浮動株比率とは

浮動株比率(読み方:ふどうかぶひりつ)

浮動株比率とは文字通り浮動株の比率のことで、発行済株式数に占める浮動株の割合を指します。

浮動株とは、企業が発行する上場株式で市場に流通していて日々売買されている株式のことです。
東証は発行済株式数から特定株大株主などが保有する安定的な株式)を除いた株式を浮動株数とし、東証株価指数(TOPIX)を算出しています。

一般に浮動株比率が高いほど市場に流通している株式数が多いため売買しやすく、浮動株比率が低いと市場に流通している株式数が少ないため売買が行われにくくなります。(具体的には後述)

浮動株比率を英語ではFree Float Weight(FFW)

浮動株比率が低い銘柄

浮動株比率が低いというのは、市場に流通している株式数が少ないということです。

そのため、売買が行われにくい(取引が少なくて流動性が低い)のが特徴で、買い占めによる株価の上昇や、大量保有者の売りによって暴落する懸念があります。

浮動株比率が高い銘柄

浮動株比率が高いというのは、市場に流通してる株式数が多いということです。

流動性が高くて売買しやすく、株価の変動は緩やかなのが特徴です。
緩やかとはいっても取引数が多い(流動性が高い)ため、頻繁に株価は変動する傾向があります。

浮動株比率メモ

・浮動株比率とは、発行済株式数に占める浮動株の割合
・浮動株比率が低い=市場に流通している株式数が少ないため売買が行われにくい(取引が少なくて流動性が低い)
・浮動株比率が高い=市場に流通している株式数が多いため売買しやすい(流動性が高くなる)

浮動株比率の算出方法

浮動株比率は東証・四季報、それぞれが算出しているものが一般的です。

ただ、東証の浮動株比率の算出方法と、四季報の浮動株比率の算出方法はそれぞれ異なります。
これは東証と四季報それぞれ浮動株の定義などに少し違いがあるため、東証の浮動株比率の算出方法と、四季報の浮動株比率の算出方法は異なる形となっています。

東証の浮動株比率算出方法

東証の浮動株比率の算出は、以下3つの手順で行われます。

①有価証券報告書等の公表資料から固定株(固定的所有と見られる株式)を推定
②固定株比率(=固定株数÷指数用上場株式数)を算定
③「1-固定株比率」の数値から浮動株比率を求める」

はじめに固定株数*を推定して、それ以外を浮動株としてみなしているというものです。
※固定株数とは特定株のことを指します

固定株の条件・浮動株とみなす一例について、東証の【浮動株比率の算定方法】によると次のように明記されています。

▼東証の固定株の認定条件

大株主上位 10 位の保有株、自己株式等(相互保有株式 (会社法 308 条 1 項により議決権の制限を受けている株式)を含む)、役員等の保有株、その他東証が適当とみなす事例(長期的又は固定的所有とみられる株式等)

引用: JPX【浮動株比率の算定方法】より

▼東証の浮動株とみなす一例

引用: JPX【浮動株比率の算定方法】より

ちなみに、東証の浮動株比率は決算期に応じて年1回の定期見直しが実施されています。(東証の判断により臨時見直しも適宜有り)

東証の浮動株比率を算出するための上記3つの手順を計算式に応用すると、以下の通りです。

固定株比率 = 固定株数 ÷ 指数用上場株式数

指数用上場株式数については、発行済株式数と捉えて問題ないかと思います。

固定株比率の算出により、浮動株比率が算定されます。

浮動株比率 = 1 - 固定株比率

ただ、上記計算で求められた浮動株比率は”0.05刻みで切り上げた値を浮動株比率として採用”されます。
例えば計算結果が16.2%の場合は、0.05刻み=5%切り上げて20%が浮動株比率とされます。

こうした切り上げのこともあってか東証の浮動株指数は、やや過大評価だという声もあります。

四季報の浮動株比率算出方法

四季報の浮動株比率の算出方法は、過大という声もある東証の算出方法と比べると小さくなる傾向があります。方法は浮動株数を算出し、浮動株比率を算出するものです。

四季報が浮動株とみなす条件は

会社四季報オンラインでは、1単元以上50単元未満の株主の株式保有数持株の合計を浮動株と見なして比率を算出しています。この算出基準は、各証券取引所の基準とは異なりますのでご注意ください。

引用:【会社四季報ONLINE 利用ガイド】より

となっています。

わかりやすくいうと、保有しているのが少数の場合は浮動株とみなしているということになります。

四季報の浮動株比率を算出する計算式は以下の通りです。

浮動株比率 = 浮動株数 ÷ 発行済株式数

より市場の実態に近い浮動株数の算出するための算定方法だといわれている四季報の浮動株比率ですが、東証の過大評価傾向とは逆にやや過小評価ではといった声が上がっています。

浮動株比率の目安や平均は?

