想より高い場合、米国の利上げ期待が高まります。すると、より高い金利を求めて「ドル買い・円売り」が加速し、ドル高・円安が進みます。逆に日本のCPIが上がり、日銀の利上げが意識されると円高要因になります。
CPIが上昇しているのに、なぜ自分の給料(実質賃金)は増えないと感じるのですか?
それは「物価の上昇」に「賃金の上昇」が追いついていないからです。これを「実質賃金のマイナス」と呼びます。投資家としては、この状態が続くと個人消費が冷え込み、内需関連株に悪影響を及ぼすリスクを考える必要があります。
CPIの算出に使われる「品目」は、ずっと同じなのですか?
いいえ、時代に合わせて入れ替えられます。例えば、かつては普及していた「固定電話」のウエイトが下がり、代わりに「スマートフォン」や「動画配信サービス」などが追加されるといった調整(基準改定)が数年ごとに行われ、指数の精度が保たれています。
なぜ不動産価格(マンション価格など)はCPIに含まれないのですか?
CPIはあくまで「消費」の対象を測るものであり、住宅の購入は「投資(資産形成)」とみなされるからです。ただし、住宅の「家賃」は消費サービスとしてCPIの重要な構成要素となっており、特に米国では家賃の比率が非常に高く、指数全体を左右する要因になります。
CPIが「予想通り」の結果だった場合、市場はどう反応しますか?
基本的には「材料出尽くし」となり、大きな値動きは起こりません。しかし、発表前に「予想より高いだろう」と見込んで動いていた投資家が多い場合、予想通りだったことで逆に買い戻しや売り戻し(巻き戻し)が起き、株価や為替が発表直前とは逆方向に動くこともあります。
投資家としてCPIをチェックする際、前年同月比と前月比のどちらを重視すべきですか?
どちらも重要ですが、「インフレの加速・減速」をいち早く察知したいなら前月比を重視します。前年同月比は1年前の数値(ベース効果)に影響されるため、今の勢いを正確に表さないことがあるからです。
CPIが上がり続ける「インフレ局面」で強い資産は何ですか?
一般的には、商品価格の上昇を価格転嫁しやすい「素材・エネルギー関連の株式」や、物価に連動して元本が増える「物価連動債」、そして現物資産である「ゴールド(金)」や「不動産(REIT)」などがインフレに強い耐性を持つとされています。

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