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グランビルの法則とは

グランビルの法則(読み方:ぐらんびるのほうそく)

 

グランビルの法則とは、米国のアナリスト「ジョセフ・E・グランビル氏」が考案した投資理論のことです。

移動平均線と株価の位置関係や、移動平均線の向きと株価の値動きなどから売買のタイミングを判断するチャート分析となります。

グランビルの法則は、8つの法則、いわゆるチャートパターンで成り立っており、4つの買いパターンと4つの売りパターンがあります。

 

 

上記は簡単なイメージ画像となりますが、グランビルの法則ではトレンド転換での売買ポイントや、押し目買いや戻り売りなどの売買ポイントを判断することができます。

グランビルの法則【売買パターン】

それでは、グランビルの法則の売買パターンをもう少し詳しく紹介します。

まずは「買いパターン」と「売りパターン」の各ポイントについて簡単に説明します。

まずは買いパターンですが、これは上記画像の赤丸部分になります。

それぞれを簡単に説明すると、

1.トレンド転換を狙うポイント
2.押し目買いを狙うポイント
3.押し目買いを狙うポイント
4.自律反発を狙うポイント

となります。

そして売りパターンは青丸のところです。

こちらもそれぞれ簡単に説明すると、

1.トレンド転換を狙うポイント
2.戻り売りを狙うポイント
3.戻り売りを狙うポイント
4.反落を狙うポイント

となります。

グランビルの法則は、上記のように8つの法則から成り立っています。

ただし、必ず上記のイメージ画像のように推移するわけではありません。

例えば、上記の推移では「買いパターン1」「売りパターン4」「買いパターン2」と推移していますが、「買いパターン2」は出現せずに「買いパターン3」や「売りパターン1」が出現することもあります。

実際の株価チャートを見ていただけるとわかりやすいかもしれません。

 

 

後半の推移ですが、「買いパターン1」が出現した後は「売りパターン4」と「買いパターン3」が交互に続き、「買いパターン2」が出現することなく「売りパターン1」が出現しています。

ですので、グランビルの法則を覚える場合、最初に提示したイメージ画像の流れではなく、各売買パターンを覚えておくと良いでしょう。

それでは4つの買いパターンと4つの売りパターンについて解説していきます。

買いパターン1【トレンド転換を狙うポイント】

1つ目の買いパターンは「トレンド転換ポイント」です。
拡大してみると次のようになります。

詳しく説明すると「移動平均線が横ばい、または上向きになりつつ、株価が移動平均線の下から上に抜けた場合」が買いパターン1の「トレンド転換ポイント」になります。

株価が移動平均線を上抜けすると、移動平均線は少しずつ上向いていき、株価が底打ちして上昇する可能性が高いと判断されます。

上記は【7974】任天堂の株価チャートになりますが、「買いパターン1」が出現した後は明確に上昇しているのがわかります。

ただし、売りパターンの「戻り売りを狙うポイント」と似たところもありますので、株価が移動平均線を上抜いたからといってすぐに判断するのではなく、移動平均線の向きもしっかりと確認するようにしましょう。

移動平均線が下向きの場合、売りパターン2の可能性もあります。

買いパターン2【押し目買いを狙うポイント】

2つ目の買いパターンは「押し目買いを狙うポイント」です。
拡大してみると次のようになります。

詳しく説明すると「移動平均線が上向きの時に、株価が下落して移動平均線を下回った場合」が買いパターン2の「押し目買いポイント」になります。

株価は上昇トレンドであっても一直線で上昇するわけではなく、利益確定売りなどもあるので一時的に下落することがあります。
そういった一時的な下落のタイミングで株を買うのが「押し目買い」です。

