概要
当社はこのたび、JSR株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:エリック ジョンソン)の100%子会社であるJMエナジー株式会社(本社:山梨県北杜市、代表取締役社長:山近幹雄、以下「JMエナジー」)の株式の一部(80%)を取得し、子会社化すること(以下、本件)としましたので、下記の通りお知らせいたします。
1.株式取得の理由
当社は 1938 年の創業以来、創業の精神「質実剛健・至誠一貫」を原点に、独創的なものづくりを探求し、世界の人々に信頼される魅力的な商品の提供を通じて、地球社会の発展に貢献することを社是としております。
本件の対象となりますJMエナジーは、リチウムイオンキャパシタの開発・製造・販売を手掛けており、世界でも数少ない大量生産が可能なインフラを保有しています。リチウムイオンキャパシタは、電気二重層キャパシタとリチウムイオンバッテリーの技術を掛け合わせ、急速な充放電が可能なキャパシタの長所を維持しつつ、従来より大幅にエネルギー密度を高めた蓄電デバイスです。長寿命でメンテナンスフリー、かつ安全性が高いといった特長もあり、現在は国内外で瞬時電圧低下・短時間停電の補償装置や、軌道交通のエネルギー回生システム、太陽光・風力発電の平準化用途などで採用実績があります。また車載向け用途においては、燃料電池と組み合わせることで、クリーンで高効率、かつレスポンス良く力強い走行性能を実現する理想的な電源システムを構築することができます。今後はさらなる大容量化の技術開発が進むことで、新たな市場の創出とともに、電動化社会におけるキーデバイスの一つになっていくことが期待されています。
自動車産業においては、電動化の進展により蓄電デバイスへの量的ニーズが増加しています。また、今後の技術革新や資源問題、環境・安全規制の強化などの様々な要因により、蓄電デバイスの利用形態は多様化していくものと考えられます。特に、当社が取り組む電動モビリティ向け駆動ユニットなどの開発においては、リチウムイオンキャパシタとその活用技術により、お客様に喜んで頂ける高い付加価値を持った商品を具現化し、ご提案することが可能になります。
このような背景の下、当社は今回の株式取得によって近い将来の成長が見込める蓄電デバイスの高度な開発技術・生産技術・生産インフラを獲得し、電動化社会の多様なニーズにお応えできるエネルギーソリューションの提供を通じて新たな事業展開を目指します。