概要
当社は、国内大手企業から、2.3 億円の水晶振動子ウエハ加工システムを受注しましたのでお知らせいたします。本案件はライフサイエンス・機器開発事業から派生する新規事業につながるものであります。
当社は、オプティカル事業、ライフサイエンス・機器開発事業の2つの事業を展開しておりますが、当社の各種ナノ加工技術を利用し半導体分野、宇宙分野、医療分野等への参入をするべく、共同開発を推進し当事業年度より本格的に新規事業を開始いたしました。
この度、その新規事業の一部において、大型の受注があり事業化の進展がありましたので報告いたします。
【水晶振動子ウエハ加工システムの開発(ナノ加工装置及びナノ検査装置)】
各種電子機器の制御には、基準となる信号が必要となります。一般的にマイコン等の低い周波数でかつ周波数の要求精度が高くない場合においては、安価なセラミック発信器が主流として使われておりますが、無線通信機器等の場合には、高い周波数でかつ周波数精度の要求も高いため水晶発振器が使われております。
近年ではMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)発信器なども性能を上げてきておりますが、基本的な特性(初期偏差のばらつきや温度特性等)の違いがあり、使用範囲が限られているのが現状であります。今後5Gの商用サービスやIoTの活用によって各種通信装置の需要が大幅に増加し、さらに各種センサーやカメラ、通信技術が自動運転等に展開されていけば、高精度な水晶発振器の需要がさらに高まると予想しております。
当社は、この水晶発振器の精度を左右する水晶振動子のウエハの厚み加工に、当社独自のナノ加工技術を適用し、厚さのばらつき精度をナノメートルレベルに抑えることを目標として、以前より国内大手企業からの委託開発を推進してまいりましたが、この度実用化の目途が立ったため水晶振動子ウエハ加工システムを正式に受注することとなりました。
また、その他の新規事業につきましても、当社の独自のナノ加工技術(EEM,PCVM,CARE)や培養技術(CELLFLOAT)を利用し、事業化に向けて開発を推進しておりますので、進展がある際に随時報告いたします。