上記は【7741】HOYAの株価チャートになりますが、上昇トレンドを形成した後、何度か「買いパターン2」が出現し、その後も引き続き株価の上昇が続いています。

ただし、この買いパターンは株価が移動平均線を下抜けするので、売りパターン1【トレンド転換】と似たところもあります。

ですので下抜けしたらすぐに判断するのではなく、下抜けした後も「移動平均線は明確に上向いているか」を確認してから判断するようにしましょう。

より慎重に判断する場合は、下抜けした後に「再度、株価が移動平均線を上抜いた」ことを確認してから判断してもいいでしょう。

買いパターン3【押し目買いを狙うポイント】

3つ目の買いパターンも「押し目買いを狙うポイント」です。
拡大してみると次のようになっています。

詳しく説明すると「株価が移動平均線の上で推移している時に、上向きの移動平均線に向かって下落したものの、移動平均線を下回ることなく再度上昇した場合」が買いパターン3の「押し目買いポイント」になります。

要するに、移動平均線が「下値支持線(サポートライン)」となり、再び上昇に転じた形です。

上昇トレンドを形成している時は比較的よく見られる買いパターンとなります。

上記は【7974】任天堂の株価チャートになりますが、株価が上昇している局面で何度か「買いパターン3」が出現しているのがわかると思います。

「買いパターン2」と「買いパターン3」は、上向きの移動平均に向かって株価が下落する点は同じなので、下落しているタイミングで「買いパターン2」なのか、「買いパターン3」なのか、この判断をするのは難しいです。

ですので様子を見ながら少しずつ拾うようなイメージで投資したり、株価が再度上昇するのを待って判断するのが良いでしょう。

買いパターン4【自律反発を狙うポイント】

4つ目の買いパターンは「自律反発を狙うポイント」です。
拡大してみると次のようになっています。


詳しく説明すると「下向きとなっている移動平均線から株価が大きく下に乖離した場合」が買いパターン4の「自律反発を狙うポイント」です。

移動平均線から下に大きく乖離した場合、急速に下げた相場の行き過ぎ(売られすぎ)を示しており、警戒感から一旦買いが入り、自然と株価が反発することになります。
このような値動きを「自律反発」といいます。

買いパターン4は、下落している局面であえて買いで入る「逆張り手法」となっており、下降トレンドでも買いで利益を得られるポイントとなります。

上記は【7974】任天堂の株価チャートになりますが、大きく株価が下落した後、移動平均線から何度か大きく乖離する場面があり、「買いパターン4」が出現しているのがわかると思います。

移動平均線からの乖離を調べる時は「移動平均乖離率」というテクニカル指標を活用するのも良いでしょう。
乖離率の大きさは銘柄などにもよるので、その銘柄の特性などを掴んで判断するようにしましょう。

売りパターン1【トレンド転換を狙うポイント】

続いて売りパターンを見ていきましょう。

1つ目の売りパターンは「トレンド転換ポイント」です。
拡大してみると次のようになります。

詳しく説明すると「移動平均線が横ばい、または下向きになりつつ、株価が移動平均線の上から下に抜けた場合」が売りパターン1の「トレンド転換ポイント」になります。

株価が移動平均線を下抜けすると、移動平均線は少しずつ下向いていき、株価が天井をつけて下落する可能性が高いと判断されます。

上記は【7182】ゆうちょ銀行の株価チャートになりますが、「売りパターン1」が出現した後は明確に下落しているのがわかります。

ただし、買いパターンの「押し目買いを狙うポイント」と似たところもありますので、株価が移動平均線の下に抜けたからといってすぐに判断するのではなく、移動平均線の向きや明確に下に突き抜けたかどうかもしっかりと確認するようにしましょう。

移動平均線が上向きの状態なら、押し目買いのポイントになる可能性もあります。

売りパターン2【戻り売りを狙うポイント】

2つ目の売りパターンは「戻り売りを狙うポイント」です。
拡大してみると次のようになります。

詳しく説明すると「移動平均線が下向きの時に、株価が上昇して移動平均線を上回った場合」が売りパターン2の「戻り売りポイント」になります。

株価は下降トレンドでも一直線で下落するわけではなく、空売りをしている人の買い戻しや、売られすぎによる買いが入ることがあり、一時的な上昇を見せることがあります。
そういった一時的な上昇のタイミングで株を売ることを「戻り売り」です。

