概要
当社子会社の日本電産モビリティ株式会社とカナダの Waterloo 大学が車内の生体を検知する電波センサ(レーダ)の性能向上技術について、共同開発を開始しましたので、別紙のとおりお知らせします。
1. 共同開発の概要
真夏の炎天下での車中置き去りによる乳幼児の死亡事故多発をうけ、ヨーロッパの自動車安全テスト「Euro NCAP」のアセスメント項目への追加※1、アメリカでの車内放置警告装置の搭載を義務付ける HOT CARS Act 法案の審議が開始される等、各国・機関が対策を検討しています。これにより乳幼児やペットなどの生体を検知する機能は今後需要が拡大し、2022 年前後の車両から採用が急速に進むと想定されています。この装置には、生体が熟睡するなどしてほとんど動きが無い場合でもその存在を検知しなければならないため、呼吸時における胸部の微小な動きを検知できる電波センサ(レーダ)が最有力と考えられています。
当社は、2019 年 3 月にカナダの子会社を通じ、Google Pixel 4 のモーションセンシング機能等の開発実績があり、電波センシング技術で優れた知見・ノウハウを有するカナダの Waterloo 大学と共同開発契約を締結し、センサ性能向上に必須となる要素技術を開発しています。高度なアンテナ技術によるセンサヘッド薄型化・検知範囲の広角化や、疑似人体モデルによる性能検証の効率化や再現性向上を図るためのファントム技術の確立等、商品化に向けた技術開発の取り組みを同大学と共同で進めており※2、2020 年の早い時期にこれらの技術を使った試作原理機を当社顧客へ順次紹介していく予定です。