浮動株比率の算出について理解すると、

「浮動株比率の平均はどれくらいなのか?」
「浮動株比率の目安は?」

といったことが気になるものだと思います。

東証と四季報の浮動株比率の算出方法からもわかるように、浮動株比率において明確に統一された定義は公表されていません。

ただ、浮動株と似ていて同じ意味合いとして位置づけられたりする流通株の基準を一つの参考とするのが、いわゆる浮動株比率の目安でもあるかと思います。

流通株とは
浮動株を指して流通株といわれることもあり、浮動株と同じような概念ですがその対象に違いがあります。
浮動株…東証株価指数を算出するための対象
流通株…上場廃止指定替えの基準対象

参考までに以下、JPX(日本取引所グループ)公式サイトに掲載されている【流通株式に関する基準一覧】になります。

引用:JPX【流通株式に関する基準一覧】

流通株比率は5%未満だと上場廃止ラインだというのが表からわかります。
このことから、浮動株比率が5%未満の銘柄は「浮動株比率が低い・小さい」と判断することができるかと思います。

ただ、あくまで流通株比率における基準だということを踏まえて捉えていただければと思います。

浮動株比率の目安や平均において、明確に統一された基準はありませんが、他には「浮動株が少ない」という基準は浮動株比率が10%未満が目安という投資家の声もあります。

浮動株比率メモ

・東証と四季報では浮動株比率の算出方法が異なる
・東証の浮動株比率は、やや過大評価傾向(5%刻み切り上げ)
・四季報の浮動株比率は実態に近いが、やや過小評価傾向
・浮動株比率の目安や平均を示す統一された定義はない(流通株比率の基準を参考にするのも一つ)

浮動株比率の調べ方

浮動株比率は実際に自身で算出・計算するのは手間がかかったり面倒なものだと思います。

浮動株比率を調べる方法として簡単なのは、各証券会社の個別銘柄ページの四季報欄です。
以下の画像は楽天証券iSPEEDのものですが、四季報欄に浮動株比率が掲載されているため、ひと目で知ることができます。

実務的・現実的に考えると自ら計算するよりも、浮動株比率を調べる際は証券会社の個別銘柄ページやiSPEEDなどのツール・アプリでのチェックがおすすめといえます。

また、浮動株比率を銘柄ごとではなく一覧やランキング形式でまとめている法人・個人ブログサイト等もありますので、気になる方は検索してみると良いでしょう。

浮動株比率に関してよくある質問

浮動株比率が低い銘柄(例えば10%以下)の最大の特徴は何ですか?
「値動きの激しさ(ボラティリティ)」です。 市場に出回っている株が少ないため、少しの買い注文で株価が跳ね上がり、逆に少しの売りで急落します。いわゆる「品薄株」として、短期的な急騰を狙う投資家に好まれる一方、リスクも非常に高いのが特徴です。
逆に、浮動株比率が高い銘柄(例えば80%以上)のメリットは?
「流動性が高く、いつでも売買できること」です。 多くの株主が売買に参加しているため、大きな注文を出しても株価が乱れにくく、自分の好きなタイミングで売買を成立させやすい(=出口戦略が立てやすい)という安心感があります。
TOPIX(東証株価指数)の算出に、浮動株比率が関係しているのはなぜですか?
指数を「実際に投資可能な規模」に合わせるためです。 以前は全株式数で計算していましたが、現在は「浮動株時価総額(時価総額 × 浮動株比率)」を基準にしています。これにより、市場で買えない親会社保有株などの影響を排除し、より実態に近い指数となっています。
自社株買いが行われると、浮動株比率はどう変化しますか?
原則として、浮動株比率は低下します。 企業が市場から株を買い戻すと、その分、市場に流通する株(浮動株)が減るためです。需給が引き締まるため株価には追い風になりますが、極端に進むと流動性が低下する懸念も生まれます。
浮動株比率が「低すぎる」銘柄に投資する際の落とし穴は?
「売りたい時に売れないリスク」です。 株価が急落した際、買い手が全くおらず、成行で売ろうとすると想定外の安値まで突き抜けてしまうことがあります。また、東証の「上場維持基準」には浮動株比率の規定があるため、低すぎると上場廃止リスクに繋がる可能性もゼロではありません。
浮動株比率が「高い」銘柄は、買収(TOB)されやすいのですか?
はい、その傾向があります。 固定株主(親会社や創業家)が守っている株が少ないため、市場で株を買い集めやすく、敵対的買収などのターゲットになりやすいと言えます。これは株主にとっては、プレミアム価格での買取期待というポジティブな側面もあります。
浮動株比率の変化から、何が読み取れますか?
「大株主の動向」です。 例えば、比率が急上昇した場合は「創業家や金融機関が株を放出した(売り出した)」可能性が高く、短期的には需給悪化(上値が重くなる)のサインとなります。逆に低下している場合は、安定株主が増えていることを示唆します。
初心者は、どのくらいの浮動株比率の銘柄を選ぶのが無難ですか?
まずは「20%〜50%程度」の銘柄から探すのがお勧めです。 この範囲であれば、適度な値動き(ボラティリティ)を楽しみつつ、売買のしやすさ(流動性)も確保されていることが多いためです。10%を切るような極端な品薄株は、経験を積んでから挑戦するのが賢明です。

スポンサーリンク
おすすめの記事