上記は【7182】ゆうちょ銀行の株価チャートになりますが、下降トレンドとなっている時に「売りパターン2」が出現しているのがわかると思います。

売りパターン2は、株価が移動平均線の下から上に抜けるので、買いパターン1【トレンド転換】と似たところもあります。

ですので戻り売りをする際は、株価が上に抜けた後、「移動平均線が下向きになっているか」や「地合いの状況」などを確認して判断するようにしましょう。

より慎重に判断する場合は、上抜けした後に「再度、株価が移動平均線を下抜いた」ことを確認してから判断してもいいでしょう。

売りパターン3【戻り売りを狙うポイント】

3つ目の売りパターンも「戻り売りを狙うポイント」です。
拡大してみると次のようになります。

詳しく説明すると「株価が移動平均線の下で推移している時に、下向きの移動平均線に向かって上昇したものの、移動平均線を上回ることなく再度下落した場合」が売りパターン3の「戻り売りポイント」になります。

要するに移動平均線が「上値抵抗線(レジスタンスライン)」となり、再び下落に転じた形です。

下降トレンドを形成している時は比較的よく見られる売りパターンとなります。

上記は【7182】ゆうちょ銀行の株価チャートになりますが、株価が下落している局面で何度か「売りパターン3」が出現しているのがわかると思います。

「売りパターン2」と「売りパターン3」は下降トレンド中によく見られる動きですが、どちらも下向きの移動平均に向かって株価が上昇する点は同じなので、上昇しているタイミングで「売りパターン2」なのか「売りパターン3」なのかを判断するのは難しいです。

ですので戻り売りを狙う場合は、一気に売るのではなく徐々に売り増ししたり、株価が再度下落するのを待ってから判断するのが良いでしょう。

売りパターン4【反落を狙うポイント】

4つ目の売りパターンは「反落を狙うポイント」です。
拡大してみると次のようになります。

詳しく説明すると「上向きとなっている移動平均線から株価が大きく上に乖離した場合」が売りパターン4の「反落を狙うポイント」です。

株価が移動平均線から上に大きく乖離した場合、相場の行き過ぎ(買われすぎ)を示しており、その反動への警戒感から利益確定売りや売りポジションを持つ人が増えて、株価が反落することがあります。

売りパターン4は、上昇している局面であえて売りで入る「逆張り手法」となっており、上昇トレンドでも売りで利益を得られるポイントとなります。

上記は【7974】任天堂の株価チャートになりますが、大きく株価が上昇した後、移動平均線から何度か大きく乖離する場面があり、「売りパターン4」が出現しているのがわかると思います。

株価と移動平均線の乖離率から分析する時は、先ほど説明した「移動平均乖離率」を活用すると良いでしょう。

グランビルの法則【移動平均線の設定期間と時間足】

グランビルの法則は移動平均線と株価を使った投資理論となります。

それでは、移動平均線の設定期間や時間足はどういったものが好ましいのでしょうか。

グランビルの法則で利用する移動平均線は、一般的に「200日移動平均線」を使うので、移動平均線の期間は「200日」、時間足は「日足」で設定します。

ただし、デイトレやスイングトレードなど、比較的短い期間で投資するスタイルの場合、上記の設定期間では売買パターンが発生しにくいです。

移動平均線は期間を長期にするほど穏やかに推移するため、大きなトレンドの流れは掴めても、細かい値動きの流れを掴むのは難しいです。

そのため、長期投資の場合は200日移動平均線が有効でも、デイトレやスイングトレードといった短期・中期投資の場合は有効とは言えません。

ですので投資スタイルに合わせて「5・10・20・25・50・75」といったように短い期間で設定するのが良いでしょう。

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