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疑義注記とは

疑義注記(読み方:ぎぎちゅうき)

 

疑義注記とは「継続企業の前提に関する注記」のことをいいます。
簡単に言うと、何かしらの理由により「事業を継続する事に問題が発生している状態」であることを表しているのが疑義注記です。

つまり、疑義注記の付いている企業はそれなりのリスクを含んでいる銘柄だということは理解しておきましょう。

初めて疑義注記が付いた銘柄は、そのリスクから株価は下げる事が多いです。
逆に、今まで疑義注記が付いていた銘柄が問題の解消等で疑義注記が外れた場合、好感されて株価は上がる傾向にあります。

疑義注記は別の呼び方として

・継続企業の前提に関する注記
・ゴーイングコンサーンの注記
・GC注記

と呼ばれたりします。

 

疑義注記メモ

・疑義注記は「事業を継続する事に問題が発生している状態」を表記するもの
・疑義注記が付いている企業はそれなりのリスクを含んでいる銘柄
・別の呼ばれ方として「ゴーイングコンサーンの注記」「GC注記」といった呼ばれ方もする

 

継続企業の前提とは

疑義注記とは、企業を継続していく事に対して何か問題がある状態の事だと先ほど説明しました。
では、継続企業の前提とはそもそも何かというと、

継続企業の前提とは、企業が将来にわたって事業を継続して存続するという前提のことをいいます。

当然の事ですが、普通会社は将来倒産する事を前提にするのではなく、会社が今後も続く前提で事業を行います。
ただし、経営がうまくいかずに倒産の可能性が生まれてしまうことはあるでしょう。

そういった倒産リスクなどで「継続企業の前提」が崩れてしまった時に、投資家に対しての注意勧告として発表しなくてはいけないのが疑義注記(継続企業の前提に関する注記)となります。
このルールは2003年3月期決算から導入されました。

また、継続企業の前提のことは英語でゴーイングコンサーン(going concern)といいます。

 

疑義注記メモ

・継続企業の前提とは企業等が将来にわたって事業継続して存続するという前提のこと
・継続企業の前提が崩れた場合に注意勧告として疑義注記を発表しなくてはならない
・継続企業の前提のことは英語でゴーイングコンサーンという

 

疑義注記となる条件や解消のタイミング

まず疑義注記は会社側が発表するものです。
そのため特定の決まった条件といったものはなく、継続企業の前提が崩れそうな時に発表されます。

ただ、継続企業の前提に疑義を抱かせる事象には、概ね以下のような項目があります。

<財務指標関係>
・売上高の著しい減少
・継続的な営業損失の発生
・継続的な営業キャッシュ・フローのマイナス
・重要な営業損失、経常損失
・重要な当期純損失の計上
・債務超過

<財務活動関係>
・営業債務の返済が困難な状態
・借入金の返済条項の不履行や、履行が困難な状態
・社債等の償還が困難な状態

<営業活動関係>
・主要な取引先との取引継続の拒絶
・重要な市場や得意先の喪失

<その他>
・巨額の損害賠償金等の負担の発生や可能性
・ブランド、イメージの著しい悪化

このような事例があげられます。

逆に疑義注記が解消する時は、上記の問題が解消したと経営者側が判断した時です。

ただし、疑義注記やその解消の発表は基本的には決算発表と同時に行われます。
そのため、疑義注記の解消を狙って取引する場合は決算発表前に狙っていくと良いかもしれません。

 

疑義注記メモ

・疑義注記やその解消は会社側が発表するもの
・売上高の著しい減少など財務関連の問題が主な原因となることが多い
・疑義注記やその解消の発表は基本的には決算発表と同時に行われる

 

疑義注記と重要事象の違い

「疑義注記」と似た様なものとして「重要事象」というものがあります。

重要事象とは「継続企業の前提に対して重要な事象」があるという注意勧告で出される発表です。

疑義注記とほぼ同じ内容となりますが、深刻度は疑義注記のほうが上となります。

どちらも継続企業の前提に対して何らかの問題はある状態ですが、「重要事象」より「疑義注記」のほうが倒産リスクは高い状態だと覚えておきましょう。

 

疑義注記メモ

・重要事象とは「継続企業の前提に重要事象」があるという注意勧告
・疑義注記とほぼ同じ内容だが深刻度は疑義注記のほうが上

 

疑義注記となっている銘柄(最終更新日2020/1/24)

以下で記載する銘柄は、2020年1月24日時点で疑義注記が発表されている銘柄となります。

発表日 コード 銘柄名
2010年 2月 12日 1751 クレアホールディングス
2010年 2月 12日 3779 ジェイ・エスコム ホールディングス
2010年 2月 12日 8894 REVOLUTION
2011年 3月 18日 2776 新都ホールディングス
2012年 5月 18日 6416 桂川電機
2012年 11月 14日 4777 ガーラ
2013年 5月 17日 5343 ニッコー
2014年 5月 20日 9318 アジア開発キャピタル
2015年 11月 11日 3727 アプリックス
2016年 1月 29日 2321 ソフトフロントホールディングス
2016年 1月 29日 2901 石垣食品
2016年 2月 12日 6628 オンキヨー
2016年 11月 14日 5216 倉元製作所
2017年 2月 10日 8107 キムラタン
2017年 2月 14日 3224 ゼネラル・オイスター
2017年 2月 14日 4585 UMNファーマ
2017年 4月 28日 2338 ビットワングループ
2017年 8月 14日 9973 小僧寿し
2018年 5月 18日 2586 フルッタフルッタ
2018年 8月 10日 1711 省電舎ホールディングス
2018年 8月 14日 8186 大塚家具
2018年 10月 12日 9978 文教堂グループホールディングス
2018年 10月 15日 2191 テラ
2018年 11月 14日 6166 中村超硬
2019年 2月 14日 3672 オルトプラス
2019年 3月 20日 3070 アマガサ
2019年 5月 15日 2134 燦キャピタルマネージメント
2019年 5月 15日 4833 ぱど
2019年 5月 15日 6731 ピクセラ
2019年 5月 15日 6740 ジャパンディスプレイ
2019年 5月 24日 7519 五洋インテックス
2019年 6月 24日 7777 スリー・ディー・マトリックス
2019年 6月 26日 7869 日本フォームサービス
2019年 7月 16日 9812 テーオーホールディングス
2019年 8月 14日 3777 FHTホールディングス
2019年 10月 28日 6615 ユー・エム・シー・エレクトロニクス
2019年 11月 14日 7815 東京ボード工業
2020年 1月 10日 7829 サマンサタバサジャパンリミテッド
2020年 1月 20日 5341 アサヒ衛陶
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