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打診買い・打診売りとは

打診買い(読み方:だしんがい)/ 打診売り(読み方:だしんうり)

 

打診買い・打診売りとは、本格的に資金を投入する前に、市場の反応を探るために小口の注文を入れることです。
小口の買い注文を入れることを「打診買い」、小口の売り注文を入れることを「打診売り」といいます。

打診買い・打診売りは、自分が買いたい(または売りたい)と考える水準に到達した時などに様子を見るために行われます。
相場が停滞している時や節目となる水準に到達した時など、まだどちらに動くかはっきりしない状況でよく使われます。

打診買い・打診売りの方法

例えば、下落局面なら底値を予想して買い注文を入れると思いますが、株価の値動きは「予想どおりにならない可能性」があります。

「底値だと思ったけどさらに下落してしまった」なんてこともよくあります。
こうなった場合、一気に資金を投入していたら含み損が膨れ上がっていた可能性があるわけです。

ですので、まずは本当に底値かどうかを探るために小口の買い注文を入れて様子を見ます。
この注文が「打診買い」です。

そして市場の反応が良ければ本格的に資金を投入して買い増ししていきます。
「市場の反応が良い」というのは、自分以外の取引参加者もその水準で買いにシフトしているかどうかということです。
他の取引参加者も同じ水準で打診買いを行っていれば、株価は下げ止まり反発することになります。
そうなれば予想が確信に変わるので強気に買い進めていくことになります。

予想に反してさらに下落した場合は「損切り」や「ナンピン買い」で対応することになります。

打診買いの場合、一気に資金を投入した時に比べると注文数量が小さいので損失を最小限に抑えることができますし、余力も十分残っているのでナンピン買いをして平均取得単価を引き下げることができます。

一気に資金を投入すると予想を外したときに損失が大きくなりやすいですが、このように打診買いを活用することで損失リスクを軽減してくれたり、平均取得単価の引き下げなど戦略的な投資が行えるようになるので利益獲得のチャンスを増やせる可能性があります。

打診買い・打診売りの割合

打診買い・打診売りの割合(小口注文の数量)については人それぞれです。
1,000株買いたい人が100株だけ打診買いすることもありますし、半分の500株を打診買いすることもあります。
この辺は許容できる範囲内で行うと良いでしょう。

 

打診買い・打診売りメモ

・打診買いとは、本格的に資金を投入する前に、市場の反応を探るために小口の「買い注文」を入れること
・打診売りとは、本格的に資金を投入する前に、市場の反応を探るために小口の「売り注文」を入れること
・自分が買いたい、または売りたいと考える水準に到達した時に様子を見るために行う注文のこと
・打診買い・打診売りの割合に決まりはないので自身が許容できる範囲で行うと良い

 

打診買い・打診売りのメリット

打診買い・打診売りをするメリットについて解説していきます。

・損失リスクを減らせる
・心理的負担が軽減して余裕が生まれる
・ナンピンで利益が出る水準を下げる

損失リスクを減らせる

打診買い・打診売りは「まずは小規模の注文をお試しで入れてみること」です。
そのため、予想に反して株価が動いてしまっても、損失を最小限に抑えることができます。

例えば、株価1,100円で下げ止まると予想しましたが、1,000円まで下落してしまったと仮定しましょう。

全力買いで1,000株一気に購入:下落幅100円×1,000株で含み損10万円
打診買いで100株のみ購入:下落幅100円×100株で含み損1万円

いきなり全力買いをしてしまうと、予想に反した動きで一気に損失も膨れ上がりますが、打診買いは小規模の注文となるので含み損も小さくて済むわけです。

このように打診買いをすることでリスクを最小限に抑えることができます。

心理的負担が軽減して余裕が生まれる

打診買い・打診売りは、損失を最小限に抑えることができるので心理的負担を軽減できます。
また、小規模の注文なので資金的にも余力がある状態をキープでき、様々な面で余裕を持った取引が可能になります。

そのため、予想が外れてしまっても、一度損切りして体勢を立て直したりすることができます。
株式投資をする上で100%利益を得ることはできないので、立て直しができるかどうかは大きなポイントになります。

一気にポジションを取ると心理的負担が大きくなるので、冷静な判断ができずに大きな損失を確定せざる得ない状況になったり、塩漬けになってしまったりでなかなか建て直しができないこともあります。

ですので余裕が生まれるという点も大きなメリットになると思います。

ナンピンで利益が出る水準を下げる

打診買い・打診売りをした後、予想に反して株価が動くこともあります。
そういう場合は損切りも1つの選択となりますが、誤差の範囲内の動きであればナンピン買い(ナンピン売り)も1つの手段となります。

ナンピン買いとは、保有株が下落した時に平均購入単価を下げるために買い増しすることです。
平均購入単価を下げることで「利益が出る水準」も下げることができます。
株価が上昇した時に売り増しする場合は「ナンピン売り」といいます。

一気に資金を投入した場合、余力が無くなってしまうのでナンピン買い(ナンピン売り)をするのが難しくなります。
一方で打診買い・打診売りの場合、小規模の注文なので十分な余力が残っており、ナンピン買い(ナンピン売り)ができます。

例えば、1,100円で1,000株購入した場合は1,100円を超えないと利益になりません。
ですが、1,100円で100株の打診買いをした後、1,080円で200株、1,050円で300株、1,000円で400株とナンピン買いをした場合は「平均取得単価1,041円」になるので株価1,041円を超えると利益になります。

つまり、打診買い・打診売りと併用してナンピン買い(ナンピン売り)を活用することで、利益獲得のチャンスを増やせる可能性があります。

打診買い・打診売りのデメリットや注意点

打診買い・打診売りをするにあたって、デメリットや注意点もあります。

・得られる利益が小さくなることがある
・計画的に行わないと損失が膨れ上がる

得られる利益が小さくなることがある

打診買い・打診売りをした場合、結果として得られる利益が小さくなることがあります。

例えば、相場が予想どおりに動いた場合などです。

1,000円で下げ止まるだろうと予想して、その通りに動き、株価が1,200円まで回復したケースで確認してみましょう。

1,000円で一気に1,000株購入した場合、200円(1,200円-1,000円)×1,000株で「20万円の利益」となります。

一方で1,000円で200株ほど打診買いをして、その後予想どおりに反発して1,050円まで上昇したので残りの800株を追加で買い増しした場合は平均取得価格が1,040円となるので、160円(1,200円-1,040円)×1,000株で「16万円の利益」となります。

つまり、打診買いを行ったことでリスクを減らして取引はできましたが、4万円ほど利益を取り逃してしまう結果となります。

このように予想どおりに動いた場合、多少乗り遅れることになるので当初よりも得られる利益が少なくなることがあります。

計画的に行わないと損失が膨れ上がる

打診買い・打診売りを上手に活用することで様々なメリットがありますが、無計画に行うと含み損が膨れ上がってしまうこともあります。

打診買い・打診売りは「そろそろ下げ止まるだろう」「節目に到達してブレイクしそうだ」という時に様子を見るために使うものです。
ですので、予想の範囲を超えるような動きをしたら、すぐに損切りをしないと損失が膨れ上がることもあります。

ナンピン買いも1つの手段ではありますが、これもあくまで予想の範囲内で動いている時に使うものです。
例えば、「1,100円で下げ止まると思うけど、多少の誤差はあるだろうから1,000円までの下落は考えておこう」という時に1,100円~1,000円の値幅内でナンピン買いをします。

無計画に900円、800円とナンピン買いを続けていると含み損が膨れ上がっていくだけなので、打診買い・打診売りをする前にしっかりと計画を立てて行うようにしましょう。

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