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回帰トレンドとは

回帰トレンド(読み方:かいきとれんど)

 

回帰トレンドとは、相場の方向性やトレンドを判断する時に使われるテクニカル指標です。

統計学などで用いられる回帰直線や標準偏差を使ったテクニカル分析となります。

 

 

もう少しわかりやすく説明すると、任意の期間の値動きの中心を通るように直線(回帰直線)を引き、上下に2本ずつ平行線(標準偏差から取った線)を引いた指標となります。

中心の直線の上にある内側の平行線を「+1σ」、外側の平行線を「+2σ」、下にある内側の平行線を「-1σ」、外側にある平行線を「-2σ」といいます。
ちなみに「σ」の記号は「シグマ」と読みます。

この5本線の傾きや幅、線と株価の位置関係からトレンド分析を行うことができます。

回帰トレンドの設定

回帰トレンドの設定については「期間」「次数」「予測期間」とあります。

例えば、楽天証券の「MARKETSPEEDⅡ」の場合、初期設定は「期間:125」「次数:1」「予測期間:25」で設定されています。

期間については「25日」「75日」「125日」などがよく使われる数値となっているので、投資スタイルに応じて設定すると良いでしょう。

 

回帰トレンドメモ

・回帰トレンドとは相場の方向性やトレンドを判断する時に使われるテクニカル指標のこと
・統計学などで用いられる回帰直線や標準偏差を使ったテクニカル分析手法
・この5本線の向きや幅、線と株価の位置関係からトレンド分析を行うことができる
・設定期間は「25日」「75日」「125日」がよく使われる数値

 

回帰トレンドの使い方

回帰トレンドは相場の方向性やトレンドを判断する時に使われる指標となります。

具体的な見方については

・5本線の傾きでトレンドを判断
・5本線の幅で変動幅を判断
・中心線と株価の値動きから売買シグナルを判断
・上値抵抗線と下値支持線

などがあります。

1つずつ簡単に紹介していきます。

5本線の傾きでトレンドを判断

5本線の傾きでトレンドを判断する場合、基本的には上向きであれば上昇トレンド、下向きであれば下降トレンドという見方ができます。

この時に線の傾き(角度)も重要で、急であるほどトレンドが強いことを示しています。

反対に傾き(角度)が緩やかである場合は、相場が落ち着いている、相場の変動が小さい状態を示しており、トレンドが発生していないと判断されます。

5本線の幅で変動幅を判断

回帰トレンドの線と線の幅から相場の変動の大きさを判断できます。

回帰トレンドでチャートを見た時に、線と線の幅が狭い場合はボックス相場だったり、小さい値動きで推移していると判断できます。

反対に線と線の幅が拡大している場合は値動きが大きい状態を示します。

上下の値動きが大きいということは、大きなリターンを期待できますが、リスクも大きくなっているので損失も大きくなる可能性があります。

中心線と株価の値動きから売買シグナルを判断

次に回帰トレンドでの売買シグナルについて確認していきましょう。

まず1つ目は「株価が中心線を上抜けた時」です。

上記チャートのように株価が中心線を上抜けた時は「買いシグナル」と言われています。

ただし、過去の値動きを見るとわかるように必ずシグナル通りになるとは限りません。
他のシグナルにも言えることですが、いわゆる「だまし」となるケースもあるのでこの点は注意しましょう。

 

2つ目は「トレンドが下向きで株価が-2σを割った時」です。

上記チャートのように、トレンドが下向きで-2σを割り込んだ時は「買いシグナル」と言われています。

 

3つ目は「株価が中心線を下抜けた時」です。

上記チャートのように株価が中心線を下抜けた時は「売りシグナル」となります。

 

4つ目は「トレンドが上向きで株価が+2σを超えた時」です。

上記チャートのようにトレンドが上向きで株価が+2σを超えた時は「売りシグナル」となります。

上値抵抗線と下値支持線

他には、回帰トレンドの「+1σ」と「+2σ」は上値抵抗線となり、「-1σ」と「-2σ」は下値支持線になります。

上値抵抗線とは、簡単に言うと売りが出やすく株価が伸び悩む傾向にあるラインのことです。
売り時の目安にもなりますが、売り物をこなして抵抗線を突破した場合は買いの勢いが強いと判断でき、さらに上昇することも多いです。

下値支持線とは、簡単に言うと買いが出やすく株価が下げ渋る傾向にあるラインのことです。
買い時の目安になりますが、買い物をこなして支持線を突破した場合は売りの勢いが強いと判断でき、さらに下落することも多いです。

このように回帰トレンドではトレンドの向きや強さ、変動の大きさなどを把握したり、売買シグナルを見ることができ、投資判断に役立てることができます。

ただし、他のテクニカル分析と同じように、回帰トレンドにも「だまし」はあります。
ですから他のテクニカル指標と組み合わせて使ったり、その他の要因も考慮して投資判断はするといいでしょう。

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